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2017年8月26日 (土)

Unlined Loafer(至高の履き心地)

以前好きで履いていたジョンロブのローファー、Ashley(以下アシュリー)がここで役目を終えた。面長のヴァンプ、モダンなスクェアトウ、アンラインドの柔らかな履き心地に魅了され、一時期は毎日履いていたのだから傷みが早かったのも頷ける。

ところが、ひょんなことからアメリカで色違いのアシュリーを発見。しかも新古品ということで値段は破格の設定になっている。となれば買わない手はない。そこで今回は届いたばかりの2代目アシュリーをプレケアを交えながら紹介してみようと思う。

1.黄色い箱時代のジョンロブ

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初代の茶色い箱から黄色い箱に替わったのが2007年頃…届いた靴の革はミュージアムカーフのようなのでそれほど昔の製造ではなさそうだ。因みに現在箱の色は赤になっている。箱を開けて中を見ると革の表面が乾いている印象を受けた。

2.出荷時の状態

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個人的には色斑のあるミュージアムカーフより単色カーフを磨き上げる方が好みなのだが、革自体は磨けば光りそうなきめ細かさがある。エプロンフロントでスプリットトウといえばドーバー…ジョンロブで言えばシャンボードの兄弟靴ということになる。

3.アッパーのケアをする

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乾いた革のケアに白と茶のコロニル1909、それに仕上げ用のKIWIパレードグロスを用意した。手順は①白のクリームで乾いた革を元の状態に戻し②茶のクリームで左右の色の差を補い③最後にキィウィのワックスで磨き上げる…という流れだ。

4.第1段階…無色(白)のコロニルでケアする(その1)

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白いクリームを塗っていくと直ぐに革の中に浸透してしまう。まるで乾いた砂漠に水を撒くような感じといえばよいだろうか。右の靴に塗り始めたところ。この後はいつもよりやや多めに無色のクリームを靴全体に万遍なく塗っていく。

5.第1段階…無色(白)のコロニルでケアする(その2)

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忘れてならないのがローファーの甲にかかるバンド(サドル)部分のすぐ下。小さな抜き(小窓)から下が見えるので手を抜くわけにはいかない。面倒でも一度ツリーを抜いてから、バンド部分の内側に指を入れてクリームを行き渡らせる。

6.下ごしらえが終わったところ

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無色のクリームを使ってケアの第1段階を済ませたところ。到着時よりも革がしっとりとした感じになっているのが分かるだろうか。コードバン靴のように左右の色の差があまりないのでこの次の茶色のクリームを使う時も左右同じように作業が進められそうだ。

7.第2段階…茶色のコロニルでケアする

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第2段階は茶色のクリームによるケア…無色の時と同じようにサドル部分とエプロン部分の隙間にクリームの付いた布を押し込みしっかりと塗っていく。左右の色の差がある時は塗る回数を調整することもあるが今回は必要なさそうだ。

8.ワックスを塗る

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引き続きワックスを塗る。薄い膜で覆われたつま先をイメージして鏡面磨きにチャレンジ、暑い季節なので氷水を数滴たらして広げ膜が溶けないように意識してみた。欧州の靴好きはサフィ―ルを薦めるが個人的にはキィウィが扱いやすい。

9.磨きが完了したところ

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2番の写真と比べてほしい。同じ靴とは思えないほど色合いや輝きが違って見える。ローファーの場合はつま先部分のみを光らせるようにとのことだがヴァンプ部分もうっすらと鏡面磨きに近い感じで光沢を出してみた。

10.アシュリーの細部(その1)…ソール

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先代はレザーの薄いソールだったが今回はダイナイトソール(ジョンロブ別注で8角形の滑り止めが特徴)が装着されている。履き心地はかなり違うだろうが、つま先にスチールプレートを装着する手間がないのは嬉しい。

11.アシュリーの細部(その2)…両サイド

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一枚革でライニングなしにも拘らずシェイプが崩れないところは流石のジョンロブ。履き心地の良いアンラインドは革が薄いせいか釣り込み時に皺が寄りやすい。オールデンの踵部分などは顕著にそれが現われるがこのアシュリーでは見当たらない。

12.靴の比較(その1)…元祖ハーロウと対決

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左は元祖スプリットトウカジュアルのグリーン製ハーロゥ、右がアシュリーだ。エプロンフロントに施されたスキンステッチ、スプリットトウなど作りはほぼ同じだがデザインは大きく違うようで、ヴァンプ長めのアシュリーがよりモダンに映る。

13.同じジョンロブ同士で比較する

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右が今回のアシュリー、右は同じジョンロブのシャンボードだ。スキンステッチを扱える職人は少ないようで、両靴ともレギュラーモデルとしてラインナップされていないことから型落ちすなわち廃番となっている可能性が高い。

14.アンティーク家具のような色合い

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ケアを終えたアシュリー。もともとジョンロブジャパンのリクエストで作られたそうで、確かに靴の脱ぎ履きの多い日本の生活様式にはピッタリだ。しかも従来のローファーにはないスクエアなデザインはまさに至高のローファーと呼べるだろう。

ハーロウ(EG製)がタン部分もアンラインドで仕上げているのに対してアシュリー(JL製)の方はタン部分にもライニングを貼っている。しかもダイナイトソールということになれば耐久性は上がるが履き心地に関しては劣勢となるのも致し方ない。

その一方で、頻繁に履きたくなる優れたデザインや堅牢さを重視した作りは劣勢を補ってもあまりある。ジョンロブパリの考え方がよく表れたアシュリーに再び足入れ出来る日が来るとは…思いもかけず嬉しい出来事に気分が高揚している。

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靴(Readymade shoes)」カテゴリの記事

コメント

雨が上がり少し涼しい九州です。良い靴をゲットされましたね❗ダイナイトsole。早速私のリーガル(ドイツ製のスエードで製作の)5アイレットのバルモラルのWTもダイナイトsoleですので調べて見たら私のてゃ○でした!さすがにJOHN LOBB。

役目を終えたというのは、具体的にどういう状態になったのでしょうか?

浦野様

お休みのところコメントを有難う御座います。

そうなんです、さすがのジョンロブ、ダイナイトソールという登録商標がソールに来ることすら許せないのでしょうね〜ワザワザ八角形のデザインに替えてジョンロブの文字を入れたソールを開発し、装着しているんです…。

ここまで拘るのは凄いですよね。

浪漫様

文脈からも想像がつくかも思いますが、履きすぎてクラックが入り、ついにみっともないほど広がったので廃棄処分としました。2000年頃ロブのファクトリーで買ったものでライニング有りよりは耐久性はなかったと思います。ただ、自分が乱暴な履き方をしたからかもしれません。

今度はローテを守ってケアも丁寧にして長持ちさせたいなと考えています。

通常ならば、クラック。と、言ってもまだまだ現役で履行出来るのではないでしょうか?しかし丁寧にメンテナンスなさる管理人様。靴としての幸せな一生だったのではないでしょうか。またソールの8角の滑り止めのパターンは
今では滅多に使用しませんが勾配のキツい坂道をアスファルト舗装ではなくて、コンクリートで舗装にて施工する際にこの8角の鉄製の形押し器具にてある程度コンクリートが固まったら押し込み施工するんですよ。手の係る施工です。今度からはこの型押し器具をジョンロブと言うようにします。

浦野様

おっしゃるとおりまだメンテすれば履けないことはないかもしれませんが、アルディラという薄茶の革ですのでクラック部分が大きく黒ずんでしまい、見た目がとてもみすぼらしく感じられてしまいます。

履いていても楽しくないのならいっそのこと役目を終えた方がいいだろうなというのが結論です。

英語既製靴はガジアーノが好きな上、近年の価格高騰によりロブパリは恐らく、少なくとも定価では一生購入する機会がないと思いますが、当ローファーは抜群にカッコイイですね。ポリッシュにより初見ではビスポークと見紛うほどでした。

それに加えて底がダイナイトと全く識別出来ないほど丁寧な処理、素晴らしい買い物をなされましたね。クロケットではちょっと叶わない完成度、色気と気品がロブパリにありますね。

やはり買う楽しさ、イイですね。

アラキ様

おやすみのところコメントをいただき有難う御座います。

おっしゃるとおりでロブパリの良いところは完成度の高さでしょうか。特にこのアシュリーとドーバーと双子のようなシャンボードはエプロンとスプリットトウに施されたスキンステッチが職人による熟練の手作業ということが分かる真のベンチメイドシューズといえます。

送料や関税がかかりましたが10本の指が必要ない値段だったのでお買い得でありました。何より現在はラインナップされていない廃番モデルというところがポイント高し…です。

管理人様

返答いただき、ありがとうございます。
17年も経っているのであれば仕方の無いことと思います。何よりアンラインドですので。
ところで、靴を廃棄する際には通常の燃えるごみとして処分されていますか?
実は、私は庭に埋めて処分しております。

浪漫様

確かにアンラインドは通常の靴よりも耐久性は劣るかと思いますが、やはり連日履いたのが良くなかったのかある時を過ぎて一気にガタが来てしまいました。

もう少し頻度を下げればあと数年は少なくとも延命できたかもしれません。

こんばんは!Instagramで交流をさせて頂いておりますjackと申します。

素敵な靴ですね(^^)

1代目は引退されてしまったのですね(T-T)
お捨てになられたということで、是非とも譲り受け、直に見てみたかった~(>_<)
などと思いました(^-^;

2代目が見つかって良かったですね(^^)

jack様

初めまして、インスタグラムからお越し下さり有難うございます。
こちらではインスタグラムでやらないことも多数出て来ますのでお時間がございます時にお立ち寄りいただき、交流できますと幸いです。

実は廃棄処分といっても初代アシュリーはまだ手元にあります。さすがにお譲りすることはできないほどボロボロですがいつかちらっと紹介できればと思っています( ^_^)/~~~

いつも楽しく拝見しております。
影響を受けて、大切にしたいモノで
ワードローブを構築中です。
しかし、ジョンロブ、ゴム底?に混乱しました。
耳タコの質問でしょうが、
ちょうど今、気に入ったシューズがゴム底という
理由だけで購入をためらっております。
履き心地ほか、アドバイスご意見をお願いいたします。

カーロスリベラ様

当ブログへの訪問並びにコメントをいただき有難うございます。これからもお時間がございます時にお立ち寄りいただけますと幸いです。

さて、ご質問のジョンロブなのにダイナイトソールの靴ってどうよ…に関してですが、まだ掃き下ろしていないのでなんとも言えませんが明らかに履き心地は変わると思います。多分クッション性は向上しますが、返りの良さは革底だと想像しています。

ジョンロブでは一時期ダイナイトソールを装着した靴が流行ってました。革底仕様ならばならばウエルトの溝を被せるヒドゥンチャンソールを採用しているロブとしては一手間もふた手間もかかりますがダイナイトソールならば手間を省けると考えたとしても不思議はありません。間違いなくコスト削減になると思います。

一方でユーザー側にしてみればレザーソールならば減ってしまう、つま先に保護のメタルチップを付けるなど余計な出費が嵩むのも事実。それから解放されるのも悪くはないかもしれません。私はどちらでもあまり気にしないので、メンテナンスの楽なゴム底に手を出しました。すでに自分のロペスをリッジウェイソールに交換しているくらいですから節操のないユーザーですね〜。

私はダイナイトsoleにもヒールの化粧部分には行き着けの靴屋さんでヒールチップを装着しております。千円の初期投資でヒールの磨耗が防げるならば安上がりですので❗

アシュリーの美しさに息を呑みました。
コロニルだけでも、こんなに艶がでるとは。
コロニルは経験がないので、試してみたいです。

トロントでは結局時間がなく、オールデンは諦めました。大自然の中にいると、だんだん物欲もなくなつてきて、セール中のバーバリーが、おそらく日本の3分の1くらいで売られていたのにスルーしてしまい、帰国後後悔しています。
人間は環境で左右されるのですね。管理人様は英国でいかがでしたか?

浦野様

なんとダイナイトソールのヒールにもチップを装着するのですね。なるほど確かにゴムであろうと減るものは減りますよね。付けておけば確実にヒールリフトの交換は必要ない訳ですから、理に適っていると思います。

今度チャレンジしてみようかな~(*゚▽゚)ノ

BB様

BB様同様英国では殆ど家族と毎日過ごし、楽しいことが沢山あったので物欲は殆ど消え失せました。

クロケットのスペシャルオーダーにチャレンジしたくらいですので昔のビスポーク三昧とは隔世の感があります。今はオーダーする楽しみよりも物を買う楽しみ、もっと言えば形に残らないものにお金を使う喜びを味わっています。

オールデンの件は残念でしたがバーバリーは惜しいことをしましたね…

なんの、なんの。管理人様やゲストの皆様のように裕福ならいざ知らず、もう厚生年金の基礎年金を受給している私は知性と教養は低いのにエンゲル係数だけは高い❗のでダイナイトにもチップを施工いたしているんですよ❗来週sの木曜日
~金曜は小倉詣で。さて何を着て、どの靴にしようかと迷っております。

浦野様

どの靴を履いて行こうか選べるのですから、クオリティオブライフは十分だと思います。やはり秋を先取りして今度の小倉詣ではスエードは如何でしょうか?

毎回の戯れ言にもきちんと返信なさる管理人様に感謝申し上げます。急に秋めいてきました!スエードならまだ初期ですのでレイスアップシューズよりはslip-onタイプでしょうか?それなら日靴製作の大好きな773ラストのローファーかリボンタッセルが候補ですね。!!

昨日小倉詣での帰りに岩田屋へ寄りましてJOHN LOBBコーナーへと立ち寄りました。8角形のダイナイトsoleを見たかったのですが全てleathersoleのみ。見たかった!

浦野様

数年前にダイナイトソールになったものの、やはり最高級靴はレザーソールでなければ…の声に押されて撤回したのかもしれません。

個人的にはグッドイヤーの場合はレザーソールでなくとも構わないのですが、ロブの場合通常はヒドゥンチャンネルのレザーソールという手間のかかる製法なので、ただの縫い糸見え見えグッドイヤーでは何かなぁ…と思う人も多かったのかも。

管理人様がおっしゃる通り、以前岩田屋のJLでダイナイトソールを見たときはビックリしたものでした!しかし、8角形には気づきませんでした。尚、今回の小倉詣での出で立ちはBBのグリーンのボーダーストライプのポロシャツ、パンツはJPのコードーレーン、ベルトは同じくJPのWリングのグリーン、青、茶が入ったべるとにBBの青いストライプのソックス、足元はこの季節ならではのRLのヴァンプが麻のローファーでした。夜の宴席は今までにないほどの楽しい一時でしたよ!!

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