最近のトラックバック

カテゴリー「誂え服(Bespoke clothes)」の39件の記事

2017年9月16日 (土)

Savile Row(スーツの聖地:その2)

サビルロウで最も古いテイラーと言えばヘンリープール。創業は1806年、1846年にはサビルロウに移転し途中一時期移転するものの、1982年に今の15番地に戻り、以来スーツの聖地でドレープの効いたスーツを作り続けている。

先代のジョージグラスゴーに案内されてヘンリープールを訪れたのが2003年、その後3着のスーツを作り今に至っている。そこでスーツの聖地特集第2回目は、そのヘンリープルで作った3着目のスーツを元に魅力をお伝えしてみたい。

1.ヘンリープールのスーツ

10

昭和天皇や吉田茂元首相、白洲次郎も誂えたというヘンリープール。英国仕立ての特徴、立ち姿の美しさを意識した作りは芯地がしっかり入っている。フィット感はイタリア仕立ての真逆ともいえるもので、肩を後ろからしっかりと掴まれる印象がある。

続きを読む "Savile Row(スーツの聖地:その2)" »

2017年7月29日 (土)

Sartoria Napoletana(ナポリ仕立て)

前回はロンドンのテイラーが作るスーツを紹介した。立ち姿の美しいサビルロウスタイルのスーツは仕事の場において相手に対する信頼や安心感を無言のうちに醸し出してくれる。ここ一番という勝負所で常に、自らを奮い立たせてくれる武器でもある。

その対極にあるのがイタリアのサルト。中でもナポリのそれは手仕事による柔らかな仕立てで着ていることを忘れさせるほどだという。そこで今回はナポリのサルトが作るスーツをコーディネートを交えながら細部にわたって詳しく紹介してみようと思う。

1.アントニオ・ラ・ピニョッラのスーツ

02

ナポリの腕利きサルトアントニオ・ラ・ピニョッラ(以下ピニョッラ)のスーツ。僅かな期間日本に入ってきたピニョッラは仕立て服の技術で作り上げた既製服の決定版。ロープドショルダーから吸い付くような上襟にかけての美しいノボリが服好きを魅了する。

続きを読む "Sartoria Napoletana(ナポリ仕立て)" »

2017年7月22日 (土)

Savile Row(スーツの聖地:その1)

スーツをどこで仕立てるか…クラシコイタリア好きならばナポリが直ぐに思い浮かぶだろう。その昔、欧州(特にイギリスはロンドン)のテーラーに縫い子として修行に出たイタリア人がその技術を持ち帰り、今日のナポリ仕立ての礎を築いたという。

イタリアのサルト特有の甘い縫いからくる着心地の良さも魅力だが、スーツやジャケットの本命といえばサビルロウにとどめを指す。そこで今回から数回に渡り、立ち姿の美しさで世界中の紳士を魅了するサビルロウの仕立てを紹介してみようと思う。

1.段返りの3ツボタンスーツをサビルロウで誂える

00

サビルロウのテイラーに段返りの3つボタンスーツを頼んでも、決してブルックスのようなサックスーツにはならない。イングリッシュドレープの効いたジャケットと綺麗に落ちるトラウザーズで着る者を凛々しく見せる。それがサビルロウスタイルなのだ。

続きを読む "Savile Row(スーツの聖地:その1)" »

2016年5月21日 (土)

Huntsman dittos(ツィードスーツの完成)

スーツの事を古い言葉でDittos(ディトーズ)と呼ぶそうだが、Dittoを調べてみたところ「同じこと」「同上」とある。そう言えばスーツはジャケットと組下のトラウザーズや間に挟むウェイストコートが全て同じ素材、だからDittosと呼ぶようになったのかもしれない。

ハンツマンのツィードスーツが完成したのでトランクショウに顔を出してみた。実は3ピーススーツに加えて共布でネクタイとキャップを注文していたので同じ柄物が5つで1セットということになる。そこで今回は出来たての5-piece dittosを紹介してみようと思う。

1.シングルピークトラペル

00

完成したスーツはハウススタイルのシングル1ボタン。襟は注文どおり直線的に肩まで上るピークドラペルで仕上げている。袖と身頃の柄合わせは「自然な立ち位置」で腕を下ろした時に合うよう工夫しているとのこと。ハンツマンは柄合わせが特に上手だと思う。

続きを読む "Huntsman dittos(ツィードスーツの完成)" »

2015年11月21日 (土)

Tweed Suit(ハンツマンの仮縫い)

前回ブログにハンツマン受注会の様子を伝えたのが9月12日。何と2ヶ月のインターバルで再びトランクショウが開催されるとの連絡が入った。「年に4回来日する。」とは聞いていたが、夏とクリスマス時期を除けば確かに2ヶ月で1度の割合になる。新規参入のハンツマンらしい熱意の表れなのだろう。

生憎今回は出張中ゆえ仮縫いはパス。来日するカッターのロバートには仮縫い前のスーツ写真を送って貰うよう依頼した。すると仕掛り中のスーツの写真と共にハンツマンのウェブサイト用写真まで届いたではないか。そこで今回はハンツマンに注文したスーツの最新情報を紹介してみたい。

1.ハンツマンのカッター

10

裁断机の生地はハンツマンのハウスチェック。かなり人目を引くチェックだがハンツマンではスーツでもOKらしい。カッターのパンツ両脇ポケットに注目。意外にもサビルロウのテイラーはスランテッドポケットが多い。英国経由のアメリカントラッドがバーティカルポケットを守るのとは違うようだ。

続きを読む "Tweed Suit(ハンツマンの仮縫い)" »

2015年9月12日 (土)

Huntsman trunkshow(ハンツマン受注会)

1990年代からいくつかのテイラーで服や靴を誂えてきたが、当時はこれほどまで日本を含むアジア地域で多彩な顔ぶれになるとは思ってもみなかった。比較的早くビスポークの世界にスポットが向いていた日本の顧客達はサビルロウやナポリまで足を延ばし、お気に入りの逸品を誂えていたようだ。

ところが今や日本にいながらにして世界の名店が注文をとりに来る。今回サビルロウでも飛び切りの上代といわれるハンツマンが満を持して日本でのトランクショウを開始した。たまたまシニアカッターとは旧知の間柄ということで、今回はハンツマンでの受注会の様子をお伝えしようと思う。

1.トランクショウの会場

Img_7583

場所は東京駅至近ながら隠れ家的な趣のあるフォーシーズンズホテル・丸の内。かなり広い部屋はゆったりと客を迎える工夫が随所に凝らされている。バンチだけが並ぶ一昔前のトランクショウとは違い、トルソーにサンプルが着せられている雰囲気は、まるでアトリエがそのまま移動してきたようだ。

もう少し詳しく紹介したい

続きを読む "Huntsman trunkshow(ハンツマン受注会)" »

2015年3月14日 (土)

Vintage fabric(昔の生地で誂える)

服を何着か誂えると、選ぶ生地にもこだわりが出てくる。既製服の世界ではイタリアの軽くしなやかな服地が人気だが、イタリアのサルト(テイラーの意)達は英国の生地を推す。フィレンツェのリヴェラーノでもセミナーラでも英国製の生地を薦めることが多く、時には昔の良い生地が入ったと喜んで見せてくれることさえある。

これが紳士服の本場英国のテイラーはというと、やはり昔の英国製の生地の方が良いと言う。昔の服地に魅せられた知人から買い求めたビンテージ生地をロンドンのテイラーに預けた時もお墨付きを貰っていたが、先日そのうちの1着分がついに完成した。そこで今回はビンテージ生地で誂えたスーツ紹介しようと思う。

1.用いた生地

85ee2e40

仕立て前の生地。1875年創業の英国ミル、ウィリアムハルステッドによる3PLY(モヘア45%&ウール55%)の千鳥格子。モヘアを3本まとめて撚った糸で作り上げる生地はコシがありかなり重い。テイラーに言わせるとファンタスティックな生地らしい。確かに生地自体の強い張りやシャリ感が感じられる。

もう少しスーツを詳しく見てみたい…

続きを読む "Vintage fabric(昔の生地で誂える)" »

2015年1月17日 (土)

Bespoke Coat(サビルロウのコート)

新年を迎えた慌ただしさも一段落した頃、ロンドンはサビルロウのデイヴィス&サンから荷物が届いた。厚さはそれほどでもないが平たく大きい段ボール。はて、何だろうと開けてみると紙のトルソーに掛けられた状態のコートだった。仮縫いに中縫い、途中で体型が変わったこともあって細かな変更を経ての到着だ。

早速箱を解体、取り出したコートは皺もなく綺麗に収まっていたようだ。さすがにコートだけあって着丈が長い分、折り返したところが皺になっていたのでスチームを当てて復元、早速トルソーに着せてみたところだ。そこで今回は届いたばかりの英国調シングルチェスターフィールドコートを紹介しようと思う。

1.Davies & Son

00b

トルソーに着せようと持つとずっしり重い。ホーランド&シェリーでもトップクラスのコート用ピュアカシミアは着慣れたジャケット用のものとは明らかに密度が違うようだ。今回はフォーマルなコートをスーツの上ではなくカジュアルに着ようとシングルにして前を比翼仕立てにしなかった。画面からも素晴らしい生地感が伝わるだろうか。

もう少しサビルロウ仕立てのコートを詳しく見ると…

続きを読む "Bespoke Coat(サビルロウのコート)" »

2014年7月19日 (土)

週末のTweed(リエントリー)

デジタル一眼レフで写真を撮るようになると、その前まで使っていたコンパクトデジカメの写真がどうにも見栄えが悪い。昔、機械式一眼レフからデジカメに変わった時は「もうコンパクトで十分」と思っていたのに、いざデジタル一眼レフで撮影してみると下手ながらも性能の違いが写真に現れることに気づいた。

操作に慣れて少しはまともな写真が撮れるようになると、以前の写真を差し替えたいと思うようになってくる。オート撮影ばかりでなくマニュアルモードで撮影することも覚えた。そこで今回は新たに写真を撮り直した上で、お気に入りのツィードジャケットの記事をリ・エントリー(再掲載)しようと思う。

1.リエントリー

01

前回の掲載は2011年7月23日。今から3年前の夏だから、昔も今も夏のうちから秋冬物を出してあれこれ考えていたことになる。唯一無二のデザインとカッティングが光るジャケットは正にビスポークの真骨頂。秋冬シーズン最初に袖を通す1着として真っ先にリエントリーが思い浮かんだ。

さて、個性溢れる英国仕立てのツィードジャケットをもう少し詳しく見てると…

続きを読む "週末のTweed(リエントリー)" »

2014年4月 5日 (土)

Henry Poole 2nd(続ヘンリープール)

ウィキペディアによればヘンリープールは1806年リネン商として創業、軍服を仕立てながら1846年にテイラーとしてサビルロウに店を構えたようだ。戦前は日本の皇室御用達でもあったが、1961年にサビルロウ再開発を期にコークストリートに移転、1982年は再びサビルロウ15番地に戻り、現在に至るとのこと。

通りにはギーブズ&ホークスやハンツマンが軒を連ねるが、プールは老舗中の老舗であるにも拘らず仕立て代は控えめ、店の雰囲気も穏やかで温かさを感じさせる。今までプールでは3着のスーツを作ったが、その中で、今回は直しを終えてようやく戻ってきた2着目のスーツを中心に着こなしを紹介しようと思う。

1.ブリティッシュスーツ

01

典型的な3つ釦中一つ掛けの英国調スーツ。初めてハケットを見た時の衝撃は正にこの写真のようなスーツだった。最近は見かけないがブリティッシュトラディショナルスーツの完成形と言えよう。ヘンリープールらしく、ウェストサプレッション(胴絞りが強い)とチェストを強調するカッティングが特徴だ。

もう少し詳しく紹介したい…

続きを読む "Henry Poole 2nd(続ヘンリープール)" »