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2017年9月 2日 (土)

John Lobb(キングオブシューズ):後編

誂え靴の足数も既にサンプルを含めると60足を超えている。予定では最後となる「あと1足」の注文先をどこにしようか迷っていたら、馴染みの職人がジョンロブロンドンに移籍したと聞き、注文しようかどうか迷う材料がまたひとつ増えてしまった。

ただジョンロブは既にパリ店の顧客であり、本家ロンドン店は仮縫いなしの上に懇意の職人もまだ東京に来る立場にない。よって実現のハードルは高そうだ。そこで、せめて今回は後学のためにジョンロブロンドン店のサンプルを紹介してみたい。

1.内羽根式のブーツ

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如何にもジョンロブらしいラウンドトウの内羽根式ブーツ。クラシックで奇をてらわない王道スタイルはスーツに合わせても様になりそうだ。自分の足に合わせるとこんなスマートなシェイプにはならないだろうがオーダーしてみたい欲求に駆られる。

2.外羽根式のパンチドキャップトウ

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この靴の立ち位置は中々難しい。外羽根式の黒紐靴はタウンシューズではないがカントリー靴としては硬すぎる。昔クレバリーでジョージグラスゴーが「外羽根式の黒靴はよく歩く仕事に就く人の為の靴だ。」と言っていたことを思い出した。

3.内羽根のパンチドキャップトウ

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王道の1足。キャップトウよりパンチングラインがある分カジュアルな靴ということになるが、実際はチェックやストライプからソリッドまでどんな柄のスーツとも相性が良い。言わば万能内羽根靴だ。それにしてもつま先のラインの綺麗なこと…感動すら覚える。

4.カントリーライクな内羽根靴

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アメリカで一時期流行ったようだスペード(形が似ている)ソールや外鳩目付のアイレット、つま先にボリュームをもたせたシルエットは、革さえ茶系それもグレインレザーでアンティーク仕上げだったらカントリーシューズにもなりそうだ。

5.手で打ち出したバックルを装着したモンクストラップ(その1)

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こちらもシンプルながら綺麗なラウンドトウのモンクストラップ。如何にもジョンロブらしい正統派のトウシェイプだが、このサンプルを出して見せた理由は他にある。それは大ぶりのバックルにある。見て分かるとおり手製のバックルが付いているのだ。

6.手で打ち出したバックルを装着したモンクストラップ(その2)

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手で叩き出して成形した金属製のバックルはバンド周りに独特に雰囲気を与えている。もし自分だったら金属細工の工房を訪ね、彫りの入ったバックルをシルバー925で作って貰い、それを装着したい…などとあれこれ想像してしまった。

7.グレインレザーのブラインドブローグ

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ごつごつしたグレインレザーは如何にもカントリーブーツ向きなのにも拘らず、それをブラインドフルブローグに用いるセンスが凄い。昔の見本なので「もうこんな素材はないのでは?」と聞いたら「まだある」とのこと…見せて貰ったがかなり肉厚の素材だ。

8.グレインレザーのスリッポン

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こちらもかなりごつごつした革で作った印象のあるスリッポン。ところが張り出しの少ないウエルトやエレガントなつま先付近の佇まいはカントリーライクなフレインレザーとは裏腹にかなり華奢な雰囲気を漂わせている。

9.カーフのチャッカブーツ

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つま先の色落ち具合が歴史を感じさせるブーツ。ジョンロブパリにも似たようなチャッカがあったと思う。そもそも昔パリに支店を開いたころはロンドンからサンプルを持参したはずで、長い年月を経るうちに両社は全く別の会社になったということだ。

10.ノルウィージャン製法のエプロンダービー

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さりげなく見えるのがウエルトとアッパーの接する部分に走るステッチ。やや大ぶりなスパンからも分かるようにこの靴はノルウィージャン製法で作られている。フォスターでも見かけたが昔のノルウィージャン製法の靴は実に格好良い。

11.スェードのチャッカブーツ

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写真9のカーフチャッカとは少しデザインが異なるスエードのチャッカ。羽根部分がカーブを描いているので柔らかな印象を受ける。そう言えばジョンロブパリで昔これとよく似たKRASNAという名のチャッカブーツが発売されていたのを思い出した。

12.アメリカンなローファー

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手前のペニーローファーは一見メイン州で作られるハンドソーンモカシンと見紛うがれっきとしジョンロブロンドンのオリジナル。フルハンドメイドのペニーローファーということになる。何とも贅沢ではないか。それに物凄く格好良い。

13.バグパイパーズストラップシューズ

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トリッカーズのメリージェーンとよく似たモデルだがこちらが本家。バグパイパーが履く靴としてはギリーと共によく見かけるが正装用の靴なのだろう。確か若い頃のチャールズ皇太子もキルトと共に履いている写真を見たことがある。

14.珍しいスクェアトウの靴

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数多くのサンプルの中で唯一見かけたスクエアトウのサンプル。トゥーシェックに居た頃のジョージクレバリー作だと言われたら信じてしまいそうだ。それにしてもウェルトの張り出しの少ないこと…サンプルとはいえ見惚れてしまう。

15.女性用のサンダル

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珍しいクロコダイルのサンダル。底付けはオペラパンプスやルームシューズ同様でウェルトはないがそこはハンドメイドブーツメーカーを標榜するジョンロブ、機械などではなくあくまでも手縫いで底付けをしていくらしい。

16.スぺクテイターズ

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茶白のコンビシューズは何度見ても格好良いがジョンロブのサンプルを見ると、もう1足ラウンドトウで作ってみたい欲望に駆られてしまう。最も履く機会の少ない靴に最も高価なジョンロブで靴を誂える…贅沢な靴ライフを夢見るのも悪くない。

2回に渡って特集してきたジョンロブロンドン。仮縫いなしの仕上げによるフィッティングの甘さは以前から日本の靴好きの間でもたびたび話題になってきたことだが、こればかりは実際に確かめてみないと何とも言えない。

ただ今からトライ&エラーをする気力はないので、自分の足をよく知る職人の移籍に合わせて「1足で完璧なジョンロブロンドンの靴を作って欲しい」と頼めば何とかなるかもしれない。ジョンロブにはそれほどの魅力が確かにある。

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誂え靴(Bespoke shoes)」カテゴリの記事

コメント

管理人様

おはようございます。
さすがジョンロブロンドン、どれも素晴らしいですね。実物はオーラを放っていることと推察いたします。
私は特に7番のグレインレザーに惹かれました。やはり管理人様が仰る通りカントリーブーツが一番しっくり来るのでしょうね。私が注文できるならば、飾りなしの外羽根のパンチドキャップで少し丈が高めのブーツをお願いしたいところです。あくまで、妄想ですが。
妄想は楽しいですが、欲求を抑えるのは少なからずストレスにも感じます。
では、失礼いたします。

パードレ

パードレ様

流石はお目が高い。7番のグレインレザーはブーツ素材としては最高に良いと思います。厚みはありますが、その分柔らかめのようでつま先部分はシボが伸びてスムースレザーなようになる感じです。ここにパンチドキャップのラインを入れてあとはシンプルな外羽根のブーツなんて最高に素敵だと思います。

あとはティームが来るのを祈るだけですね〜。

管理人様
 
いつも楽しく拝見させていただいております。恐らくは管理人様とはスピーゴラの初期に石田原さんの紹介で集団でビスポークしたことがあったかと思います。
 実は今回時同じく私も8月にイギリス、エジンバラからロンドン
まで家内と旅行に行き、私はフォートナム&メイソンの裏のジョンロブパリで購入してきました。いわゆる有名どころの靴屋が並ぶ通りです。もちろんロブロンドンにも寄りそこからバッキンガムまで行きました。仰る通りシューズクリームを18ポンドで購入しました。写真とってもいいかと伺うと好きなだけどこでも!って言われ日本人慣れされているなあと思いました。
 それよりやはり購入したロブパリでは希望する革の素材がなかったので「じゃあこれから作ってあげるよ」といわゆるバイリクエストをノーチャージでしかもシューツリー含めシッピングも入れても日本の価格とは比べ物にならない価格で注文できました。ロンドンは雨で履いていた靴が雨で濡れていたのでサンプルを試着している間に乾かし中敷をフルソックで入れていただき
クリームまで塗っていただきました。靴に対する愛情を感じました。
 ロブロンドンはハンターロブ氏にメールを出し日本円サイズの財布を以前作っていただきました。それ以来日ご丁寧に来日の案内が毎回送られてきます。
 いずれにせよ管理人様と同じ時期にロンドンにいたことに嬉しく思いついついコメントさせていただきました。長文失礼いたしました。今後も楽しく拝見させていただきます。

JAVEL 河口様

コメントを有難うございます。

また、鈴木氏の神戸石田洋服店内にての初オーダー会でお会いしていたとのこと…あの時のことが大変懐かしく思い出されます。

さて、同じ時期にエジンバラからロンドンまでほぼ同じ場所に滞在していたとのことで縁を感じます。エジンバラからロンドンまではどのように移動されたのでしょうか?当方はヴァージントレインの1等車に乗ってブレックファースト付のサービスでのんびりロンドンまで戻って来ました。

今回は家族旅行ですので自分の買いたいものを買う気も時間もなかった中、唯一クロケットでMTOしたのが良き買い物でした。河口様はバイリクエストでロブパリの既成ですからアップチャージなしとは言えなかなかのお値段だったと想像します。

最近は形に残らないものにお金をかけることが増えました。断捨離を進めようとしていることもありますが、物質的には十分すぎるほど大抵のものが揃ってますので大物をという気が無くなってしまいました。

それでも服飾談義は大好き、他の人の逸品を拝見するのも大好きですので今後とも是非お立ち寄りいただき交流を深められればと思ってますのでよろしくお願いします。これからもどうぞお気軽にお立ち寄りください。

かつてフォスターに依頼した究極のフィリップスIIのようにロブロンドン制作による究極のコードバンのアンラインドペニーを誂えてはいかがでしょうか^_^

アラキ様

それ、物凄く良いアイデアですね〜
ティームがジョンロブの職人として日本にくるようになったら是非頼みたいな…なんて思ってしまいました( ^ ^ )/□

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