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2016年9月24日 (土)

Boot care(レッドウィングの手入れ)

アメリカを代表するワークブーツといえばレッドウィングが思い浮かぶ。ヘビアイ華やかな頃はシェラデザインの60/40パーカと名コンビで名を馳せたものだ。自分はリーガル製を履いていたが、本物のレッドウィングを手に入れた時は嬉しかったことを覚えている。

アウトドア用のブーツだからとガンガン使う。すると傷も沢山付く。それも勲章だと思えれば良いのだが靴好きとしては気になって仕方がない。そこで今回はレッドウィングの中でも特に傷が目立ちやすいオロ・ラセットレザーのメンテナンスを考えてみようと思う。

1.劇的ビフォー&アフター

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左はブッシュを歩いた後のブーツ。かなり傷がついている。赤味の強いオロラセットは特に傷が目立つので靴用のクリームなどで補色するのが必要になる。ついでにホワイトソールも汚れを落としておきたい。お色直しを終えたのが右の写真。正に劇的な変化だ。

2.最初の汚れ落とし

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まずは水で濡らしたタオルを硬く絞り、靴全体を拭いていく。傷が付いた部分は汚れを掃き出すように拭いていく。汚れが付いたままだと補色クリームを塗った後、傷が黒い跡になってってしまうからだ。せっかくなので靴紐を外してタン部分も忘れずに拭きたい。

3.水拭きを終えたブーツ

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水拭きすると傷がついた部分は色が黒くなるのでよく分かる。歩き方がヘタなせいでつま先に傷が集中するのが少々情けない。ブーツの中には両側が開くタイプのツリー(ロイドフットウェアのもの)を入れてある。靴磨きは革がピンと張るツリーを用意するのがポイントだ。

4.用意したクリーム

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モゥブレイのレッドブラウン(乳化クリーム)を勧めるウェブサイトもあったが、全色扱っている靴屋は少なく、目当ての店でも取扱がなかった。替わりに選んだのがブートブラックのカンパリ。油性クリームだが伸びが良さそうだと店員と相談の上決定。値段は2000円と少々高めだった。

5.クリームの塗布

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まずは傷隠しにつま先へと塗ってみた。油性クリームなので乳化性のモゥブレイよりも伸びが今一つのような気もするが、色目はさほど違っていないようだ。傷部分に塗ると跡が浮かび上がるが、クリームが浸透するうちに目立たなくなっていった。

6.片足を終えたところ

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片足のみ補色が完了したところ。しっとりとしたレッドウィング独特の革質が甦ったようだ。比べてみると塗っていない方の片足は乾燥が目立つ。どんな靴でもメンテナンス次第で見違えるようになり、愛着も増すということが実感できる一時だった。

7.補色作業の終了

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補色クリームを塗り終えた状態のレッドウィング。傷部分が濃くなっているが、乾き始めた右足(画面では左側)は傷が目立たなくなっている。色合いはカンパリでドンピシャ、新品とまでは言わないが購入時に近いレッドウィングに仕上がった。

8.クロスで拭き取る

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クリームが馴染んだら乾いたクロスで拭き取る。この時あまり強くこすると布の細かな繊維が靴の表面に付いてしまうので軽く磨き上げる。油性クリームらしく光る成分(ワックス)が入っているのだろう、表面に艶と光沢が出てきたのが分かる。

9.再度の水拭き

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最後に硬く絞ったタオルで再び表面を磨く。タオルの僅かな水分が作用して鏡面仕上げのような状態になってきたようだ。左側の靴は水拭きを終えたところ。比べると光沢感が違う。手間をかければそれだけ仕上がりが違うのを実感した。

10.ホワイトソールの汚れ落とし

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ホワイトソールは汚れ易い。ここを綺麗にすると靴の雰囲気も変わるので、ジッポーのオイルを使って汚れ落としに挑戦してみた。中身はベンジンのようだが、薬局の瓶入りよりも専用の缶に入っているおかげで使いやすい。ホワイトソール磨き用に常備しておくことにした。

11.汚れを落とす

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少量ずつ布にとってホワイトソールのエッジを磨いていく。手を入れるうちに少しずつ汚れが落ちるのが分かる。アッパーにオイルが付かないよう注意しながら作業を進めたが、ソールのケアを先にした方が良かったかもしれない。

12.ソールクリーニングの効果

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くすんでいたソールエッジに白さが戻ってきた。結果は上々、今度は古参のレッドウィングで確かめてみたい。ここまで来ると1の写真のようにくたびれたブーツと同じものだとは思えない。使い込んだ風格と丁寧なケアが相待って、グッと男前の靴になったようだ。

13.作業を終えて…

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磨き終えたブーツを肴に酒と靴のスレッドで紹介した山形の高畠ワインで祝杯を上げた。3連休の最後は雨、読書も良いがこうして靴を磨くのが良い。それにしてもこの高畠ワイン…リーズナブルながら実に美味い。おかげで最高の休日になった。

13.デニムと合わせて

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前回のホワイトバックス特集内のコーディネートを借りての撮影。やはりワークブーツにはワークウェア、それも履き古したデニム(ユニクロ製)が一番似合う。ここ数年デニムに力を入れているユニクロだが、今シーズンのダメージデニムは良く出来ている。

最初に買ったレッドウィングはタンレザーだったが、黒のレッドウィングがブームになった時に1足(キムタクがドラマで履いたのがきっかけらしい)、その後オロラセットのブーツが欲しくてもう1足と、いつの間にかレッドウィングが増えていった。

残念ながらインスタグラムでは欧米のドレス靴に比してアメリカンワークブーツは今一つ人気がない。好きな靴を楽しめばそれでよいのだが、レッドウィングのようなワークブーツが醸し出す無骨な味わいや男らしさを分かる人が増えると嬉しいのだが。

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コメント

レッドウィングは私も好きで、黒と茶を一足ずつ持っています。
正直履く機会は少ないのですが、こうしたワークブーツはあると重宝しますよね。
履いた回数よりも手入れをした回数の方が多いかもしれません(笑)

酒と靴、ボルドーカラーから白いホワイトバックス、そしてまたまた赤みがかったブーツと秋によく似合うカラーが揃い踏みしましたね。奮発して買いました一寸高級なサラミを肴にして飲んだ最上の紅花。美味しかったです。知人の整備工場の社長が同色のレッドウイングのブーツ持っておりますのでこのスレッド見せてメンテナンスの参考にと知らせるつもりでおります。今回このレッドウイング、以前、高倉健によく似合う靴だと書き込んだ事を思い出しました。

管理人様

三割増し、いやそれ以上の仕上がりですね。
ライターオイルでソールを拭く技は知りませんでした。
煙草は止めたのでライターオイルも処分しましたが、取っておけばよかったです。

若い頃、レッドウイングのつま先を革靴のようにピカピカにして、友人に笑われたこともありました。
今は基本ダビンオイルで手入れをして、たまにクリームやワックスを使っています。

浪漫様

お休みのところコメントをいただき有難う御座いました。

やはり黒と茶を1足ずつお持ちなのですね。確かに履くシーンが限られているので回数は少なくなるかもしれませんがここ一番で活躍してくれるタフな相棒です。

ただ、おっしゃるようにメンテの回数は履く回数に近いかもしれません。何しろ登板回数が少なめですので…

浦野様

私も最上の紅花をネットで追加注文して週末を楽しみました。やや硬くて噛むほどに味わいの出る肉をいただきながらでした。

高倉健さんといえば幸せの黄色いハンカチで北海道を舞台にしたロケでタフなブーツを履いていた記憶があるのですが、健さんの場合は何を履いても格好いいので私の中では別格になっています。

PMT様

休日の一時、コメントをいただき有難う御座います。

私も随分前にタバコをやめたのでジッポーもオイルも処分したのですが、オイルでソールが綺麗になると知ってネットでジッポーを扱っている店を探して買い求めました。効果はそれなりにあるようです。

私もレッドウイング純正のオイルのみ使用していましたが、どうしても傷がつくつま先を中心に補色クリームが必要ということでいろいろ調べて試したところです。

上手い具合に仕上がって満足な週末でした。

こんにちは、ZIPPOオイルとは、おそらくホワイトガソリン系でしょうが、以外どころか、思いもつかぬ手段です。自己責任ではありますが、色々やってみたいです。
先日は、バックスキンの英国製スニーカを色づけしてみました。もともと生成色(?)で、足元が軽そうなので、モウブレイの乳化性バーガンディを入れてみました、ムラができましたが、それなりの味が出たものと思います。
さてと、管理人様のRedWingBootsのお手入れは大変参考になりました。
トウと踵部にKIWIワックスを入れるくらいしかしてこなかった身にはとても染みます。もともと、しっとりした革ですので、少量の水が良い栄養となりますね。あと、ニベアクリーム、お勧めです。

健さんは別格!素晴らしいワードですね。でも管理人様が主催されるこの劇団、【自民党をぶっ潰す】と言って国民の圧倒的な支持を得た小泉劇場にもひけを取らない○○劇場の個性派、二枚目俳優も次の出番を遠からず待っております。

Tony様

お褒めの言葉を有り難う御座います。

ジッポのオイルの正体はホワイトガソリンでしたか…そう言えば昔山用品の燃料用に持っていった記憶があります。そのジッポーオイルですがホワイトソールを綺麗にするのに使っているレッドウィング愛好家は少なくないようです。見違えるという程ではありませんが、確実に白くはなります。

後、ニベアクリームというのは盲点でしたが、肌に悪くないなら牛革に悪いはずもなく、使ってみる価値はありそうですね。モウブレイの乳化ワックスを使う方が楽に伸びる気もしますが、いずれにしてもドンピシャな色で着色できるクリームを選ぶところに靴磨きフェチの醍醐味があるような気がしました。

浦野様

健さんの格好よさを振り返るといった追悼番組でブラックレイン共演のマイケルダグラスが何やら語っていたようで見逃したのが残念です。

それにしても以前から何度も言っていますがブラックレインでの高倉健さんは格好良かったなとしみじみ思い返してしまいました。

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