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2017年6月17日 (土)

Toe repair#02(つま先の修理その2)

時々訪れていた新宿のメンズ館が経営陣の交替による影響か売り場に活気がないと聞く。品揃えもワクワク感がなく都心へ出る楽しみが一つ減ってしまったようだ。実際先週も新宿に行ったが立ち寄ったのはマルイ…靴の修理だった。

インスタグラムに投稿して2年、靴の写真は綺麗なつま先がポイントになることが分かってからは新宿に行く度に革靴を2足持参しては修理して貰っている。そこで今回は修理から帰って来たばかりの靴を中心にその様子を紹介しようと思う。

1.今回補修をお願いした靴

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左がシルバノラッタンジで右はクロケットジョーンズ。どちらも擦り減ったつま先を直して貰ったばかりだ。履き皺がなければ新品と見間違うだろう。靴を履いた状態で一番目立つ部分は間違いなくつま先、ここが綺麗なほど写真映えするのも間違いない。

~シルバノラッタンジ編~

2.修理前と修理後

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修理前の減ったつま先(上)と革を当ててプレートを埋め込んだつま先(下)。重ねた革の色が明るいので付け足し部分が浮き出ていたがコバインキで修正した。メタルプレートの工賃代3000円に革乗せ1000円アップの合計4000円という良心的価格が嬉しい。

2.ヒールの交換

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元はオールレザーで釘2列のヒールトップをラバー付に交換。選んだトップピースは英国調のダヴテールやビスポーク風のハーフムーンではなく、イタリア靴で馴染みのあるウェーブタイプ。硬さのまだまだ抜けないラッタンジもこれなら直ぐに減ることもないだろう。

3.修理前と修理後(ヒールトップの交換)

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左の写真を見るとトップピースの次の層まで踵の減りが到達しているのが分かる。怠け者の悪い癖全開だ。右はつま先同様革を重ねて平たくしてからトップピースを付けたところ。新宿マルイのリファインアームズは最良の修理を最短で仕上げる心強い味方だ。

4.修理前と修理後(つま先の仕上げ)

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元のソールはつま先部分に釘が3本打ってあるだけだが、メタルチップを装着したせいかソール先端の反りが修正され、自然なトウスプリングになったようだ。コバの角が綺麗に出ているので、靴を履いた状態で写真に撮ると見栄えが全く違ってくる。

5.ポリッシング

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つま先の修理やヒールを交換、新しくなって戻って靴は恒例のポリッシングを施す。丁寧に化粧をしてあげれば魅力も倍増するに違いない。色が少し抜けてきたとはいえオレンジ色をこれ以上濃くしたくないのでタン色のコロニル1909で控えめに…

~ラルフ別注マーロウbyクロケットジョーンズ編~

6.メタルプレートも擦り減るダブルソールの硬さ

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左は修理前、メタルチップが擦り減ってその下まで見えている。クロケットのダブルソールが如何に硬いかよく分かると思う。革を充てて整形し、元と同じようにメタルチップを装着したのが右の写真。素晴らしい仕上がりに拍手を送りたい。

7.メタルチップの擦り減った様子(上)と新たに装着し直した様子(下)

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筋が消えてネジの頭まで削れてしまったつま先(上)。メタルチップを装着すれば安心などと思ってはいけないことが分かる。下は新たにプレートを装着し直したところ。ネジの頭は昔より大きいものに変わっているが穴の位置は変わっていないようだ。

8.修理前のつま先部分と修理後のつま先部分の比較

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つま先の修理は革を継ぎ足してメタルチップを付けるだけでない。コバも削り出したり角を付けたりしつつ磨きをかけて新品のように仕上げている。同じつま先部分でも細かな傷がついたアッパーと購入したてのようなソールが好対照だ。

9.つま先の修理を横から見る

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つま先だけ修理すると痕跡が残りがちだが、リファインアームズでは修理個所の周りも含め上手く馴染ませる作業を加えているのだと思う。仕上がりがいつも自然だ。こうした細やかな技術は「おもてなし」の心にも通じる日本らしいもの。

10.修理後のポリッシング

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5の写真と同じように元の革より一段明るめのコロニル1909ミッドブラウンでポリッシング。下地が出来ているのでロウ成分の多いワックスでなくても自然な輝きが出る。同じコードバンでもクロケット純正よりラルフ別注の方がよく光るのはなぜだろう。

11.カモフラパンツと合わせて

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つま先の修理を終えた靴を履いてみた。ラッタンジとカモフラパンツはピッティに集うファッショニスタに触発されて…ツイストが効いた組み合わせもたまには面白い。がっしりとした軍靴のようなノルヴェの靴底がアーミー調のパンツを引き立てている。

12.マーロウ

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こちらはマーロウ。あまりによく履いたのでアッパーは歴戦の勇士のように傷が沢山付いているが、おろしたてのようなソールのつま先が足元をぐっと引き立てている。これが擦り減ったつま先ではイメージが一気に変わってしまうのだ。

昔イギリスに住んでいた時はあれだけ良い靴を作る国なのに靴の修理店が少ないのに不便を感じたことがある。尤もその頃の日本はというとイギリスと同じようで、靴専門というより合鍵やバッグの修理といった便利屋のような感じだった。

ところがその後、日本は世界一靴に拘る市場となり、それをフォローするように靴修理専門店がどんどん生まれていった。今や靴を誂えるのも買うのも(割高だが…)修理するのも日本が世界をリードしている。正に隔世の感があると言えよう。

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衣類・靴のケア(Maintenance)」カテゴリの記事

コメント

管理人様


今回はリファインアームズで直されたとのこと、RESHでも直したりされているのでしょうか?
*最近、当方の地元をぶらぶらと歩いていて見つけたのですが、こちらにもRESHが出店していました。今度、修理に出してみようかと思っています。

ヒールはタップを打ったりしますがつま先にはほとんどいたしたりしておりません。唯一RLのリザードローファーに金属製のつま先用のタップ打っております。ソール、ヒールへのメンテナンス。なんと申してもレザーであるからこそ出来る楽しみですね!またC&J純正よりRLのコードヴァンの方が艶が出るとの事ですが以前お話いたしましたずいぶん昔、福岡市西鉄グランドホテルでありました日靴の秋冬モデルの展示会でRLと指しでお話し出来るY様がことのほかRLは素材にこだわるお方だとお聞きしたのを思い出した次第です。

こんにちは。

>売り場に活気がないと聞く~
甥っ子が勤めて居るので滅多に行かないのですが、月初めに私も行きましたが、おっしゃる通り、非常に悪い雰囲気で、早々に退散してきました。
BrooksBrothersも家内と行ったのですが、「恐ろしいから帰ろう」と云われ此処も退散して来ました。
最近はどこも雰囲気が悪い様な気がするのは私だけでしょうか(笑)

所で、爪先の痛みが酷いようですが、帰りが充分に取れて居てもその様に傷むのでしょうか?

私はRalph Laurenのコードバンだけは爪先にメタルを取り付けていますが、その他は…

やまだ様

最近は専らリファインアームズです。新宿が近くて便利なのと工賃が一番リーズナブルでいて腕が確かなことが大きな理由です。

靴のつま先を綺麗に戻すだけで靴は見違えるようになります。つま先が減ってウェルトまで来はじめたら革乗せ+メタルトゥチップをお薦めします。特にダブルソールは…

浦野様

つま先が減ってくると引っ掛かりがなくなって歩きやすくなりますが、近距離撮影では見栄えが良くないことを知りました。そこで、最近は削れ過ぎで危険領域に達した靴から順次直しに出しています。4320円でつま先を綺麗に戻してくれるのでその分オールソールする回数が少なくなることを考えればリーズナブルではあります。

RLは素材に拘るブランドというのは確かで昔の衣料はそれこそこだわりの生地、こだわりのボタンなど良いものを作ろうという方針が貫かれていました。

今は中々それを感じられないのが残念です…最近ラルフローレンのビンテージ衣料を買ったのもそんな理由があります。

musselwhite様

新宿のメンズ館は売り場に活気がないと聞いていて、以前から気になっていたので私も行ってみました。

なるほど、何をどうすればよいのか手持無沙汰な雰囲気が全体に漂っていて、その場を去りたい雰囲気でした。奥様の「怖いから帰ろう」の判断はごもっともかと思います。

つま先修理の件ですが、返りが良くなった靴はそこからつま先はあまり減らなくなりますがダブルソールの靴などはかなり減っているので見栄えが悪いのが気になっていました。既に履き込んでいるので新品の時よりアッパーも皺と共に馴染みソールも良い意味でへたってきているので、交換後のつま先は以前より減りは少ないかと期待しています。

つま先の修理と申せば二年前の3月に岩田屋でありましたコロンブス主催のメンテナンス催しもので九州支店のスタッフが管理人様を含めゲストの皆様の鉄板アイテムであるコードヴァンと入力したらいの一番に出てくる米国のあのメイカーのプレーントウにこのようにトゥに埋め込んだ👞を拝見させて頂きました事を思い出しました。それにしても皺入れの儀式が済んで管理人様の足に馴染んだマーロウ、と申せば英国製。系列で申せば、小石川療養所の医者の友人である、かの二枚目俳優である南町奉行ですね。

浦野様

靴のシワは男の顔のシワにも似ていて風格や年輪を感じさせるもの、コードバン素材の靴の素晴らしいところはそんなシワが履き手とともに作り上げる楽しみがあるところです。

南町奉行といえば金さん、金さんといえば歴代を覗くと、杉良太郎、高橋秀樹、松方弘樹と錚々たるメンバーばかり…我がマーロゥも一緒に比べられてこの上ない幸せを感じているのではないでしょうか…。

浦野様

すみません、南町奉行といえば大岡越前でしたね〜。

ナイスミドルの加藤剛とマーロゥ…ニヒルなところが共通項でしょうか?

さすがは管理人様。そのような謙虚さに益々魅了されます。管理人様御存じの行き付けのシューズK様のお店は現在、店舗と作業場を解体工事されていて、プレハブで営業なさっております。プレハブと言っても大きくて幅広く長いんです。今度私もトゥにメタルチップを施して貰うつもりです。

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