最近のトラックバック

« Collectionism (蒐集癖) | トップページ | 手元に残る40足(#12~#17英国靴編その3) »

2017年7月 1日 (土)

Altaration to a jacket(古着を直す)

海外のオークションサイトを通じて手に入れたヴィンテージジャケットをようやく直しに出した。店はいつものコーダ洋服工房。夏のセール前だから空いていて対応も良いだろう…と思ったら新しい受付が余りにも違う対応なので出すのを止めようとさえ思った。

それでも気を取り直して依頼…いつものように袖丈詰めをお願いしたら何やら「開き見せ仕様のジャケットの袖口に本切羽を付ける」という直しがあるらしい。そこで今回は新たな直しにトライ、仕上がったジャケットが届いたので紹介してみようと思う。

1.ラルフローレンの古着に本切羽を付ける

09_2

ラルフローレンがカスタムメイドを意識したパープルレーベルで本切羽仕様を採用したのが1994年。それまで袖口は開き見せでボタン穴のかがりさえないのが標準だった。出来映えもよく袖口を捲って手を洗う機会があるだけに助かる仕様だ。

2.完成後のジャケット

00

袖丈を詰めたお蔭でジャケットの袖からシャツが覗く理想の仕上がりになっている。傍から見れば気にすることもなかろうについ拘るのが癖になっている。傘や帽子、手袋などの小物を除き、全てラルフローレンのアイテムで揃えるのも癖の一環か…。

3.Vゾーンの構成

03

シャツは廃版のRugbyからチョイス。クラシックなクラブカラーが気に入っている。ネクタイは同じポロラルフローレン、温かみのあるウール素材がツィードジャケットとよく合う。胸に挿した手袋はペッカリー素材…ローマはメローラのものだ。

4.オールドタグのネクタイ

04

古着に合わせ90年代のネクタイをチョイス。旧ラルフ以来のファンには馴染み深いタグだ。新しいロゴより断然良い。小剣側のタグにはMade in USAの文字が…。ネクタイから始まったラルフのキャリアだろう、最後までネクタイはアメリカ製に拘っていたと思う。

5.タータンチェックの傘

02_2

ラルフローレンはタータンチェックの使い方が上手い。手に持たせた傘は日本のネクタイメーカー「フェアファックス」ネーム。国産ながら手曲げのハンドルや木製シャフトなど名品ブリッグにも劣らない作りだ。デニムは日本産デニムを使ったRRL。

6.ツィード&ツィード

06

ヘリンボーンの上着にガンクラブチェックのキャップ。パターンオンパターンもツィード同士だと気にならない。ハンチングはロンドンの老舗ジェームズロック…耳当て付の本格派は少々寒くてもコート抜きでツィードジャケットとキャップだけで過ごしたくなる。

7.打ち込みの厚いツィード生地

05

温暖化の影響で風合いはそのままに軽いツィードが主流の現在。80年代のジャケットは今よりぐんと厚く、打ち込みがしっかりとしている。最近のジャケットでこれだけはっきりとヘリンボーンのパターンが見えるものは中々ないとさえ思える。

8.手袋もツィード素材に替えてみる

07

同じヘリンボーンでもペーンが入ったグリーン基調(同じハリスツィードを使用)の手袋ならばどうだろう。色味がネクタイとシンクロして相性は悪くないようだ。考ればツィードといいタータンチェックといいスコットランドの織物はなんと素敵なのだろう。

9.本切羽を付けた袖口

09a

カットした袖口の生地を用いて切羽部分を延長(上から2つ目と3つ目の間で足している)し、本開きにする方法で工賃は7000円と意外にリーズナブル。尤も手縫いの釦穴にすると(パープレーベルのように)1個500円なので値段はかなりのものになる。

10.80年代のポロラルフローレン

12_2

昔懐かしのタグ。反対側にはNYの名店ブルーミングデール(ラルフ初のネクタイを置いたのも確かこの店だった)のタグが…どちらも手で縫い付けられているのも商品の数が遥かに小規模だからこそ。小売店毎の別注が当たり前だった時代の名品だ。

11.ラルフローレンの名靴で締めくくる

11

足元は名品マーロゥで締めくくる。クロケット&ジョーンズはラルフローレンがフルコレクションを展開した当初からフットウェア部門の中心的存在。EGやGGなどの英国靴はずっと後になっての参入だった。つま先を修理したので新品のような雰囲気が漂う。

アメトラの古着も需要が高まっているらしく、特にラルフローレンの古着は他より値が張る。作りで言えばポールスチュアートやブルックスのオウンメイクなど確かなものも数多くあるが、デザイナーズらしい華やかさがラルフの古着にはある。

色使いや素材への拘り、ボタンや服のディテールなど凝った作りを黒子的存在のファクトリーに要望できた時代ならではの逸品が今も買えるのが古着の魅力。ビスポークに一段落したらぜ古着を買って直しに出して自分流に楽しむのもお薦めだ。

« Collectionism (蒐集癖) | トップページ | 手元に残る40足(#12~#17英国靴編その3) »

昔の服(Vintage Clothing)」カテゴリの記事

コメント

やはり冬服の立体感・・・いいですね~!
気が付けばラルフ尽くしの装いがとても素敵です!

こうしてみると現代服にはない魅力に溢れているのがビンテージの味わい深いところですね。

お気に入りのビンテージを見つけて、自分になじませる・・・一期一会ですし、とても心豊かになれそうですね!

えいでん様

お休みのところコメントを頂き有難う御座います。

ヴィンテージ衣料も悪くないと思うようになるまで随分と時間がかかりました。昔は良いものを着倒して自分なりのヴィンテージ衣料にしたい…なんて思っていたものですから。

考えてみればジーンズもダメージジーンズを平気で買っていますし、今はそういった古着感覚は当たり前みたいですね。私にそれを教えてくれたのはRRLでした。RRLの影響で古着の道まで辿り着いたと思うのでそういった意味でもラルフの偉大さに敬意を表したいと思います。

このジャケット切られる寒い季節が早く来ないかな…なんて夏もまだ本番ではないうちから夢想しています。

管理人様

コーダ洋服工房、今まで五、六度程利用経験がありますが確かに初めての対応は酷いものでした。ただ、ここ最近は割と頻繁に来店する上、前以て補正の数値を朗読する形なのでとてもスムーズに進行します。

サルト銀座は未だ未経験ですかコートの大掛かりな直しの際は是非依頼してみようかと思います。予約推奨なので気軽に訪問が出来ないのが欠点ですが。

ヴィンテージ ラルフローレン、カッコいいですね。質の良い既製服を提供したい!コダワリの姿勢がハッキリ伝わります。

今現在そのようなメーカーは簡単に浮かばないですね。あってもシャマット、キートン、アットリーニ等法外なプライスに凝縮します。

長々失礼します。

最近ベルベストのジャケットをオンラインで購入しましたがコーダ洋服工房は納得のいく仕事をしてくださいました。いつか管理人様が経験なさった、袖のツメが通常より長い際、共布を使用し新たな切羽を作る作業と同一だと存じます。納品の際とても有難いと思いました。

アラキ様

お休みのところコメントを有難う御座います。

受付の対応は仕上がりとは直接関係がないのですが、直しを依頼する時は数値をきちんと言わずに直しに出すと自分のイメージと違ってしまうことがあります、数値確認をしてから出すようにするのが良いと思います。

例えば、本切羽で本開き仕様にする場合、一番下のボタンは袖先から何cmで、ボタンの間隔は重ねかキスか、あるいはブルックスのように袖ボタンが2つの場合間隔はどれくらい開けるか…イメージを強く持つ人ほど自分の理想をきちんと伝えることが大切になります。

ただし、指定したことについてはきちんとした仕事をされますし、脇腹を縮めるよう依頼した時は仕上がりに問題があった時でもきちんと再修正をしてくれました(^_-)

だからこそ、店に入る時最初に応対する受付の印象が重要になるのではないでしょうか…。

管理人様

いつも楽しみにブログを拝見しております。

初めてのコメントにもかかわらず、本文と関係のない質問で大変恐縮ですが、管理人様は、いわゆるクールビズの装いはいかがされておりますでしょうか?
以前の回に、盛夏にはノージャケット・ノータイで過ごされているとの記述があり、管理人様がそのようにアイテムの少ない中、どのように装いを楽しまれているのか気になっておりました。

私はというと、クールビズについて当初は、「スーツからジャケットとネクタイを取っただけ」と馬鹿にしていて、実際いまだにそのようなお役所的クールビズの人も散見されます。
しかし、最近、クールビズを「ノージャケット・ノータイという最小限の要素の中で装いを楽しむこと」と捉え直し、これは案外難しく、センスの試される「スタイル」ではないかと思い、積極的に挑戦しているところです(もちろん、暑いから楽というのは前提としてあります)。

厚かましいお願いですが、機会があれば、ぜひ管理人様のクールビズスタイルをご紹介いただきたく、お願いに上がりました。

liddypol様

訪問並びにコメントをいただき有難う御座います。
お時間がございましたらこれからも気軽にお立ち寄りくださいますと幸いです。

さてご質問にありましたクールビズですが、スーツは着用せずジャケットにパンツが基本になります。ジャケットはウールやリネン、コットンなど様々ですが背抜きでアンコン仕立ての軽いものをチョイス、パンツはインコテックスなどのウール100%もありますが専らライクラなどストレッチ素材が入ったものやコットンでもストレッチ素材の混ざったものを履いています。

さて中に合わせるシャツですがオフィスワークが中心の日は台襟のついた半袖の鹿の子ポロ(白)を、外出や人と会う時には長袖はあまり着ないで半袖のBD(白)を合わせ、週末のみラコステタイプ(やはり白)のポロを合わせます。秋冬と違いあまり重ね着しないので上下インナー全て無地の組み合わせもあります。なのでポケットスクェアを柄物にしたりリボンベルトを差し色にしたり、何より靴にポイントを置いた装いにしたりとひねりを心がけています。

コーデしたものを写真に撮ってもあまり雰囲気が伝わらないかと思いますが、だいたいそんな感じです。時々ブレザーにネクタイ、もっと重要な会議ではスーツを着ることもありますがほとんどの場合今あげたような無頓着なな装いをしがちです(笑)

管理人様


こうも暑いと、冬が恋しくなるものかもしれませんね。

寒空のもと、カシミアのマフラーを巻いてツイードジャケットを羽織ると、マル・オブ・キンタイアが流れてきそうですね。
もっとも、実際寒くなると、夏とシャツ1枚の出で立ちが恋しくなりそうですが。

管理人様

さっそくご丁寧な解説をありがとうございました。大変参考になります。
また、ノージャケットと思ったのは私の取り違えのようで、失礼致しました。

管理人様のブログは、どんな雑誌やまとめサイトを見るよりも得るものが大きいと感じております。
これからも学ばせていただきますm(_ _)m

やまだ様

まさに仰るとおりで、夏が来ると厳冬期を、冬になると暑い夏の日差しが恋しくなる…無い物ねだりの典型です。ただ、おしゃれをする観点からいうと重ね着ができる、つまりアイテムを足していくことのできる秋冬の方に軍配が上がりましょうか…

今はスーツを着ることがほとんどと言って良いほど一年を通して無くなって来ました。ジャケパンで大抵通用することもありますが、自身上下を組み合わせる楽しみに嵌っている事もあります。英国で誂えたスーツの活躍の場が無くりましたが、途中か誂え始めたジャケットはフル回転、人の好みはどう変わるか本人にも分からないんですね〜。

liddypol様

ご丁寧な返信を有難う御座います。

少しずつマイペースではありますが思いついたことを書いて更新していければと思います。これからも遠慮なくお気軽にお立ち寄りください。また、当ブログで紹介しているビスポークのシューメーカーやテイラーに興味がございましたらご連絡いただければアレンジさせていただきます。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« Collectionism (蒐集癖) | トップページ | 手元に残る40足(#12~#17英国靴編その3) »