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2016年9月10日 (土)

Spilits&Shoes(酒と靴)

ベルルッティ、靴好きならば直ぐに分かるパリは誂え靴屋の老舗だ。ヴィトングループの傘下に入ってからはプレタポルテへ軸足をシフトしたようで、マルブッフ通りの本店も随分と印象が変わっていた。とはいえクリエイティビティは相変わらず健在だ。

そのベルルッティが顧客を呼んで靴磨きの会を開いているのは有名で、シャンパンを飲みながらシャンパンで靴磨きをするという。何とも洒落ているではないか。そこで今回はベルルッティに倣って秋の夜長、酒を味わいながら靴磨きに興じようと思う。

1.ウィスキーでウィスキーコードバンを磨く

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良く磨いたウィスキーコードバン(タッセルは元々ナチュラルコードバンだったが今やすっかり琥珀色だ)に数滴ウィスキーを垂らして磨いてみた。靴磨きに使うアルコールの替わりに本物のウィスキーでウィスキーコードバンを磨くという洒落話だったが結果は上々。

2.ベネチアンクリームを使ってみる

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革の宝石コードバンならばウィスキーで磨くのも悪くない。ただし革の表面に下地を作ることが大切。そこでコードバンタンナーのホーウィン社と同じシカゴから来たベネチアンクリームで下地を整えてみる。少量でも良く伸びるので瓶は小さいが頼りになりそうだ。

3.ベネチアンクリームとコードバンの相性

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ベネチアンクリームはブラックとバーガンディに無色の3色展開だ。どんな色のコードバンにも使えるという点では無色に軍配が上がろう。使う前によく瓶を振ることが大切だ。液体というよりは半固形のワックスに近く、少量布に取って伸ばすのが良い。

4.ベネチアンクリームの特徴

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こちらはビスポークのコードバンタッセル。上のバーガンディコードバン同様クリームを塗り終わったところ。乾いたコードバンの表面に塗ってもシミになることはないが、布で縫っていくと革の染料が布の方に付く。多少リムーバル作用もある感じだ。

5.乾いた布で拭きとってみる

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ひととおり塗り終わってしばらく時間を置き、白い布で磨いた後の靴達。つま先の光り具合はあまり変わらないが、今まで光り難かった部分がよく光るようになったので、全体的につやつやと輝いているのが嬉しい。この後はウィスキーによる最終磨きだ。

6.磨き終わった後の靴達

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こちらは最初に磨きを終えた靴。バーガンディにブラック、ウィスキーのどれもが以前にも増して綺麗に輝いている。つま先は本セーム革で磨きをかけてみた。この後、最後に軽くブラッシングする工程を加えると尚良いそうだ。

7.酒の話その1…ウィスキー

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ここで紹介するのは余市のニッカ工場で買ったシングルカスク10年。英国のウィスキーマガジン「2001年ベストオブベスト」で余市のシングルカスク10年が1位を、サントリーの響21年が2位を占めた。世界に誇る日本のウィスキーらしく中々の味わいだ。

8.バーガンディの靴を磨く

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バーガンディのウィングチップを同じくベネチアンクリームで磨いてみた。ところでバーガンディという言葉は英語でブルゴーニュを意味するらしい。せっかくなのでブルゴーニュワインを飲みながらとも思ったが、ここはひとつ国産ワインも悪くない。

9.磨き終えたバーガンディの靴達とワイン

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ベネチアンクリームは実によく光る。少々くたびれてきたコードバンの靴を蘇らせる魔法の小瓶かも知れない。よく似た色の靴ばかり揃えているね…と言われがちな靴愛好家、だがデザインや作りが違えば同じバーガンディ色でも全く違う靴なのだ。

10.酒の話その2…赤ワイン

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用意したのはブルゴーニュならぬフルーツ王国山形の恵み高畠ワイナリーの「最上の紅花」。ワイナリーに直接行って試飲、しっかりとしたボディが気に入ってその場で買い求めたもの。輸入カベルネと高畠産メルローのバランスがとれた味が特徴らしい。

11.ダークブラウンコードバンの靴を磨く

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こちらは同じホーウィン社のダークブラウンコードバンを使用したクロケットの靴。手前のローファー以外はラルフ別注だがどれもコードバンの質が良い。流石はアパレル界の巨人ラルフの底力といったところか。この色に合う酒と言えば何といってもギネスだろう。

12.酒の話その3…ギネス

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ギネスのドラフト缶ビールは夏のお気に入り。クリーミーな泡立ちの秘密は缶の中に入ったボールとのこと。飲み終えた後カラカラ音がするのはそのせいらしい。コードバンの色にピッタリのビールを飲みながらの靴磨きは、残暑厳しい中でも苦にならない。

秋冬物を少しずつ出してはクローゼットに仕舞ったり、夏物をメンテしながら屋根裏に仕舞ったりと、休日は何かとやることが多い。しかもまだ暑いので早朝や夕刻に働くようにすると、どこへも出かけない週末の日中は絶好の靴磨きタイムになる。

スーツを着る機会が減り、クールビズでノーネクタイが当たり前の今、足元だけは磨いた靴で出かけたい。そう思うと週末の靴磨きはお洒落好きに欠かせない一手間だし、何より好きな酒を嗜みながらの靴磨きは平日の忙しさを忘れる至福のひと時でもある。

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コメント

新しいスレッド待ちわびておりました!今回は大好きなお酒と靴のメンテナンス。私は日、月の両日は休肝日、にしております。もう少したったら涼しくなりそうですので後者【靴のメンテナンス】でも始めましょうか。

浦野様

お休みのところコメントを頂き有難う御座います。

休日はお酒の美味しい日なのでついつい嗜んでしまいます。とはいっても平日も飲んでいるので休肝日がありません。

幸い水曜日から出張でお酒を飲めそうにないのでそこを休肝日といたします。

こんばんは。岩手県の五月長根というワインも美味しいので、機会があればぜひ飲んでいただきたく思います。

また、管理人様はオフの日に黒い靴を履くときはありますか?

ダークブラウンのコードヴァンに合うギネスの🍺。私はダークブラウンのコードヴァンは持っておりません【ヴァーガンデーカラーのUチップとタッセルのみ】他のダークブラウンシューズはラルフのフルサドルローファーと新しいロゴの赤箱入りのリーガルのスコッチグレンのWTのみ【もちろんバルモラル】好みのブラウンはどちらかと申せばライトブラウン、タンカラーですので私の🍺は管理人様のコードヴァンタッセルを磨いたニッカウヰスキーの親会社。九州では博多駅の隣駅の竹下の工場で作られた🍺です。

浪漫様

岩手のワイン情報、有り難う御座います。今度ぜひ試してみたいです。

お尋ねの件ですが、冬ですと上がグレーのダッフルコートや黒のカシミアニットなどの場合はオフでもカジュアル寄りの黒靴を履くことがあります。

浦野様、浦野様

ビール好きの私としては、ライトブラウンというとペールエールが思い浮かびます。竹鶴政孝が最初にウィスキーを作ったサ○○リーのモ○ツの赤缶や青缶が目下のお気に入りです。

9番目のコメントで、よく似た色の靴ばかり揃えてるね。のワードですが好きだからこそ似たような色や雰囲気の物を揃えるんではないでしょうか?私も靴ではありませんがメガネのことですが一言述べさせてくださいませんでしょうか。ずいぶん昔、眼鏡が全てラルフローレンだった頃フレームが緑色のハーフリムを購入して家についてみると前々回に購入した眼鏡と雰囲気がそっくりなのでしまった造る時にこの眼鏡をはめて行ってたらと思ってみますと、色や形は似ていても全く別の眼鏡でした。その話を眼鏡屋ですると、【人間、好きな物を集めるもんなんですよ】と言われたのを思い出しました。ちなみに私が一年半に造る眼鏡【今では大のマサキマツシマ党員になってしまいました】全てと申しましても4本ですが管理人様がお好きな色に似たようなボルドーカラーですよ。

浦野様

なるほど、好きだからこそ同じ色、素材、メーカーにこだわるんですね〜。そう考えれば家族のちょっとした一言にも笑って返答できそうです。

メガネのフレームも奥が深そうですね。私はロードサイドの量販店ばかりですが、いつかお気に入りの素材とデザインで作ってみたいです。

最上の紅花。素敵な色のワインですね!江戸時代に紅花の産地だったと知ったのは先月NHKでドラマ相棒の鑑識係を演じる六角さんが鉄道の旅で酒造元を訪ねたり、また田舎の小さな食堂と言おうか居酒屋で飲食する番組がありまして今回このスレッドにまた書き込みさせて頂いております。ナレーターは壇蜜でした!このワイン飲んでみようと思ってオンラインショップにて注文しました。飲むときは同色のマサキマツシマ眼鏡をかけてホーウイン社の2足の靴でも磨きながら!

浦野様

何と「最上の紅花」をオンラインで購入されたのですね。
おっしゃる通り限定ワインなので高畠ワイナリーのネットショップからしか購入できなかったはずです。一緒のワインで話が繋がるなんて嬉しい限りです!!

実は私も試飲以来久々に今日開けて飲もうと思っているところです。私もこってりとしたチーズの入った小料理をつまみにバーガンディの靴を磨きながらゆったりと過ごします。

先日、上等のサラミをゲットしました。明日は同色の最上の紅花の肴にしていただきます!先月購入した眼鏡、マサキマツシマMF-1155の眼鏡を掛けて。3色揃い踏みと、申しましょうか!

浦野様

早速私も最上の紅花を飲み終えてしまい慌てて使いを高畠ワイナリーに注文しました。

中々の味に満足です。

日本人ならば日本御ワイナリーも応援したい…そんな気持ちになりました。

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