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2017年1月14日 (土)

80's Vtg Jacket(80年代のビンテージ衣料)

前回、80年代のラルフローレンに原点回帰していると書いたが、どうやら80年代のスタイルはアメリカでも注目されているらしい。米国サイトのオークションを覘くとラルフをはじめ程度の良いアメトラものはかなり高値で取引されているようだ。

件のオークションでブルックスブラザーズのビンテージジャケットを発見。ラルフより値段は安いが品質は上らしく思い切って落札した。クリスマスの影響による遅配はあったが先週無事当着したので、今回は届きたての古着を紹介しようと思う。

1.カスタムグレードのジャケット

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生地は定番のヘリンボーン。杉綾模様が目立たずソフトに見えるがゴツイ手触りは如何にも昔のツィードだ。ゴージラインをみると手縫いのはしご掛けで上襟と下襟を繋いでいるように見える。どうやらただのオウンメイクではなくカスタムグレードらしい…。

2.英国調のブルックスブラザーズ

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アメトラと言えば3つボタン段返りの寸胴型が基本。だがこのジャケット、ラペルのウェルトシーム以外は似ても似つかない。2つボタンに絞りの入ったウェスト、チェンジポケット付とくれば極めて英国風、ならばデニムやチノよりウールパンツと行きたいところだ。

3.Vゾーン周辺

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シャツはツィードジャケットと好相性のタッターソール、90年代のラルフだ。タイは最近のブラックフリースツィードジャケットにツィードのネクタイ、やはり質感が近いとしっくりくる。ラビットフェルトにシルクリボンのハットがジャケットスタイルを格上げしてくれる。

4.ウェストの絞りが効いたスタイル

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80年代中頃といえば既にアメリカンメンズクロージングの世界ではラルフの描く英国調スタイルが存在感を増していたが、ブルックスは古き良きアメリカントラッドを守っていたはずだ。当時の青山ブルックスブラザーズをもこれほど英国調のデザインはなかったと思う。

5.スペシャルオーダーという名のカスタム品

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内ポケットのエチケットを見て納得、このジャケットはオーダーものなのだ。85年8月の注文…当時は夏に秋冬物をオーダーすれば寒くなる前に出来上がった、きっとそんな時代だったのだろう。ブルックスの既製品より断然格好良い理由がよく分かった。

6.襟下のメイカーズタグ

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ブルックスの最上級品メイカーズ(オウンメイクと同じ意味)のタグ。しかしタグも手縫いで縫い付けられている。恐らくは既成品の工場(サウスウィック?)と異なるMartin Greenfieldの手縫い部門あたりに作らせ、タグを後から付けたのかもしれない。

7.手縫いのボタンホール

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ブルックスブラザーズのジャケットでボタンホールが手縫いというのは初めてだ。もっとも古い資料ではオウンメイクはボタンホールが手縫いだったそうだ。80年代半ばともなればそうはいかなかっただろうが、オーダー品ならではの手作業が散見できる。

8.ジャケットの袖

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袖はブルックスならではの2つボタン。ボタン穴は手縫いながらステッチのみのイミテーション。いわゆる開き見せだ。それでも切羽が残っているので直し店に持ち込めば本開きの本切羽仕様も可能だ。英国調らしいサイドベンツ仕様が確認できる。

9.英国調のジャケットと英国製バッグ

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英国調のジャケットには英国製のバッグを…手袋で有名なDENTSのバッグはイギリス製らしくブライドルレザーを使っている。かなり重いが両サイドにポケットがあるのでちょっとしたものを入れるにはとても便利で使いやすい。

10.シルバーバックルのベルト

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ベルトはバックルがラルフローレンでベルト部分がブルックスブラザーズのもの。クロコダイルのベルトがセールになっていたので買ってみたら何とバックル後付けタイプ!仕方なくラルフのものを流用、未だに新しいバックルを探しているところだ。

11.パンツのシルエット

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惜しくも廃版のブラックフリース製パンツ。腰から徐々に細くなるシルエットや深い股上が最近では珍しかった。イタリアンブランドのように浅い股上じゃないところが気に入って今回のスペシャルオーダージャケットに合わせてみたが相性は良さそうだ。

12.20年物のコードバン・プレーントウ

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ブルックスの80年代ジャケットに合わせたのは90年代のAlden製プレーントウ。もちろんナンバー8のコードバンだ。Alden純正のようにストームウェルトではないところや外鳩目にというひねりが少々入っているのが特徴。

80年代は日本でもラルフを筆頭にブルックスやPスチュアートなどNYトラッドが盛んに路面店やデパートなどのインショップを展開し始めた時期だ。服飾好きはインショップより直輸入のある路面店を好んだがそれでも重衣料は殆どがライセンス品だった。

その頃NYのブルックス(ラルフローレンでも可能だったらしい)では「好きな生地に好みのデザインでそのブランドらしい1着」を手にすることができた訳で、もしその時代に戻れたらビスポークとは別腹とばかりに何着もオーダーしているに違いない。

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懐かしのアメトラ(Ivy fashion)」カテゴリの記事

コメント

管理人様

SPECIAL ORDERならではのシルエットですね。肩回りの雰囲気はブルックスらしさが出ているように感じます。

85年頃は青山ブルックスブラザーズに足しげく通っていましたが、このようにシュッとしたジャケットは記憶にありません。ただオウンメイクに関しては釦ホール、ゴージラインは手縫いでした。その後も数年は仕様が保たれていたように思います。

昔の服は今に比べて生地や作りが良く、雰囲気があるものが多いですね。しかしながらサイズとコンディションという難題があります。タイムスリップしたくなりますね。

管理人様、連日の書き込み失礼いたします。
先日のラルフのツイードジャケットといい、この度のブルックスのツイードジャケットもとても素敵です!また思わず書き込んでしまいました!
昨今の軟弱な生地のジャケット(失礼ですが・・・)とは正反対の何世代にも渡って受け継がれていきそうな素晴らしい生地!また、チェンジポケットがカッコいいです。素晴らしいコーデも含めて、勉強になります!m(_ _)m
また覗かせて頂きます。

これはまた素晴らしい出会いですね!
やはり洋装のお手本はイギリスなのですね。
言われなければ英国製のものかと思ってしまいます(汗)

それにしても作られた時代のせいなのか、現代服よりもパワーを感じるような・・・

ビンテージは本当にコンディションやシルエット、サイズ感がやや難なところがありますが、ビンテージアイテムを現代のアイテムと合わせる妙技はさすがです!

先週のRLを拝見してから、無性にツイードJKが欲しくなってしまった自分は、本日寒空の下、街に繰り出してきました。
とはいえ、BFが終了してしまった現在、何を買ったらいいのか行くあてもなく、青山界隈をさまよっておりました。
結局トムブラウンに行き着き、それなりに満足できるJKを買ったつもりだったのですが、帰宅して今回のブログを見たら、これはもういけません。
モノが全然違います。決してTBが悪いというわけではないのですが…
管理人様の眼力と行動力には本当に敬服いたします。
私も一生物に巡り合えますよう、努力していきたいと思います。


PMT様

お休みのところコメントをいただき有難う御座います。

なんとオウンメイクは85年頃手縫いのゴージラインやボタンホールだったのですね。流石は全米最古のそして恐らくは世界最古のメンズクロージングストアだけのことはあります。ブルックスブラザーズがなければラルフローレンも生まれていなかったかもしれません。

古着を着るには細かな直しが必要で、私も袖丈や着丈などこれから時間をかけて直していこうと思ってます。買った時の値段は今のものより安いですが、直すとそれなりの値段になったりということもままありそうですが、それでも当時の雰囲気を再現するのはビスポークでも難しい(主に生地の経年変化)感じなので、古着を買って直して着るのが一番ということになります。

K様

お休みのところコメントをいただき有難う御座います。
いつでも大歓迎ですので、今後も気軽にお立ち寄りください。

今回のジャケット、実は前回アップしたラルフローレンのものより前に見つけて入札したのですが、もう1点出していたラルフ共々同じ出品者から落札したものです。前のオーナーが丁寧に保管していたのでこちらもミントコンディションという嬉しい結果でしたが中々到着せず、アップが前後してしまいました。

これから暫くはビンテージものに着目していこうかと思っているところですので、色々と情報交換ができると嬉しいです。

えいでん様

週末は仕事でお台場方面に出向いたり、パーティーの準備をしたり、ブログのアップに時間がかかったりとインスタグラムをお休みしてしまいました。明日から再開予定です(汗)

おっしゃるとおり、サイズ選びは難しいので、多少大きめのものを買うようにしています。今回のジャケットもこの後直しに入るので落札価格よりも高くなるのが難ですが、アメリカでは直して着るのが一般的なようです。

流石既製服を世界で最初に販売したブルックスブラザーズの国、エリート達がブルックスやJプレスの服を直して着るだけで十分、ビスポークする必要がないと考えたのも頷ける高い直し技術が今もあるようです。

それにしても、ツィードって本当に良いですよね〜。

BB様

お休みのところコメントをいただき有難う御座います。

トムブラウンでツィードジャケットを購入されたとのこと…アイビーやプレッピー、アメトラを熟知したトムブラウンですので、素敵な1着かと思います。

今回のジャケットは前回のラルフビンテージジャケットと同じセラーからの出品なので、ものは素晴らしく、虫食いなどないミントコンディションのものを格安で手に入れられたのが良かったです。

ただ、発送後の到着に時間がかかり、先に落札した今回のブルックスが後に到着という結果となり、ブログにアップするのも逆になったという訳です。今後は暫くビンテージものを探してみようかと思っていますので、色々と情報交換が出来ますと嬉しいです。

管理人様

コメントをありがとうございます。

表参道のRLでエドワードグリーンのSALEにグラついたものの、いやいや今日はツイードの日だと店を後にし、BFとオウンメイクなき北青山BBでは決め手に欠け、初めて南青山TBのドアを開けた次第です。
隠れ家のようなモダンな店舗で、シャンパンサービスを受けながらの買い物でした。素晴らしいサービスでしたが、ちょっと照れくさかったのも事実です。
入手したジャケットはとてもお洒落で気に入ったのですが、生地は軽くモード感が強く、やはりアメトラとは一線を画しているような気がします。
帰宅後、ブログで今回のBBを拝見し、やっぱりこちらがグッとくるなと改めて感じました。
同じデザイナーでもBFとはテイストが随分違うような気がしました。
BF最後のコレクションで買った、リバーシブルのウールコートはずっしり重く、スマートさには欠けるものの、20年は着られそうな雰囲気が漂っています。
今回の管理人様のBBジャケットに通じるものを感じます。

BB様

なるほどBFとTBの違いはデザイナーの個性をどこまで発揮できるか、というところの違いなのですね〜。ブルックスブラザーズの中では、他のブルックスのアイテムと共用できなくては販売も難しいでしょうね。

何よりブルックスを製造している海外のファクトリーや所有するガーランドやサウスウィックといったところに作らせるのですから、出来上がるものはやはりトラッドなブルックスブラザーズの香りを受け継いでいることになります。

そういった違いが商品に現れているのかも知れませんね〜。

「(80年代は)重衣料は殆どがライセンス品」

当時はライセンス品でなくても、苦労があったことをふと思い出しました。
もう20年以上前のことになりますが、セレクトショップでダンヒルのトレンチコートに一目惚れしたことがあります。
ただ価格がネックだったので、少し歩いて考えることにしました。
そのとき入った百貨店のダンヒルショップで、同じコートを発見。
素材がまったく同じだったので、ライセンス品でないなら百貨店で買ってもいいかと考えたのですが、試着してがく然。
胴囲は変わらないまま、袖丈着丈が極端に短かったのです。
大げさに言えばトレンチとピーコートの差みたいなものをを感じました。
慌ててセレクトショップに戻って入手したのは言うまでもありません。
もちろん海外との体格差を配慮したサイジングはありますが、今思えば、当時ダンヒルの日本でのターゲットは、今よりもずっと年配者だったのかもしれません。
極端なリサイズはデザインを変えてしまうということを知りました。

BB様

同様のことはラルフローレンの初期パープルレーベルでもありました。日本向けに着丈を短くしたチェスターバリー製のスーツはバランスが悪くてお世辞にも格好良いとは言えませんでした。

その後はJIS規格を修正して発注したようでグンと良くなったことを思い出します。やはり既製服は全体のバランスが大切なんですね。

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