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2017年4月 9日 (日)

手元に残る40足(#01〜#06英国靴編その1)

毎週末の更新から離れ、「書きたいことがあれば、書きたい時に、書く」スタイルにしたことで気持ちに大分余裕が出来たようだ。先日久しぶりにビスポーク(サンプル)とレディメイドの靴を手に入れたので近いうちに当ブログで紹介できたらと考えている。

昔は「ロブ対グリーン対決」特集や「後世に残す40足」など好き勝手なことを発信していたが、その間ずっと最古参を誇っていたウェストンの黒ローファーがリタイアした。そこで今回は懐かしの企画に触れながら今後手元に残るであろう40足を考えたい。

1.英国製既成靴

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手持ちの既成靴で多数派といえば英国靴。進出著しいクロケットを除いても写真にはロブとグリーン、チャーチズにトリッカーズと4社もある。ただ既にグレンソンが引退、チャーチズも退役間近な現状から手元に残る靴の顔ぶれはかなり変わるだろう。

~懐かしの企画:ロブ対グリーン3番勝負~

2.1回戦:セミブローグ勝負

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ヒールカウンターに穴飾りありのグリーンとなしのロブ…という違いはあるがロブの#8695ラストがグリーンの#202ラストを基にしたことからも分かるようにどちらもクラシックなエッグトウ。柔らかさではグリーンだが革質ではロブ、さて勝負の行方は…

ジョンロブ(Seymour)

Fitting(★★★★☆)Design(★★★★★)Quality(★★★★★)

Eグリーン(Cadogan)

Fitting(★★★★★)Design(★★★★☆)Quality(★★★★☆)

結果はジョンロブのセイムールがグリーンのカドガンを押さえた。個人的にはヒールカウンターに穴飾りのないものの方が好みということもあってロブに軍配を上げたがどちらも手元に残るであろう名靴には違いない。

3.2回戦:ローファー対決

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次は旬のローファー対決。グリーンの秘密兵器ハーロウに対するデッドストックの王者ロペス。デザインはカチッとしたロブが優位そうだが、履き心地や手間のかかった手縫いモカやスキンステッチで高度な技術をアピールするグリーン。さて結果は…

ジョン・ロブ(Lopez)

Fitting(★★★☆☆)Design(★★★★★)Quality(★★★★☆)

Eグリーン(Harrow)

Fitting(★★★★★)Design(★★★★☆)Quality(★★★★☆)

ロブのロペスは堅牢な作りが軽さを求めるローファー勝負ではマイナスに響いた。相手はアンラインドのハーロゥ、フィッティング勝負は厳しい。クオリティも革質ではロブだがエプロン周りの手仕事ぶりはグリーンが上回った。無論どちらも手元に残る靴だ。

4.3回戦:エプロンダービー決戦

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最終決戦はキングオブレディメイド、ドーバースタイル勝負。元祖ドーバーのグリーンに対するクオリティ強化のロブ・シャンボード。定番のドーバーにバイリクエスト扱いのシャンボールドは不利な状況だが共に腕の立つ職人を擁する勝負の行方は…

ジョンロブ(Chambord)

Fitting(★★★★☆)Design(★★★★★)Quality(★★★★★)

E.グリーン(Dover)

Fitting(★★★★★)Design(★★★★★)Quality(★★★☆☆)

よく見ると分かるがドーバーのモカ縫いが一箇所切れてる。海外旅行をドーバー1足では厳しいがロブのシャンボードならばクリアできる(実証済み)。元祖ドーバーを上回る質のロブに凱歌が上がった。勿論どちらも手元に残る靴候補だ。

~勝負の結果~

結果は2対1でジョンロブの勝ち…昔特集をした時も確かロブだったと思う。2000年にノーザンプトンで両方のファクトリーを覗いた時は「品質のロブ、履き心地のグリーン」という印象だったが、今の靴はどうかわからない。

5.エドワードグリーンの現状

01

手元にあるグリーンは全部で11足。ブーツは革に癖をつける為に無理をしているので既にクラックが入り始めている。また黒靴はどちらもトップドロウァー専用ファインブラックカーフ、耐久性からも難しい。スェード靴も含めこの中から次の6足が残ることに…

6.手元に残る40足:#01(ピール#520)

01_2

デッドストックのブルックス別注ピールネームのグリーン製セミブローグ。ラストは520とピール専用のラストを使用。靴紐を平紐に交換したのでビスポーク靴に近い雰囲気もある。90年代初期の製品らしく陰影の濃いチェスナッツアンテーク仕上げが特徴。

7.手元に残る40足:#02(カドガン#202旧)

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91年初のロンドン訪問時にハロッズで購入した記念すべきグリーン。既成靴としては限界に近い程ウェルトの出し縫いが見えないように仕上げている。柔らかい革質故に耐久性が気になるところだが、今のところ染みはできつつもクラックも入っていない。

8.手元に残る40足:#03(ハーロゥ#61)

02

ドーバーと同じスキンステッチにライトアングルモカが特徴の傑作ローファー。ドーバーがステッチ切れを起こすのに対して何故こちらは平気なのか…シングルソールでアンラインドとなれば返りもよくカ部分に余計な負担がかかり難いのではと想像している。

9.手元に残る40足:#04(ドーバー#32)

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今も現役だがモカステッチ切れや染みから判断して寿命はそう長くないだろう。それでも残るべき理由がある。それはロイドフットウェアという日本に英国靴の魅力を広めた靴屋が扱う最上級靴がこのドーバーだったからだ。歴史的資料としての価値が大きい。

10.手元に残る40足:#05(ウィンダミア#202)

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何の変哲もない外羽根のプレーントウだが、92年バーリントンアーケードのグリーンショップで購入した由緒正しい1足だ。これをチノパンに素足風靴下と合わせるとトムブラウン風でちょっと違う洒落たカジュアルルックが出来上がるのがミソ…。

11.手元に残る40足:#06(ワイルドスミス#201)

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既に廃業となり、店があった場所さえも忘れさられたロンドンの名店ワイルドスミスのサンプル品という歴史的価値から手元に残るべき1足である。素材は想像できないほど毛足の長いスタグスエードを使い、コッペパンの様なラストで仕上げた稀有な1足だ。

一時期ブームとなったイタリア製の手縫い高級既成靴は一段落し、昔から変わらぬ紳士靴をデザインし、市場に供給し続けている英国靴が再び脚光を浴びようとしている。と言おうか、寧ろ英国靴はいつの時代もスタンダードである強みがある。

今回は昔の特集をリバイバルさせつつ今後「手元に残る40足の靴」の1足目~6足目を紳士靴の基本英国靴のコレクションから選んでみた。今後更にワードローブの整理を進め、最終的には手元に残る40足を厳選していこうと考えている。

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靴(Readymade shoes)」カテゴリの記事

コメント

イキイキとブログを書かれた様子が読みだけで伝わってきました。
これからも管理人様らしいスタイルで続けられてくださいませ。

管理人様


余裕ができたとされる中でのブログの更新を拝見し、大変嬉しく思います。

さて、エプロンダービー決戦に、私が先般購入したG&Gのダービースタイルの靴も、勝手に加えました。
知名度ではグリーンに、革質ではロブに軍配があがるかと思われますが、釣込み等の工程の点においてはG&Gも頑張っているなと思いました。

英国既成靴メーカーに両雄が存在する中、工程面で差別化を図れば商売できると踏んだのか、独立して頑張っているG&Gも注目していきたいです。

おはようございます。
「最後に残るのは英国靴」を実践している様子が充分に伝わります。
言葉もいいし、残ったモノの(手に入れた)歴史も素晴らしい思い出ばかりが、さらに伝わります。
そういう小生はそろそろ40年以上続いた勤務生活から抜け出そうとしています。ゆえに、残したものは10足程度までに泣く泣く絞りました。管理人様の「最後に残る(残す)」の推理が楽しみです。

新しい姿のブログを期待しています!

浪漫様

早速のコメントを有難う御座いました。

あまりにも増えすぎたワードローブの整理が課題なので勢い新着品をアップする回数は減りがちですが、ネタができたとき書こうというスタンスがあるのでこのままマイペースで細々と続けていきたいと思ってます。

またお時間があるときにでも覗いていてただければ幸いです。

やまだ様

早速のコメントを有難う御座いました。

ドーバースタイルを作らせたら当代一の名工ジョンロブとエドグリに挑戦するガジアーノ…三つ巴の戦国時代に突入の感ありですね。元々ビスポークのメーカーですからクオリティに対するチェックの目は十分なのではないでしょうか…。

新興メーカーが中々出難い中、英国に根を下ろしたガジアーノ&ガーリングは頑張っている印象があります。これからも英国靴業界を大いに沸かせてくれることを期待しています。

Tony様

週始めのコメントを有難う御座います。

長年のお勤めに区切りをつけられるとのことで、10足の靴で新たなステージを始められるというのも素敵な話だなぁと思いました。自分がリタイアして楽しく次の人生を過ごすとしたらやっぱり10足の靴で十分だろうなと今から想像しています。

となると誂えや既成の別なく今後ドンドン処分を進めていくことが必要で…最後にどの靴が10足の中に滑り込むか、我がことながら興味津々です。

それにしても靴って想定以上に長持ちしてくれるんですね〜。改めてそのタフさに驚く今日この頃です。

こんにちはo(^▽︎^楽)oブログお邪魔しております。凄いです(●︎´ω`●︎)ニマァ靴に対する熱い思い。思わず読み入ってしまいましたぁ(⌯︎¤̴̶̷̀ω¤̴̶̷́)✧︎改めて思いました。私とは別世界の方だって(*≧︎∀︎≦︎)∩︎〃ウヒャヒャ!!!!!。・゚(゚⊃︎ω⊂゚︎)゚・。エーンエーン

pecochan110様

ご覧いただけるなんて嬉しいです。しかもコメントまで…有難う御座いました。

インスタグラムと違い趣味性満載のブログですので、何じゃこれ〜と思うこと間違いなしかと思いますが細々と続けていますので、忘れた頃にまた覗いて頂けますと嬉しいです😆

更新、嬉しく拝読しました。
大変充実した内容で感激しました。
インプレと評価では若干ニュアンスが変わるところが興味深かったです。
自分ではなかなか試着すらできないであろう、銘靴の評価は貴重です。ありがとうございます。


手元に何を残すかという作業は、新しい物を入手する喜びとはまた違った楽しみがありますよね。
私も先日、BFとRL黒ラベル以外の白シャツを、すべて処分しました。(それでも30枚残りましたが)
オーダー以外のものを厳選する作業は、思いの外充実した気分になれました。

またの更新をゆっくりと楽しみにしております。

BB様

昔に戻って、思ったことを勝手に書いていた頃のように書いてみました。

インプレと評価の乖離はもう少し書きたいことがあるのを我慢しての評価でして、その裏には様々な体験が微妙に絡んでいます(笑)

白シャツを30枚処分したとのお話、確かに黄ばんだり袖が擦り切れたりして着られなくなったシャツは捨てるしかないのですが、せめてと区の古着リサイクルセンターに持ち込み再利用されることを願いつつ運んでは預けています。

もう着るものは最低限しか買わないと決めているのですがそれでは生活に全く潤いがなくなるので時々は購入しています。それでも見事にスーツとシャツとネクタイは買わなくなりました。クローゼットを見るとあまりにも多すぎて…今後もっと処分する必要が出てきそうで怖くもあります。

これらの靴の丸洗いが見たいです。

ご検討のほど、よろしくお願いします。

とおりすがり様

すでに何回か靴の丸洗いをブログに載せていますが、下手なせいか大変な作業になってしまいます。

なので本当に洗った方が良い靴が出てきましたらトライしてみたいと思います。

管理人様、はじめして。
今までブログを拝見するのみでしたが、今回はじめてコメント書き込みいたします、どうぞよろしくお願い申し上げます。

BrooksBrothersの靴には私も大変興味があります。製造メーカーとの関係など、何となくですが今まで調べておりました。

個人的に調べた範囲ですが、
1970年代くらいまではPealネーム・エドワードグリーン製とBrooksEnglishネーム・チャーチ製がメインのラインナップだったようです。またチャーチ製のコードバンが1970年代からオールデン製に切り替わっているようです。
その後1980年代に入る辺りから何故かPealネームの靴が見られなくなり、Peal無しのBrooksEnglishでEG製がメインになるようです。
その後1980年代末からはPealネームが復活したようで、また単なるBrooksEnglishは見られなくなってきます。今までこれら新Pealは当初ほとんどがクロケット製と認識しておりましたが、グリーン製も存続していたとのことで、弱輩ものの自分にとりましては新たな発見です。ありがとうございます。
今までの私の調査にも間違いがまだまだあると思いますので、管理人様が何かご存じでしたらご教示いただけますと大変参考になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

お久しぶりです。ジョンロブとエドワードの対決に興奮しました!

Brooksファン様

ブログへのお立ち寄り並びにコメントを頂き有難う御座います。

1980年代末のブルックスではBrooks English の名であったかは定かではありませんが、ブルックスブラザーズの名前でチャーチズ製のスエードフルブローグなどが店舗に置かれていました。

また、日本でエドワードグリーンの名前が知れ渡るようになったのは1980年代終わりでしたが、それまではEGの名前よりポールセンスコーンの別注やロイドフットウェアの別注、そしてブルックスの別注など様々なショップの別注を引き受けるノーザンプトンの黒子的存在として靴好きの間では知れ渡っていました。

ピールネームのグリーン製別注靴に付いてはアランフラッサーの著書「スタイルアンドザマン」のNY編ブルックスブラザーズでも触れられているので参考になるかもしれません。

因みにNYのマディソン街本店に1991年初めて足を踏み入れた時もグリーン製のピールネーム靴が置かれていて物凄いオーラを放っていました。ちょっと先のポールスチュアートも同じくグリーン製の別注靴を扱っていたことを思い出しては良き時代を懐かしんでいます。

浦野様

コメントを頂き有難う御座います。

グリーン対ロブ対決、好き勝手なことを書いているだけですがどちらも好きだった靴メーカーです。優劣つけがたいところですが、当時のジョンロブの品質の高さは一等地抜きんでているという印象がありました。

今日は雨天でしたので、久しぶりに長崎市へ行って来ました。第一の目的はラルフローレンの例の773ラストで作られましたsuede素材のショートヴァンプのリボンタッセルが年を取ったせいかタッセルが切れてその補修にリペアに長崎市のリーガルシューズへと行った訳です。久々の長崎市、出で立ちはJPで決めました!ピンクのビッグブルドッグのポロシャツに水色の2インタックのドレッシーなコットンのパンツと言おうかスラックスに以前購入したマドラスチェックのスターリングシルバーのベルト、白系のアーガイルソックス、足下はラルフローレンのリザードローファーでした!話は戻ってリペアの件ですがお店にお願いして、リーガルリペアは原則として現況復旧であるのは重々存じ上げておりますが、もし私の願が叶うならばタッセルと履き口をぐるりと回してあるタッセル紐をスエードでなく、表革で施工出来ないでしょうか?とお尋ねしましたら、浦野様のご要望ですので一応、千葉の本社と相談してみますと、おっしゃって下さいました。対応して下さった男性スタッフは私のリザードローファーを見て私も以前このラストのリザードタッセルを持っておりました!と楽しい会話が出来ました!良い一日でしたよ。

浦野様

長崎訪問はJプレスにラルフローレンのリザードスリッポン、ソックスもポロシャツも抜かりなく、締めのベルトがマドラスチェックとのこと…季節を先取りした完璧な装いですね〜、そのまま夜の会に突入して見目麗しき女性と一献傾けたられたのでは…なんて想像しました。

切れた紐をスエードから表革にするのも良いアイデアですが、元と同じように修理するのが方針というリーガルの一途さも良いです。その上で本社と相談するという対応も含め馴染みの店を持つのは良いものだなとしみじみ思いました。

リザードタッセルで話が盛り上がった場面は似たような経験を自分もしているのでそうだよな〜なんて思いながら拝読しました。

早速の返信に感謝申し上げます。管理人様の靴と比べたら天と地程の差があるのは書き込みさせて以来重々承知してはおりますが、毎回の暖かい御言葉には尊敬と言うワードしか出てきません。長崎市のリーガルシューズにはこのスエードタッセルを履くのは10月の半ばですので急がなくて結構ですとお伝えしました!それにしても我が偏平足の足には決して相性が良いとは言えませんが、所有するラルフローレンの靴の1/3を占める773ラストの靴の魅力にドップリとはまってしまった私には生涯抜け出せない媚薬のような靴群ですから。

浦野様

息子がリーガルのローファーを履くようになって、なんだかリーガルがまた身近に感じられるようになりました。

それにしても愛着のあるタッセル、リーガルも修理のし甲斐があるというもの。いつまでも大切に履けるよう願ってます。

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