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カテゴリー「誂え靴(Bespoke shoes)」の75件の記事

2017年4月29日 (土)

Bespoke Sample(ジョンロブパリの見本)

今から20年以上前の事だが、クレバリーの中心となったジョン・カネーラとジョージ・グラスゴーが抜けたポールセン&スコーンで大々的にビスポーク靴のサンプルセールをやっていた時期がある。恐らくビスポークを止める前の在庫一掃だったのだろう。

最近、ふとしたきっかけでジョンロブパリのビスポークサンプルを手にすることになった。寸法から想像するにやや長めのようだが「後学のため」と試着することなく購入。そこで今回は海外から届いたばかりのビスポークサンプルを紹介してみようと思う。

1.到着したばかりのビスポークサンプル

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ロイヤルワラントが使えないためシンプルな筆記体の刻印が特徴のジョンロブパリ。ただしデザインはパリのエスプリを感じさせる洒落たものだ。シンプルな3タイダービーに錆鉄色(Rusty color)のスェードを乗せるという感覚がロブパリらしい。

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2016年8月20日 (土)

Black beauty(黒靴の変遷)

残暑が厳しくおまけに台風が近づいている荒れ模様の週末。どこへ行くこともなく、夏の間履かずにいた黒靴をせっせと手入れした。こう暑いと秋が恋しい。上質のニットや重厚なコートに合わせる黒靴をイメージしながらひとつひとつ丁寧に磨きをかけた。

初めてロンドンで靴を誂えた時から最後の黒靴まで、ウェストエンドの靴屋では沢山の黒靴を注文した。途中イタリアや東欧、日本の黒靴も合流していつの間にか靴箱の中で一大勢力となっている。そこで今回は男の勝負靴、黒靴の注文歴を辿って行こうと思う。

1.Black Beauty(美しき黒靴)

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14足の黒靴。初めてロンドンで黒靴を注文したのが98年。当時はスーツに黒靴が当然だったこともあり、盛んに黒靴を注文していた。今は職種も変わり履く機会も減ったが、それでもいざという時の勝負靴、黒光りするほど磨くのを常としている。

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2016年8月 6日 (土)

Making process(ブーツの完成まで)

久しぶりにパソコンのメールを開いたらスパムメールがかなりある。受信拒否を設定したが雨後のタケノコのようで実に面倒だ…と思って見ていったらクレバリーのフィッターTeemu(ティーム)から最新のブーツの製作状況が写真で送られてきた。

そういえば今春のトランクショウで「30足目のブーツ」だから作っている様子を写真に収め送って欲しいと頼んでいたのを忘れていた。律儀な彼らしくしっかり応えてくれたのだった。そこで今回はメモリアルブーツ、その現在進行形を紹介しようと思う。

1.ラストメイカーMr.ティームレッパネン

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ジョンカネーラやジョージグラスゴーがツアーから引退して以来、東京のトランクショウを切り盛りしていたティーム。「厚手の靴下を履く…」という要望に応え、ラストを僅かに大きく作り変えているところのようだ。

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2016年2月 6日 (土)

春夏用の靴

立春を過ぎ、日の入りが少しずつ遅くなるのを感じている。もっとも天気はまだまだ寒い冬のようだが、それでも日中はポカポカとした陽気に誘われて、ついつい軽やかな雰囲気の靴が履きたくなってくる。

好天の合間をぬって春夏用の靴を手入れし始めた。お馴染みの靴達だが、それでも新顔が加わり気分は上々。そこで今回は春夏用の靴を引っ張り出してポリッシュ、日陰干しした時の様子を紹介しようと思う。

1.春夏用のカジュアル(その1)

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この春夏用の本命、スリッポンタイプの靴をまずは手入れしてみた。素材は定番のカーフに加えてホワイトバックスのコンビやコードバン、ピッグスキンなど誂え靴らしいバラエティに富んでいる。

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2015年12月19日 (土)

Long-cherished hope(3年間の思い)#02

ビスポークは完成を気長に待てる「心の余裕」が必要だと思う。自分でデザインした靴を職人と一緒に創るには長い年月がかかる分尚更だ。エルメスに自分でデザインしたブリーフケース(mallette:マレット)を注文した日本人男性の話は有名だが、その鞄が店の定番となるまでに要した期間はどれくらいだったのだろう…

「エプロンフロントのブーツで上部はWストラップ」のイメージデザイン画をフォスター&サンに手渡したのが4年前。納品までの道のりは実に長かった。それでも件のマレットよりは短いだろうが、買う楽しみを優先したい人には驚かれるに違いない。ともあれ、今回は3年越しのブーツ第2段、その細部を紹介してみたい。

1.穴開けを終えたストラップ部分

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穴は最もフィットする位置に一つだけ開けた。モンクストラップや時計のベルトでも同じだが、ビスポークの場合は真にフィットしている証しとして穴を一つしか開けないことが多いと聞く。自分としてはラフにパンツをブーツインすることも考え、緩い位置に穴を追加したいところだが悩みどころではある。

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2015年12月12日 (土)

Long-cherished hope(3年間の思い)#01

昔はブーツメーカーを掲げる靴屋はブーツからシューズまで、シューメーカーはシューズとテリトリーがはっきりとしていたらしい。最近はシューメーカーがアンクルブーツを作ることも多く、そうした垣根を意識することもなくなってきたが、実際は少数の顧客の為にブーツを作るメーカーが存在する。

靴を何足か誂えるとブーツにも興味が湧く。それもアンクル丈ではない。ロングブーツだ。幸い馴染みのフォスター&サンはブーツメーカーでもある。ならばと自分の欲しいブーツをデザインして注文したのが3年前…長い時を経てようやくブーツが届いた。そこで今回と次回の2回に分けて新着のブーツを紹介しようと思う。

1.ビスポークブーツ

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デリバリーされたブーツ。デザインは古いマックスウェルのノルウェジアンブーツやロブパリのコテージライン、エシュンのハンティングブーツやRRLのラギットブーツなどを参考にした。素材は昔のカールフロイデンベルグ、底付けは前回の短靴を元に更に進化させたノルヴェ製法となっている。

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2015年10月31日 (土)

Put on romance(ロマンを履く)

ロシアンレインディア(ロシアンカーフ)は最も希少な革として知られている。今から200年以上前の1786年、ロシアンカーフと麻を積載した「キャサリナ・ボン・フレンズバーグ 号」が嵐の為、英国近海のプリマス湾で沈没。その後1973年になって沈没船を引き上げたところ積荷の中からロシアンカーフが発見されたことに端を発する。

塩分を取り除き、再び油分を加えて復刻させた革は独特のダイア柄と共に200年以上の時を超えて蘇った「伝説の革」としてデビュー。様々な皮革メーカーが製品化していった。近年、その希少性に拍車がかかり今では入手の難しい革になっているようだ。そこで今回はロシアンカーフの靴を中心にそのケアを紹介しようと思う。

1.革の表面

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菱形のパターンが一目で分かる革の特徴。当時の伝統的な技法である植物なめしの後に木製の型押しブロックを用いてダイヤ柄を型押ししたとされている。特に植物性のオイル(白樺オイル)を仕上げに用いているらしく、それが錆と似た独特のにおいの元となっていると書かれていた。

もう少し詳しく紹介したい。

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2015年10月24日 (土)

トランクショウ三昧

靴や服、シャツを誂え始めた頃は海外に出向くのが当然、極東の日本でオーダー会を開くメゾンは非常に限られていた。注文から仮縫い、受取まで3回も足を運ぶ旅費を加算した靴は実に高価な靴だったことになる。それでもクレバリーのように日本のショップの招きで来日するメゾンは有難い存在だった。

ミレニアムを超えた2000年頃から徐々に有名店のビスポーク受注会が東京で開かれるようになり、ロンドンの誂え靴店は全て東京で受注会を開いているのだから時代は変わった、とつくづく思う。そこで今回はこの夏から秋にかけてお邪魔した誂え靴屋のトランクショウの様子を紹介しようと思う。

1.175年記念グッズ

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創業から175周年を迎えたのはロンドンの老舗、世界最古の注文靴屋ヘンリーマックスウェルを傘下に持つフォスター&サンだ。ヘンリーマックスウェルが1750年、フォスターが1840年の創業だからその由緒は誂え靴屋随一。記念のポストカードや革小物を多数用意してのトランクショウだった。

続きをもう少し見てみたい…

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2015年10月17日 (土)

Cordovan Tassel(タッセル靴を誂える)

誂え靴の価格高騰は著しい。1998年に£800だった価格も今や£2950、この17年間で£2150の上昇だ。年平均£126の値上げはデフレの日本では考えられず、「価格は注文時の値段が適用…まとめて何足か注文を…」という囁きに負けて複数注文することも多かった。

昨年春もカジュアル靴を2足(本当は3足と思ったが止めた)注文したが、この秋一遍に2足納品された。昔は2足同時に送られてきたこともあり、予想はしていたがそのとおりになった訳だ。そこで今回は2足同時に納品されたもう一方の靴、誂えのタッセル靴を紹介しようと思う。

1.リボンタッセル

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仮縫い時にボウ(リボン結び)の後付けを頼んだが、納品時に付いていなかったので一旦持ち帰り、満を持して今回の納品と相成った。このあたりのいきさつは前回の特集でもお伝えしたと思う。ブレイズ(組み紐)の付いたタッセルスリッポンは一目で既成のオールデンとは一線を画す出来だ。

もう少し詳しく見てみたい…

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2015年10月10日 (土)

ウィーザー公の靴を誂える

ロンドンの名店、ジョージクレバリーとの付き合いは1998年に遡る。海外の駐在から帰国後すぐにロンドンを訪問、クレバリーが再興してからちょうど5年が経っていた。当時はまだ店の規模も小さく訪れる客はまばら、狭い店の階段をジョン・カネーラとジョージ・グラスゴーが行き来していたことを思い出す。

その後カネーラは引退、グラフゴーもジュニアにトランクショウを任せるようになった。いつの間にか17年の月日が流れ、店は新しいスタッフと共に大繁盛。自身の靴も27足を超えて、新たに28足目が納品されたところだ。そこで今回は届いたばかりの靴を紹介しようと思う。

1.28足目の靴

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届いたばかりの靴。アッパーはヒュームドオークと呼ばれるカーフ素材。履き口(トップライン)はもう一段赤みの強い革で補強がなされており、アクセントになっている。見て分かるようにデザインはカジュアル、加えて今回のタイトルが「ウィンザー公の靴を誂える」となればデザインは容易に想像がつくだろう。

続きをもう少し見ていただきたい…

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