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2016年12月10日 (土)

ファッションアワードの受賞

2016年度の英国ファッション協会主催のファッション・アワードの功労賞がラルフローレンに決定したとハンツマンのインスタグラムで知った。英国のテイストを取り入れながらもアメリカ流のスタイルに拘った成果がようやく本家から表彰されるというわけだ。

1967年に始めたビジネスも既に50年。一貫してスタイルを追求し続けたラルフローレンの受賞は一ファンとして素直に嬉しい。何より受賞に当たって配信された本人のスーツ姿の格好良いこと…そこで今回は久しぶりにポロのスーツを着てみようと思う。

1.ラルフローレンのスーツ姿

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英国風ドレープの効いた6ボタンのダブルスーツだが、下一つ掛けのロールドラペルや上襟と下襟の間が微かに開いたピークドラペル、6ボタンの一番上のボタンが左右に大きく開いているところなどサビルロウのダブルスーツより見るからに柔らかさを感じる。

2.チョークストライプのダブルブレステッドスーツ

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上の写真を参考にダブルのスーツを出してみた。ラルフ本人のスーツは英国のダグラスヘイワード作らしいがこちらは日本での縫製。それでも特徴は掴んでいる。シャツは写真同様小振りな襟だがネクタイは無地から柄に変更、チーフは同じ3ピークで挿している。

3.ラルフ流ドレープスーツ

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久しぶりに出したスーツのパンツは裾幅が何と26㎝もある。流石にそのまま着たらコスプレ風だがラルフ本人は平気で着ているようだ。写真1のラルフ氏本人のスーツとの大きな違いはショルダーラインの張り出しだ。ここはカスタムフィットならではといったところか。

4.Vゾーンとウェストコート

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シャツは勿論ラルフ。ホリゾンタルの襟にフレンチカフとかなりドレッシーだ。タイはP.スチュアートの茶がかったグレーのウール柄。ラペルドヴェストを挟み、仕上げにラビットファーのハットを被ればダブルスーツに相応しい雰囲気が完成する。

5.ドレープ感のあるトラウザーズ

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流石に26㎝の裾幅だと靴が隠れてしまう。昔のカタログではもっとたっぷりとクッションが効いた裾だったはずだ。暫く続いていた「裾短め、ノープリーツ」のパンツも飽きたが、ここまでワイドなパンツに回帰する気配はまだないようだ。靴はフォスター&サンの誂え。

6.シャツを替えて

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右が最初に着せたシャツだ。元祖パープルレーベルで縫製はシンガポールながら素材は番手の細いシーアイランドコットンを採用する等高級感がある。右は通常のポロライン。パープルレーベルが登場するまではポロネームのシャツも丁寧な作りだったと思う。

7.グレースーツに着替える

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折角なので写真1でラルフローレンが締めている無地ネクタイを真似しようと、まずはシャツとネクタイを交替、次にグレースーツを着せて、靴をサイドエラスティックとチェンジしてみた。こちらも十分ドレープの効いたスーツだが、トラウザーズのワタリはすっきりとしている。

8.カシミア混のスーツ

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カシミアが5%含まれたスーツ生地は英国製、縫製も英国の雄チェスターバリーのものだ。同じ英国のホリデーブラウン製カシミヤのブラックタイを締めて、チーフとハットはそのまま流用、グレースーツに黒無地のタイも悪くない感じだ。

9.カフ周り

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チェスターバリー製らしく、本開きの本切羽を選択できる作りになっている。ここではカフの第一ボタン穴(一番下)の位置を高めに指定している。本開きの本切羽ではボタン穴の位置によってカフ周りの印象がガラッと変わる。少し気にしてみるのは如何だろうか。

10.ウェスト回り

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すっきりとしたウェスト回りはブレイシーズならでは。靴に合わせてレザータブが黒のものを用意したが、茶色の靴ならば茶を合わせたいところだ。アワードを受賞したラルフローレンへの敬意をこめてブレイシーズもラルフローレンのものを使用している。

11.メイドインイングランドのパープルレーベル

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パープルレーベル初期の重衣料はチェスターバリーだったが、その後イタリアのセントアンドリュースに、更にカルーゾへとファクトリーが変わり、細くタイトなシルエットに変遷している。だが、クオリティはMade in Englandと併記されている最初の頃が最も高いと思う。

12.英国製パープルレーベルの裾幅

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測ってみたところ22㎝とクラシックらしい裾幅だ。見え難いが「モーニングカットのダブル」という難しい仕上げをハンドで行っているのでクッションが綺麗に出る。お願いしたのはコーダ洋服工房、難しい注文に応えられる高い技術力を誇る直し店だ。

ラルフローレンのバッグのベルトが壊れてカスタマーセンターに出した話を暫く前のブログで報告したが結局接着しただけの革ベルトはまた剥がれてしまい一体何のために時間をかけ、郵送料を会社が負担してまでも行った修理だったのだろうか。

アワードを受賞したラルフローレン氏の功績が本当に素晴らしいだけに、足元での販売不振や商品品質の低下が残念でならない。次の50年間、ラルローレンがスタイルをもったブランドとして愛され続けるか正念場を迎える日も遠くない、そんな気がした。

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服(Ready to wear)」カテゴリの記事

コメント

こんにちは:-)
大のラルフ・ローレン好きとしては、昨今の品質低下の旨に深く同意せざるを得ません…ただ、BLACK LABELが無くなってからは、次第に(アイテムによるが)取り戻してきたようにも思います。PURPLE LABELの品質は素晴らしいのですが、Poloの世界観、雰囲気は独特のものがありますので、何とか頑張ってほしいですね。
ちなみに、今季はレザーアイテムが豊作で、良いコレクションだったように思います。

リュウ様

お休みのところコメントをいただき有難う御座います。

ブラックレーベル、終了したのですね。知りませんでしたが、立ち位置の分からないサブブランドだったので成る程と思いました。そういえば私は一点も所有していなかったような。

リュウ様からレザーコレクションが良いとのアドバイスをいただきましたので、表参道のショップをのぞいてみようかと思いますす。

ところで、表参道以外で品揃えが豊富なインショップはあるのでしょうか?新宿の伊勢丹は?ですし池袋の西武も?ですし…ラインナップを見られる場所がないのが低迷の一つかなとも思いました。

裾幅26センチのトラウザーですが、非常にクラシックな感じがして大好きです。
オックスフォードを履けば、恐らく紐が全て隠れるのでしょうね~。

裾幅細めのトラウザーは好きではないので、今回のエントリーは非常に面白く読ませていただきました。

久々のRLのスレッド。後ほど詳しくコメントいたします。

管理人様
 
チェスターバリーは、やっぱり格好いいですね。
※そう言えば、同じアメリカンブランドのブルックスBFは、サウスウィック製以前のスーツをイタリアで作らせていましたが、どこのファクトリーだったかご存知でしょうか?
 
最近は、流行の波が穏やかになりつつあるのかなとてっきり思っていましたが、「裾短め、ノープリーツ」も少し流行遅れになりつつありますね。
かと言って、裾幅26㎝が流行る時代はまだまだ来ないだろうことを想像すると、22㎝のクラシックな裾幅であればいつの時代も無難といったところでしょうか。

サスペンダーの釦留めの素材はクロコダイルでしょうか?

浪漫様

お休みのところコメントをいただき有難う御座います。

幅の広いトラウザーズがお好みとのこと、クラシックなスーツスタイルを信条とされているのですね。私も大好きで早くその時代が戻って来ないかと待ち続けています。

が、流石に26㎝は太めなのでもう少し太くなり始めたらまずは22㎝のものから再開してみようかなと思いました。

浦野様

お待ちしています。

やまだ様

お休みのところコメントを有難う御座います。

そうですね〜久しぶりにチェスターバリーを出して見ましたが、個人的にはセントアンドリュースやキトン、アットリーニといったクラシコ界のハンドメイドスーツメーカーのお手本となったブランドではないかと思ってます。つまり元祖ということでしょうか…

作りもスタイルも実にクラシック、奇をてらわぬ王道の22㎝幅のパンツといい、上襟と下襟の間の梯子掛け手縫いの跡といい、今見ても感動する作りです。スーツを誂えるならパンツ幅は22㎝くらいが一番、ということもチェスターバリーが改めて教えてくれました。

浦野様

サスペンダーの革部分は黒のクロコ素材を使ってます。

ラルフらしいゴージャス感ですね〜。

さすが、管理人様!素晴らしいですね。私の持ち物はその部分の部材は鯨の髭を使用しております。これこそサスペンダーの王様と思っておりましたが、上には上があるもんだ!と感嘆しました。私は、あのクラブのメンバーと違いまして良い物は良い!と素直に認める事ができますのので。『笑い』光沢仕様でしょうか?

浦野様

お休みのところコメントをいただき有難う御座いました。

もしかして鯨の髭の方が希少かもしれませんが、クロコをあしらうのは如何にもラルフらしいなぁ〜と思っています。黒の持ち出しは数が少なくて後革メッシュのものがあるだけなのでこのサスペンダー(アメリカ風に言うと)の出番も増えて来ます。

これで足元も黒のクロコだと少々嫌味になりましょうか。でもやってみたい気持ちもあります(笑)

御大の「タイムレス」な世界は、心を揺さぶるものがありますね。
管理人様のコーディネートは、それを見事に具現化していて、息を呑みました。
私自身、スーツに関してはGA一辺倒だったのを歳月をかけてBFにシフトしたのですが、こうしてクラシックなスーツを見ますと、こちらに進むべきだったかと考えてしまいました。自分のスーツは裾も短いですし。
それにしても、紫は素晴らしいですね!時を経てさらに存在感が出ているように思いました。
GAが1年毎に鮮度が落ちてしまうのは仕方ないことと、わかってはいるのですが。

連投失礼します。

「RLがスタイルをもったブランドとして愛され続けるか正念場」

個人的には、やはりビッグポニーを終了させることが必要かと思います。
RLのターゲットではなかった人たちが、これ見よがしにビッグポニーを身に着けるようになった頃からブランドが変化していったように感じています。
ビッグポニーはもちろん、ポニーがなくてもRLを感じさせるような製品が増えることが、ブランド復活の鍵になると思います。

私もBB様の御意見と同感です。ウインブルドンでの玉拾いボーイ限定で市場に出さなければまた、変わっていたかも?

BB様

週明けのコメントをいただき有難う御座います。

BB様がGAから時間をかけてBFにシフトしていったとのお話、私も一時期GAの黒ラベルに凝っていた時期があったので我が事のように思いました。

私の場合は日本のアイビーブームから入ったのでインポートものはブルックスやJプレス、やがてポールスチュアートやラルフローレンへと進み、途中GAに立ち寄って英国ビスポーク、イタリアンサルトを経て現在は再びアメトラ好きに戻っているので、トラッドなものが家中に溢れていることから、アイテムの互換性があるのが幸いしているようです。

ラルフローレンの今後はポニーやウィンブルドン、オリンピックのユニフォームではなく根本的な品質やデザインだと私も感じます。そういえばビッグポニーは全く持っていないです…きっと無意識のうちにラルフローレンらしくないと思ったのかもしれません。

浦野様

やはり浦野様もラルフローレンのここが変だよ…に気づかれていたのですね。そういえばウィンブルドンシリーズも、全くもっていません。ラルフローレンらしくないとこちらも無意識のうちに拒否していたのかもしれませんね〜。

今回修理してもらったバッグがすぐにダメになったことで、ラルフローレンの凋落傾向がわかった気がします。たかがバッグひとつですが全く適当な直し方しかせずに送り返したカスタマーサービスですので企業本体も推して知るべしでしょうね。…落ちてみないと分からないでしょう。

そうですね!以前に書き込んだように九州の政令指定都市3市のうち大好きな小倉に市役所がある北九州以外の2市にありましたポロラルフローレン○○も無くなりました。大の信徒である私は躰の一部には必ずやこのブランドを身につけていないと出歩けない!『お洒落して外出時』と豪語しておりました。先ずは上からメガネ、下は👞に至るまで!インポート👞を持たない私はそれこそ日靴製造の👞を履いて。今ではオンワードや今泉が少し増えてきたようです。でも信徒としては頑張って欲しいと願っております。画像にありました縫い込みの深いインタックのパンツの既製品の再販を願っております。

管理人様

ビスポークやサルト…さすが、華麗なる遍歴ですね!
私はその昔、ヴィクトワール広場のKENZOで衝撃を受けて服に目覚めたのですが、その後は本当に行き当たりばったりで、とても人に言えたものではありません。
ただ、現在はオウンメイクやBFに落ち着いており(両者とも終了で、これからの身の振り方に悩むところではありますが)、管理人様の経験に裏打ちされた着こなしがとても刺さるものになっているのです。
素晴らしい遍歴を拝見して、ああやはりと納得いたしました。
これからもご指南のほどよろしくお願い致します!

署名を忘れて投稿してしまいました。失礼いたしました。

浦野様

ラルフローレンのビジネスの縮小は日本が大きなマーケットではなくなって来たからというのは当然なのでしょうが、世代を超えて愛用される服を目指していたラルフローレン氏の心情とは裏腹に、若い世代はもっと手軽でリーズナブルで、クリーンなものが心に響くのか、若人を売り場で見かけることがあまりないんです。

アウトレットでもファミリーセール(その名を使うこところが既にファミリーブランドになってしまっています。)でも熱心に品定めするのは中年の男女で若い人は少ないです。私も一番好きなブランドであるのは間違い無いんですが、最近のものではなく残念ですが昔のものを探してこよう…と真剣に思っています。

BB様

オウンメイクもブラックフリースも珠玉の出来栄えで、自社工場を所有するメリットを生かした作りが私の心に突き刺さりました。今日もオウンメイクの白BDを着ています。BB様が揃えたのもよく分かります。

イタリアのサルトは動いた時が美しい服を、英国のテイラーは立ち姿が美しい服を作ります。どちらも大好きですが、既製服を広めた新大陸アメリカのレディメイドも捨てがたい。それに何と言ってもアメカジ派ですので落ち着くところはアメリカン…というわけです。

これからラルフローレンはどうなっていくのか…今の所は定かではありませんが没個性化は避けてほしいのが自分の感想です。

管理人様

功労賞というのは過去の功績に対してという感じがして、少し寂しいですね。
数年前はラルフローレンご本人はブラックレーベルに一番熱心だったらしいですが、そのブラックレーベルは終了。やはり何かが起こってる気がします。
とは言うものの私はラルフローレンのブランド力を信じます。根拠は無いですが・・・

PMT様

ラルフローレン本人がブラックレーベルに熱心だと言ったのは、あまり評価されていないのでテコ入れする意味を込めて肯定的な意見を述べたのかもしれませんね〜。

何れにしても最近のラルフローレン本人は昔の陽に焼けた、でも精悍な顔つきとは違ってだいぶ歳をとられた感じがしました。私もラルフローレンのブランド力を信じたいですが、アメリカのブランドはビルブラスもセザラニも噂を聞かず、ダナキャランやカルバンクラインも然り。

ブルックスブラザーズなどのクロージングスペシャリティやストアが頑張ってる現状を見るにつけラルフローレンの将来が気にはなります。

管理人様

いつも楽しく拝見しております。
Purple Labelの取り揃えですが、東京エリアですとラルフローレン玉川にあります。
玉川高島屋SC内にあり、表参道ストアほどではないですが、近年店内をリノベーションして、Purple LabelやウィメンズのCollectionラインを中心に展開しています。
ウィメンズのCollectionラインは、過去のラルフローレンの名作を復活させたラインが出ていて、表参道ストアより先に先行展開しているそうです。
ご参考までに。。

Skyhigh様

ご多用のところコメントをいただき有難う御座います。

このところデパートのインショップはどこも似た感じで立ち寄ることもなくなっていたのですが二子玉川にあったのですね〜。そういった情報に疎くなっていたので、とても助かりました。

今度行って見てみます。

クロコダイルのサスペンダーに同じく管理人様の黒のクロコダイルの👞を合わせたコーディネート是非とも拝見させて頂きたいと願っております。決して嫌みではないと思います。それが出来るのも、積み重ねられたお洒落とクロコダイルを購入出来る環境の賜物でからです。私は以前に所属していたATCの九州支部長からクロコダイルはトラッドではないと一方的、い脱会させられた手紙の中に記載されましたが?私の姉婿が言った言葉があります。そのワードとは、『世の中は不公平こそ平等なんだ!そうでないと努力する人間もしない人間も同等では努力した事に意味がない!』と。

浦野様

サスペンダーの革部分のクロコは見えないところだから良しとしても靴のクロコはトラッドでないと言われたら…

浦野様のお話から推測するに、「トラッドマンはアンダーステートメント即ち控え目をもって装うべし…」といった信条があるのかなと思いました。クロコの靴ありますよ、休みの日には履きますよ、でも公の場には決して履きません…

正にトラッドマンですが、時にはウインザー公のように「スーツにスエード靴」なんて素敵なブレイキングルールがあるのも悪くはない気がします。

何事も原則と例外がある、そんな風に感じると気持ちもすっと楽になるのではと思いました。

初めて投稿させていただきます。
個人的にはRLよりもオリジナルであるブルックスブラザーズやJPress が好きなのですが、たまたま数年前に買ったRRLのピーコート(10star)があまりに素晴らしすぎて、改めてラルフローレンの低力を感じています。
今度はスーツに手を出そうかなあ…

ねむりお様

この度は当ブログへの訪問並びにコメントを頂き有難う御座います。これからもお時間がございましたらお立ち寄り頂き、気軽にコメントを頂戴できますと幸いです。

さて、数年前に買われたRRLのピーコート、聞くだけで物凄く格好いいだろうなというのが想像できてしまいます。このあたりはさすがにラルフローレン、中でもRRLの凄いところだろうなと想像がつきます。

ブルックスやJプレスがお好みとのことからアメリカントラッドを愛好されているのかなと想像しています。今後とも色々とやり取りをする中でトラッド愛好家同士の情報交換ができると嬉しいです。

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