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カテゴリー「昔の服(Vintage Clothing)」の5件の記事

2017年1月21日 (土)

Vtg Ralph Lauren(80年代のポロ:その2)

このところ80年代のヴィンテージ衣料に興味があるせいか、ブティックやデパートでの買い物が極端に減った。代わりにヴィンテージ衣料、中でもラルフローレンの古着を扱うお店やネットオークションをチェックするのが最新パターンということになる。

新年を迎えたばかりの1月1日朝7時、昔から探していたフルレングスのトップコートをebayで発見。既に3人の入札者がいる中終了間際に参加、無事落札することができた。そこで今回は初春に相応しいビッグなビンテージ品を紹介しようと思う。

1.ヘリンボーンのダブルコート

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ラルフローレンらしい大柄のヘリンボーン。生地はとにかく厚い。何しろコートだけで2.5㎏の重さだ。今時こんなヘビーなコート、どこのブランドでも扱っていないだろう。それでいて古臭さを感じさせない。80年代のビンテージ衣料が注目を集めるのも無理はない。

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2015年11月28日 (土)

The war lover(戦う翼)より

スティーブマックイーンの戦争映画というと「大脱走」が思い浮かぶ。ヒルツ大尉役のマックィーンが脱走の際バイクを運転するシーンは本人とのことでかなりの腕前らしい。一方、同じマックイーン主演の映画「戦う翼」の方はあまり知られていない。ここでマックイーンは空軍のパイロット役を演じていた。

映画の中では爆撃機の機長バズ・リクソン役ということで、シープスキンのフライトジャケットを羽織るマックイーンの姿が何度も映し出される。その姿に影響を受けて古いボマージャケットを引っ張り出してあれこれコーディネイトを考えてみた。そこで今週は「戦う翼」からヒントを得た着こなしを紹介したい。

1.映画「戦う翼」のシーンから

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史実に忠実な映画らしくマックイーンが羽織っているのは正式なフライトジャケットのようだ。トラウザーズは厚手のウール地、よく見ると細かなグレンチェックらしい。ボマージャケットというとデニムやチノパンと合わせるのが主流だが、ウールパンツと合わせるのも中々新鮮だ。

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2015年3月28日 (土)

Vintage Coat(70~80年代のコート)

ビンテージクロージングというと響きは良いが古着には違いない。ただし古着であっても、優れた縫製やデザイン、希少性など他とは差別化できるものは年を経て”ビンテージ”の冠が付く。つまり今着ている服や靴が将来ビンテージになるかどうかは、後世にかかっているという訳だ。

自宅のクローゼット奥にも昔の衣料が眠っているせいか、古着に興味をもつことはなかったが、今回ひょんなことから70年代のコートを手にすることになった。ただの古着と言えばそれまでだが、今回は届いたばかりのビンテージクロージングを中心に着こなしを紹介しようと思う。

1.ビンテージコート

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ダブルの襟ボア付きコート。内貼りされたボアは毛が寝てしまい柔らかな感触は失せている。このあたりは年代を感じさせるところだが、素材は天然もののようだ。目を引くのがボタンホール。補強のためなのだろうが全て革で縁取りされている。今時の服とは手間の掛け方がだいぶ違うようだ。

もう少し詳しくコートを見てみたい…

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2012年7月 7日 (土)

Vintage or Old?(昔の上着)

ヴィンテージとオールド(古着)の違いは何だろうか。調べたところ、古着はユーズドとも言い、誰かが袖を通した中古衣料全般を指すが、ヴィンテージはそれなりの年月が経っていることや状態が良いこと、珍しいものなどいくつかの条件があるようだ。衣料品でいえば大まかに30年程度は経ているというイメージに加え、より価値のある古着でなくてはVintageとは呼ばないとのこと。真にヴィンテージと呼べる衣料品はリーヴァイスくらいしかないという説もある。

少し前だがGWに信州のコテージに行き、屋根裏を整理していたら昔のウール製CPOジャケットが出てきた。かれこれ40年ほど前のものだ。湿度・温度ともに低い山の家で保管されていたせいか、虫に食われることもなく、とても状態が良い。ヴィンテージほどの価値はないかもしれないが、自分にとっては単なるオールド(古着)以上の思い入れがある。そこで今回はクリーニングを経て復活した昔懐かしのジャケットを紹介しようと思う。

1.バッファローチェックのCPOウールジャケット

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タグは擦り切れてしまい、もはやどこのメイカーかわからないジャケット。当時VANの別ブランドSCENE(シーン)が流行る前だったから、インポートものが気軽に買える時代ではないはず、となると国産ものだろう。尤もアメリカのものより細身でトリムフィットだから今の時代にフィットしてとても新鮮だ。ジーンズとコットンダックのシャツはどちらもデッドストック。ブーツは最近のアメリカ製ワークブーツ。

もう少し詳しくジャケットを見てみたい…

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2011年7月 5日 (火)

Ivy-League model(アイビールック)

1961年、この年に創業されたVAN(ヴァンヂャケット)によって日本のメンズファッションは大きく変わっていった。みゆき族に代表されるアイビールックの火付け役だったVANはとその後トラッドスタイルへとブームを導き、1970年代にはカレッジを中心にニュートラッドやプレッピーへと受け継がれていく。当時を実体験した世代としては、VAN製品を苦労して手に入れた事が蘇る。

やがて舶来品ブームとなり、ラコステのポロシャツにトップサイダーのデッキシューズとファーラーのパンツといった姿の学生が目立つようになる。中にはラルフローレンや当時上陸したてのポールスチュアートなどN.Yデザイナーに走る者もいた。だが、60年代~70年代のファッションをリードしたのは間違いなくVANだった。そこで今回は今から38年前のVANジャケットとともに当時のスタイルを振り返ってみようと思う。

1.アイビールック

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アイビールックではブレザーといえばネイビーよりもキャメル、そして(段返りの)3つボタンでボタンは金のメタルというのが定番だった。合わせるスラックスもチャコールグレイでノープリーツ、シルエットはパイプドステムで裾はダブルという暗黙の了解があった。これにタッターソールのボタンダウンシャツとレジメンタルタイを合わせ靴はリーガルのおかめ靴で締めくくる。そんな姿を再現したのが上の写真である。

2.コーディネイト

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当時VAN以外に愛用していたのが大同毛織のニューヨーカー。ここのジャケットやボタンダウンシャツも随分愛用した。特にシーアイランドコットンをブレンドした番手の高い白のBDがお気に入りだったが、残念なことに当時のシャツやネクタイはもう残っていない。せめて1980年代のブルックス製ポロカラーシャツと当時既にライセンスで入ってきていたポロ社のネクタイを合わせてみた。スラックスはコットン素材で日本のアイビーズリーグ製。

3.ショルダー部分

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38年前のVANジャケット。肩に感じる感覚はゴム引きのコートに近い。芯地が硬いせいだろうか、うなじから肩先まで体に沿う感覚が感じられず、パリッとした印象だ。尤もかなり昔のものだから経年変化によって生地自体のしなやかさが失われているかもしれない。いずれにしてもこの間の既製服の変化は想像を超えるもので、軽くしなやかに、着心地は劇的に進化していることを実感した。

4.メイカーズタグ

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タグにはThe Blazer Manと記されている。1973年の購入だからVANの製品としては随分と後期に属する。アイビールックから3ボタン段返りのトラッドモデルに移行した頃からこのタグに変わったようで、1961年創業のVANが1978年に倒産する5年前といううことになる。当時の自分にとってはVAN製品は大変高価で、何かの記念に家族からプレゼントしてもらった1着だったこともあって、今もクローゼットの片隅に掛けている。

5.センターフックベント

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アイビールックはディテールへの拘りが強く、中でもセンターフックベントは有名だった。尤もブルックスブラザーズやヒッキーフリーマンには見られないもので、専らJプレスや日本のVANが好んで取り入れていたようだ。どうやら同じ3ボタン段返りでもアイビーリーグモデルはセンターフックベント、トラッディショナルモデルはセンターベントという分け方になるらしい。とすれば、このジャケットはアイビーリーグ・モデルということになる。昔はコットンスーツの後ろ姿にこのフックベントが付いている姿の紳士を見つけては同好の士に会えた嬉しさを感じたことが懐かしい。

6.コードヴァンベルト

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前回のMade in Japanにも出てきた日本製のコードヴァンベルト。昔VANが売っていたのはエッジにステッチのないタイプだった。今もVANのオンラインショップでは売っているようで、久しぶりに見て懐かしくなった。当時はコードヴァンの意味を理解していなかったが、「ベルトはコードヴァンのものを」という解説を頭に入れて身に着けるものを買いに行ったものだ。それだけ純粋だったとも言える。

7.パッチ&フラップポケット

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昔は胸のパッチポケットにエンブレムを付けるのが夢だったが、未だに実現していない。このパッチポケットはどことなく若さを感じるせいか、以前リヴェラーノでジャケットをオーダーする時にアントニオさんに薦められたのを断った経緯がある。またウェルトシームのラペルやパッチポケットも手縫いが感じられる星ステッチの方が最近は好みということもあり、アイビールックやトラディショナルルックから遠ざかったことを実感する。

8.シャツ&タイ

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昔のアイビーリーグモデルのタイはもう少し細身だったような気がする。今揃えるならば純英国調のクラブレジメンタルタイの方が良いかもしれない。尤も英国では着用するのは避けたほうがよいだろうが。シャツもやや昔のブルックスだが既に7つボタンになっている頃のもので、もう少し襟がロールしていると嬉しいのだが。

9.スリーブカフ

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マシン仕立てらしく実にそっけないスリーブカフ。当然ながら本切羽や本開きなどではなく、開き見せでボタンホール風のステッチ付き2つボタンということになる。1979年、日本の青山にブルックスブラザーズが入ってきた頃、直輸入ものは切羽部分がアンフィニッシュだったと思うが、この写真同様開き見せで仕上げてきたことだろう。これが既製服を広めたアメリカのスタンダード、VANが忠実に守ったのも当然かもしれない。

10.アメリカントラッドシューズ

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みゆき族の定番が左のおかめ靴、ウィングチップブルッチャーである。VANと同じ1961年に創業したREGALは当時ワシントン靴と比べると高根の花で、まずビーフロールのローファーを買ったことを思い出す。ようやくウィングチップ・ブルッチャ―を買ったのは今回紹介したジャケットより後、1980年代に入ってのことだ。それでも既に30年近く経つ手持ち最古の1足である。一方右は初めてNYのブルックスを訪れた際に買ったタッセルローファーで1990年製。

11.アメリカントラッドシューズⅡ

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右のスリッポンは勿論オールデン製、踵に摘みステッチのあるブルックスのエクスクルーシヴだ。アイビールックより後のトラッドブームの頃に発売されたデザインで、当時よく似たものをREGALSHOPで購入した。左のREGALは創業が同じ年のVANヂャケット社とジョイントして同じ型の靴を売り出したことがあった。インソックにREGALの文字とVANのロゴが並ぶダブルネームは当時画期的で、こうした独創的で型破りなVANは他のブランドにはない独特の魅力があった。

アイビーとそれに続くトラッドブームの後、1978年にVANが姿を消すと1980年代にはデザイナーズブランドが台頭する。ご多聞に洩れずジョルジオ・アルマーニを買いに香港まで旅行したこともあったが、VANで学んだトラッドのエッセンスをうまく取り入れたラルフ・ローレンに影響を受け、再びトラディショナルスタイルに身を置くようになった。

その後はHACKETTを通じてアメリカントラッドの源流ブリティッシュトラッドを学んだり、アルマーニを通じて知ったイタリアのクラシックなクロージングの魅力を教わったりしながら少しずつ自分なりのスタイルを築いていった。それでも、昔VANやメンズクラブを通じて教わった数々の決まり事は装いの原点になっている。あの頃の服飾に対する情熱は残念ながら持ち合わせてはいないが、イタリアやイギリスに寄り道する前にアメリカントラッド(基本)を学べたことに感謝している。