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2016年7月16日 (土)

Restoration program(スニーカーの修理)

グッドイヤーウェルトの靴はソールが減れば張替えが効く。ところがスニーカーは無理…せいぜい踵が減ったら合成素材を盛り付けて対処するくらいだと思っていた。ところが本格的なレストレーション(修理)プログラムをもつスポーツシューズメーカーがある。

アメリカはボストンに設立された矯正靴のメーカー「ニューバランス」がそうだ。純正パーツを使った本格的なソールの張替(リソール)が可能だと以前から聞いていたので、ものはためしにと依頼してみた。そこで今回はリソールの様子を紹介してみようと思う。

1.修理完了のお知らせと靴の到着

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現在修理を受けるのは高価格帯のスニーカーでUSかUKメイドのみ。値段の高さだけでなく、純正パーツを用いた修理故に対応可能な範囲を絞る必要があるからかもしれない。幸い今回依頼したM576(US)は対象とのことで新品のようになって戻ってきた。

2.リソールとレストレーション

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最初に靴をカスタマーセンターに送り、真贋、製造年月日を確認して修理可能かチェック、OKならば依頼伝票入りで返送されてくる。プログラムは2通り、「リソールのみ」と「踵の補修付レストレーション」だが勿論値段は異なる。今回はリソールのみをお願いした。

3.純正のパーツを使ったリソール

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M576の純正パーツは基本の白/灰のみで素材はENCAP。これは圧縮EVA(エチレンビニルアセテート=CCAP)をポリウレタンと合わせたものらしく、そのポリウレタンが加水分解を起こし劣化するという仕組みらしい。この真新しいソールもやがて再劣化するという訳だ。

4.接着の状態

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新品で購入した時から多少の接着剤のはみ出しはあるので気にしないでいたが、改めてソールの圧着状態を見えると気になるところもなく、とても丁寧に仕上げられている。このあたりは仕上げに対してこだわりのある日本らしい、職人技を見ているかのようだ。

5.ENCAPとCCAPの違い

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こちらは同じ時期に購入したM576のUKバージョン。オールレザーの少々ごついタイプだがソールは修理に出したENCAPではなく圧縮EVA(CCAP)のみ。従って加水分解が起こらないといわれている。ならば全てCCAPにすれば…と思うのだが履き心地が違うらしい。

6.CCAP素材のソール

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ENCAP素材を使用していないのでそっけないウエッジソールのUK版。ソール断面に皺が寄っているがこれはCCAPの特徴で今のところ剥がれもなく、綺麗な状態だ。CCAP搭載のUKモデルの方が耐久性があるというのはこういった事情からなのだろう。

7.修理前のM576(US)

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修理する前の写真。踵部分をよく見ると黒く薄いアウトソールの上にブルー素材(スポンジ?)が乗り、更に白いENCAPが重なっているのが分かると思う。今回はこの白いENCAP部分が分解を起こし始めていた。聞くところによると5~6年で劣化が始まるらしい。

8.修理後の様子

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修理後の写真、新しいソールのせいで靴まで新品のように見える。履き心地はCCAPのM576(UK)よりもクッション性が高く、メッシュ素材を使用していることもあって実に軽い。英国製のニューバランスは英国紳士靴同様アナログ的な良さが売りかも知れない。

9.新旧の比較

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修理前と後を比べると、修理前は既にソールの剥がれが起き始めていたこと(Coming off)が分かる。一方修理後は青いパーツが灰色に替わりオリジナルの姿とは違う(Change)ことも分かる。ただし交換しなければ直ぐに履けなくなることは明白だが…

10.後継品の補充

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M576の後継ということで同じENCAP搭載のM996を購入。2015年モデルで限定色のピスタチオは他とはちょっと違った色目のスニーカーが欲しい心をくすぐる。ニューバランスはいつも真っ先にチェックするメーカー、どことなく品があると思うのは贔屓目だろうか。

11.MADE IN USAを買う

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ご多分に漏れずニューバランスのM996も廉価版の中国製と高価格帯の米国製がある。レストレーションプログラムを使って修理するならばここはMade in USAを買いたい。嬉しいことにこのピスタチオ、あまり人気がないのかかなり安く買えた。

ビスポークシューズを愛用していた人がある時からスニーカーしか履かないと決め、持っていた革靴を冠婚葬祭用以外すべて処分したという話を聞いたことがある。ダブルソールやトリプルソールのごつい革靴は若くて健脚向きの靴だと感じることも多い。

スニーカーのロールスロイスと言われるニューバランスのUSメイドやUKメイド。安価ではないがビスポーク靴よりはるかにリーズナブルでソールの張替も効く。となると、履き心地や健康上の理由から靴のベストオブベストといっても惜しくないとさえ思えてくる。

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カジュアル(Casual wear)」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
本記事と関連がなく恐縮ですが、管理人様はジョンロブのウィリアムのような所謂モンクシューズはあまりはかれないのでしょうか?
ブログに登場することがあまりないな、と思いまして。

梅雨明けも間近となった日曜日。コメントいたします。先ずは外羽根の靴に対しての返信ありがとう御座いました。sneakerはリーガルのスニーカー30周年記念のサイドに30の紺色の刺繍が入ったやつ、RLの以前管理人様と同じく紺色に黄色の線が入ったやつ、RLスニーカーと3足しかありませんので詳しくはわかりませんがリペアに出しても惜しくもないほどの逸品だと思いました!それよりもその逸品の脇にいながらも決して、埋もれずに個性と言うオーラを輝かせている以前のスレッド、ギャラリーセールに出て来ましたブラックウヲッチ柄のバッグや今泉のソックスがこれまたステキでした!全く関係ない書き込み失礼しました!

レストレーションではなくリペアがこの場合適切ではないですか?

浪漫様

ダブルモンクはクロケット製のロブウィリアムと同じくクロケット製のロイドのものを持っていましたが譲ったので、現在はワイルドスミスが一足のみです。シングルモンクも同様にグリーンが1足ありましたが譲ったので現在はなしです。

浦野様

スニーカーを履かれている浦野様のお姿を拝見してみたいものです。やはりリーガルやポロが多いのですね〜。

私もRLの総師ラルフ御大がこよなく愛したニューバランスのM1300の伝説を聞いてからニューバランスファンになったようなものですので浦野様と考えが近いかと思います。

赤様

辞書で調べるとrestoreとrepairの意味はかなり近いようですが、汎用性のあるパーツを使って「修理」する場合はリペア、純正部品で「復元」する場合はレストアというニュアンスではないかと考えました。

靴修理の専門店はそれぞれ工夫しながら市販の素材で修理するのでリペアで間違いないと思いましたが、メーカーに直接依頼して復元して貰う場合なんと呼ぶのだろう?と気になりアメリカのサイトを調べました。するとオールデンサンフランシスコではシューレストレーションと呼んでいました。

もう一社、同じくアメリカのアレンエドモンズではシューリクラフティングと言っているようですが、単なるリペアではない雰囲気です。また、アメリカ国内ででナイキやニューバランスなどのスニーカーを専門に修復しているショップもスニーカーレストレーションと銘打っていました。

一方でイギリスの靴屋、グリーンやクロケットはシューリペアと言っているのでレストアという言葉はアメリカでよく使われている感じがしました。

そこでニューバランスの出自を考えると、結論としてアメリカ生まれのニューバランスならばレストアという言葉が良いだろうと、わざわざ選んで使ったというのが今回のタイトル設定です。

Steve Jobs程のNew Balance 信者に僕自身は到底なれませんが一泊二日の旅行、または革靴の補佐としてこれ程頼りになる靴はないのでは?シューキーパーも不要で軽いのも強みですね!特に飛行機やホテル内での移動に無類の威力を発揮するような気がします。

Made in UKの576は加水分解に強いと聞きホッとしました^ - ^

私事ながら伊勢丹夏のセールを利用し初のネイビー、しかもスエードのアンラインドペニーを購入してしまいました(CrockettのHarvardです)。管理人様に触発され少し夏気分を足元から味わいたくて....

アラキ様

ネイビースエードのアンラインドローファー、メンズ館の地下で見ました。いろいろ陳列されている中で一際輝いたので、自分も手にとって見ました。モカ部分の縫い糸が白ではなくブラウンというところがポイント高いなと個人的に思っています。

さて、ニューバランスですが、海外旅行に行くときは必ず持って行こうかなと思っています。特に、今回のような限定色ならば靴屋であろうと服屋であろうと、ましてやブランド店であってもOKだと思いました。

昔からお気に入りのニューバランスのUSメイドとUKメイド、もう何足か増えそうな予感がしています。

CrockettのNavy Loaferはたった4万円の上、中々見かけないD Widthだったので良い買い物ができたなと思っています。

他にもMTOでしか出来ないような白黒スペクテイター、実用性が高そうな白のカントリーカーフのペニー、ネイビーコードヴァンのダブルモンク(確か10万円だったような...) など中々魅力的な別注品がありましたね。実は日本に帰国してからまだ一年経ってないので伊勢丹のSALEがこれ程お得とは知りませんでした。

先日は青山のブルックスでネイビーの341lastのダービーを買いそこねたので少し満足です。その後三連休の最後を満喫したい思いでTrading Postにも寄り(セール最終日だったのが残念でした) 明日から上記のローファーを履くためトウスチールを付けるため銀座のRESHに直行しました..... これだけの情熱、決断力と行動力は靴以外にも発揮したい思いです^ - ^

ラルフローレンがnew balanceが好きだとは初めて知りました!私は彼がリーのデニムGジャンが好きだとは知っておりました。それにしても管理人様の若草色が好みだとよくわかりました。久しぶりにYouTubeで地元の皮膚科の御曹子と再婚なされたプリティなOGのそれこそ45年ほど前の曲を聞いてから寝るとしましょうかね。またベロに記載されたブランドと数字、996私は勝手にイリノイ州に本社がある世界最大の建設機械のメイカーの足回りがタイヤ、このメイカーでは敢えてタイヤショベルと言わずに、ホイールローダーと記載された機種とよく似た数字に興奮しました!

アラキ様

最近は昔より情熱が薄れましたが、少し前まではセールの度に何か出物はないかと丸の内から銀座、新宿へと1日中かけて物色していました。アラキ様のお気持ちよく分かります。

やはり好きこそ物の上手なれではありませんが、靴は投資するに値する服飾品だなと思います。情熱をかけて探す価値のあるアイテムではないでしょうか。時計同様長く使えて質の良いもの(値段ではなく)を買えば25〜30年は平気で持ちます。こんな服飾品は中々ありません。

ただ、これからは買う楽しみではなく伝える楽しみを追い求めて、少しでも有益な情報を靴愛好家の方々に広げられたらなぁと思っています。

浦野様

そうなんです、ラルフローレン御大が「最高の履き心地」と絶賛したことから火が付いたニューバランスの人気、嬉しいのは多くの東南アジア生産品に混じって矯正靴メーカーとしてスタートした理念をしっかり受け継いだモデルをメイドインUSAで作り続けているところなんです。

そんな姿勢に惚れてしまい何足も買い直している自分です。また忘れた頃に当ブログでニューバランスの続編が出るかと思いますがその時はリーのGジャンにテンガロンハットを被ったラルフローレン氏の姿と共に、あぁ、このまえの続編だなと思い出してくれると嬉しいです。

スニーカーではありませんが、その昔、アシックス社がレザーのアッパーでソールがゴム製のスポーツ仕様の「ワラッジ」というシリーズを展開していて、ソールが劣化したら張替ができました。 
 
現在は、「ワラッジ」は無くなってしまっているようです(と聞いています)が、気に入ったシューズを手入れしながら長く使うには、いい製品展開だったので、今でも残念です。
 
「ワラッジ」のような仕様は、オーセンティックなシューズを愛好する方々にとっては邪道と思えるかもしれません。

でも、カーベット敷のオフィスやアスファルト敷の歩道では、レザーソールでは大変滑るので、ソールのグリップの良さという機能性の面からも「ワラッジ」は重宝していました。
 
少々センチメンタルですが、メンテナンスをきちんとしてくれるメーカーやブランドは、好きな物を大事に使いたいという気持ちに答えてくれている気がして、ついつい贔屓にしてしまいます。

oisan様

ワラッジ、懐かしいです。日本古来のワラジの快適さを靴に盛り込んだアシックスならではの提案だったかと思います。アシックスはその後オニツカタイガーのスニーカーでお付き合いが始まりましたが、真摯なモノづくりが良いなと思っています。

おっしゃるように修理可能な商品を作るということはパーツの保管等コスト高になりますが企業の姿勢が感じられて信頼感もアップしますね(^_^)

恥ずかしいことに今更気づきましたが管理人様はM576にもシューツリーをご使用しておられるのですね.... さすがです

アラキ様

いえいえこれは撮影時にタンのロゴが見えやすいようにわざわざ入れたもので普段は入れておりません。

紛らわしかったですね(汗)

懐かしや、オニツカタイガー!随分前に軟式野球チーム率いていた私の足元を守ってくれた銘靴でした。

浦野様

お休みのところコメントをいただき有難う御座いました。今朝車で帰ってきましたので部屋の埃を掃除して、今くつろぎながら返信しています。

オニツカタイガーは私の大好きなジャパンブランドです。新品の時が一番格好良いのですが、汚れてくると見栄えが悪くなるのでいつも綺麗に履くのがコツかな〜なんて思っています。

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