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2015年11月28日 (土)

The war lover(戦う翼)より

スティーブマックイーンの戦争映画というと「大脱走」が思い浮かぶ。ヒルツ大尉役のマックィーンが脱走の際バイクを運転するシーンは本人とのことでかなりの腕前らしい。一方、同じマックイーン主演の映画「戦う翼」の方はあまり知られていない。ここでマックイーンは空軍のパイロット役を演じていた。

映画の中では爆撃機の機長バズ・リクソン役ということで、シープスキンのフライトジャケットを羽織るマックイーンの姿が何度も映し出される。その姿に影響を受けて古いボマージャケットを引っ張り出してあれこれコーディネイトを考えてみた。そこで今週は「戦う翼」からヒントを得た着こなしを紹介したい。

1.映画「戦う翼」のシーンから

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史実に忠実な映画らしくマックイーンが羽織っているのは正式なフライトジャケットのようだ。トラウザーズは厚手のウール地、よく見ると細かなグレンチェックらしい。ボマージャケットというとデニムやチノパンと合わせるのが主流だが、ウールパンツと合わせるのも中々新鮮だ。

2.映画を参考に…

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引っ張り出してきた古着のB-3タイプはショットのもの。アヴィレックスのものが有名だったが、メイドインUSAとなるとショット以外には見当たらない。ショットのB-3では珍しいブラックなのでパンツもやや濃いめのグレーを選択。勿論グレンチェックだ。軍ものらしくシャツもカーキのチノクロスシャツを合わせている。

3.アメリカ式ストライプタイを合わせて

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空軍パイロットということでレジメンタルタイが思い浮かんだ。もっともレジメンタルの本家は英国、しかも空軍用レジメンタルは臙脂・白・紺の3色で右下がり。一方映画はアメリカ空軍なのでストライプは左下がりとしてみた。実際基地内のクラブなどでは無地で細身のタイをしていたようだ。

4.ジップアップ

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ジッパーをやや上げたところ。ボマージャケットはピタリとフィットしたサイズを選んだ方が良いと言われる。選んだサイズは38だが、かなりタイトだ。ぎりぎりシャツの上に薄いニットを羽織ることはできるだろうが、その場合は前を締めない方が良い。締めてしまうと暑くなりすぎる。それほど保温力は高い。

5.フルジップアップの状態

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ジッパーを首まで上げた状態。この状態ならばバイクに乗っても平気だと友人が言っていたが、考えてみれば高高度で飛ぶ爆撃機では機内の温度も相当低いはず、それに耐えられるよう当時の素材で最も保温効果の高かったシープスキンを採用したのだから、温かいのは当たり前だろう。

6.チンストラップ

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首下が寒い場合は襟を立て2本のチンストラップで左右を留めれば冷気が上半身に入ることもなくなる。むしろこの状態まで行くと、逆に保温効果の低い場所、例えばグローブの指先や、下半身、靴から出ているソックス部分に寒さを感じてしまう。因みにチンストラップは牛革、頑丈なグレインレザーを使っている。

7.バックル

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襟に隠れて見えないが左側にはチンストラップ留めのバックルが配置されている。まず使うことのない留金に頑丈な金属製バックルを2個も使うとことからして想像できるだろうが、このジャケットはとにかく重い。軽くて快適でお洒落なダウンジャケットとは真逆の遺物なのだが、何とも言えない魅力がある。

8.トラウザーズ&ベルト

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トラウザーズは一見普通ながら、バックループやダーツを取ったフロントなどディテールとデザインに特徴がある。ボマージャケット同様USメイドということで、ブラックフリースのウールパンツを用意してみた。ベルトはこの後出てくる靴に合わせてポロのコードバンベルトを締めている。

9.シャツ&ネクタイ

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アメリカに拘って用意したシャツはラルフローレンのチノクロスシャツ。滅多に見かけないメイドインUSAだ。シャツと同じくレジメンタルタイもラルフローレンで揃えてみた。残念ながらこちらはメイドインイタリー。ベルトとパンツも合わせ、全てアメリカンクロージングという枠で統一してみた。

10.ラルフローレンのイメージ

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ラルフのアイテムを多用していたら、何とラルフローレン社が提唱するボマージャケットの着こなし例を見つけた。下に黒のニットを合わせ、首下はシルクのスカーフを軽く巻いている。ボトムスはジャージ素材のパンツだろうか。リラックスした中にも粋を感じる。流石はサープラス好きのラルフローレンだと思った。

11.コーディネイトした靴

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合わせた靴はプレーントウ。軍隊の正装というと、靴はプレーントウブルッチャーというイメージがある。左はラコタ社が展開するKTルイストンが一時期出していたアパルーサカーフのプレーントウ、一方右側はブルックス別注、ナンバー8コードバンの990だ。勿論どちらもメイドインUSAである。

久しぶりに引っ張り出したボマージャケットだが、10の写真で紹介したラルフローレンだけでなくヨーロッパのデザイナーやピッティの会場でも着こなしている写真を見かける。ここ数シーズンダウンジャケットが主流だったが、ワイルドなボマージャケットをタウンユースで着こなすのも悪くない。

1本の映画から影響を受けてあれこれ考えてみた今回のボマージャケット。男の服飾雑誌を読むことはあまりなくなったが、映画、特に昔のものから着こなしのインスピレーションを得ることが多い。決して懐古趣味ではないが、軽薄短小といわれる今の時代にはない重厚さに心惹かれるのだろう。

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昔の服(Vintage Clothing)」カテゴリの記事

コメント

管理人様

B-3のネクタイコーディネイトはかなり難易度が高いと思いますが、チノクロスシャツによって見事にマッチしていますね。
私は10.のラルフより2.の方が素敵だと思います。

B-3に代表されるようなムートンのボマージャケットの実物は古着市場から殆ど消えてしまいました。素材や染色の関係上、通常の保管では70年は持たないのでしょう。きっと温度湿度管理された保管庫を持つコレクターの元にのみ残っていると思います。
こちらのジャケットも今後の保管には注意された方がいいかもしれません。

ボマージャケットと言えば、G-1も気になります。ネクタイコーディネイトの難易度はさらに高いかもしれません。


いつもとは違ったテイストのスタイルの紹介、とても楽しく拝見させて頂きました!

私はベタにジェームズボンドに影響を受けた格好をすることがありますが、やはり映画の楽しみ方というのもそのストーリーの展開だけではありませんね😄

私はボマージャケットを一つも持っていないのですが、実用性と男らしい重厚感が非常にかっこ良いので、来年の冬は是非取り入れてみようと思いました。素敵なコーディネートの紹介をありがとうございます!

おはようございます。。
最近の投稿からは意表を突いた表現です。

わたくしもボマージャケット、ミリタリー系は一着もありませんが、参考にさせていただきたく、また、少々の衝撃があります。
ドレスアップした姿がとても新鮮です。
ベータやロスコのミリタリーシューズでないところが、外しの妙とも言いましょうか、RLのオリンピックブーツにスエットやニットのパンツでも?と想像が膨らみます。

しかし、このジャケット、東京では暑いでしょうね。

PMT様

週末の土曜日にコメントをいただき有難う御座います。

リアルな第2次世界大戦時のミルスペックを合格したB-3はもう現存していないのですね。もともとは羊の革で出来ているのだから革製品同様100年近く持つような気もするのですが…

保湿保革のケアをしないままでは(靴のようにはできないということもありますが)100年の壁は超えられないのでしょうね。自分のB-3も同手入れしようか時々迷います。

それにしましてもラルフのコーデよりお気に召していただき、嬉しいです。G-1は持っていませんがいつかコーディネイトを考えてみたいと思います。

yamakovv様

土曜のひと時、お休みのところコメントをいただき有難う御座います。

日頃は全くサープラスモノに縁がないのですが、どういう訳かこのB-3とA-2と2着もフライトジャケットを所有しています。せっかくなので映画から考えるコーディネイトをまとめてみました。

yamakovv様もやはり映画の中の着こなしからヒントを得られるようで、私もショーンコネリー時代の(古ッ)ボンドから、あるいはケーリーグラントの主演作からコーディネイトを引っ張り出してくることがあります。

yamakovv様がインスタグラムで見せるクリーンな着こなしとは対極のマッチョなボマージャケット、きっとお洒落なyamakovv様でしたらすんなりと着こなされるのではと想像しております。

Tony様

日曜日のひと時、コメントをいただき有難う御座います。

仰るとおりボマージャケットは東京では暑いと感じることの方が多そうです。それでももし東京だと現地するとなると、例えば初日の出を見に高尾山の山頂でひたすらご来光を待つとき、そんなシチュエーションに役立ちそうです。

サープラスものはそれどおりに着こなすのではなく、如何に他のものとうまく組み合わせるか、難易度が高くも楽しい挑戦ではありました。

次週はノーマルに戻す予定です(笑)

管理人様

ご返信ありがとうございます。

実物のB-3は80年代頃は状態の良い物も見かけましたが、数年前に見たものは表面のラッカーコーティングがひび割れ、ムートンまで切れていて崩れそうな状態でした。

今回のB-3は内側のムートンにはプロ防虫エッセンスを霧吹き、表はデリケートクリームで手入れするのが良いかと思います。ミンクオイルやマスタングペースト等の動物性オイルを使われる場合はごく少量の方が良いと思います。

革製品の寿命は元々の革質や保存状態によって全く違うと思いますが、デッドストックシューズの場合、40年代以前のものは、劣化しているケースが多いです。やはり70年位がひとつの目安になるかも知れません。

コーディネートのご紹介、お待ちしていました。
タイドアップスタイルにボマージャケットというのは、「待ってました!」という感じです。

自分は所謂ヘタレなもので(笑)、ワイルドさと実用性を兼ね備えたミリタリーウエアは大好きです。

ご紹介のコーディネートは、厳密にはカジュアル寄りのスタイルなのでしょうが、古臭いドレスコードに拘る勤務先へのささやかな抵抗(?)で、ウイークエンドの通勤スタイルに試してみたいものです。

PMT様

レクチャーを有難うございました。
よく考えたらウール素材ですのでムートン側は確かにプロ防虫エッセンスが必要ですね〜。

また表革はデリケートクリームが必要とのこと、その場合かなりの量を使いそうですね。ですが早めに一度手当てをしておこうかと思います。それにしても、こうして為になることを色々とやりとりできるのが、ブログの良いところだと実感しました。

為になるお話、本当に助かります。

oisan様

週初めの月曜日にコメントをいただき有難う御座います。

ミリタリーものがお好きということで、素人の私が考えた組み合わせにお褒めの言葉を頂戴し、恐縮しております。

職場の環境が真面目とのことで、週末のささやかな抵抗を試みられるのでしょうか…。素敵な装いとなって成功致しますようお祈り申し上げます。
後でどのようなコーディネートだったかお教えくださいますと幸いです。

残念ながら、実はボマージャケットは持っておらず、今回のコーディネートは憧れなのです。
 
トレンチコートは、ミリタリーが出自ですが、ヒジネスシーンでもすっかり定番になりました。ピーコートも然り。
A-1、MA-1などのフライトジャケットやフィールドジャケット類は、自分にとってはカジュアル色が強過ぎる印象で、ビジネスシーンに持ち込むには少々勇気がいります。
 
 
今回のボマージャケットは、大人のワイルドさがあり、そもそもビジネスユースではないのですが軽々しさがありません。実用性(保温機能)も高そうなので、これからの時期に古いドレスコードにちょっとだけ(笑)反抗したいコーディネートには、うってつけだと思いました。
 
靴やスーツのメイキング記事も面白いし勉強になりましたが、私はやっぱりコーディネートが楽しみです。センスも知識も乏しいので、こちらの記事で色々学べるのはありがたく嬉しい限りです。

oisan様

早速の返信ならびにコーディネートへのお褒めの言葉をいただき有難う御座います。

最近長年使ってきたトルソーが不具合を起こしているので中々以前のようにコーディネートを紹介できないのがもどかしくなります。

それでも、トルソーを使ってでなくては表現できないものについてはこれからもチャレンジしていきますので、その時はご覧いただけますと幸いです。

ムートンのボマージャケット!1993年の冬にグッチの物が昔の5番街の店でセールになっていて(それもなぜか激安)、兄貴とおそろいで買いました。 私のは引越しが重なって紛失しましたが(恐らく一度目のNYでの引越しの際に倉庫送りにしたまま)、先日兄の物が母の家になぜかありました(笑 NYに持ってこようと思ったのですが(オールデンのコードヴァンの新品を2,3足あげたのでそれくらいは有り)荷物がかさばるので断念。 極寒のNYでも中Tシャツ一枚でも余裕でした(笑 

住職様

ムートンのボマージャケット、何とグッチのものとは(^_^;)恐らくショットのものとは柔らかさが違うかと思います。

それにしても昨シーズン着てみたら本当に長袖のTシャツだけで良かったのには驚きました。何しろ本物は与圧装置のない爆撃機に乗って高高度を飛ぶB-17のクルーが着用するほどの防寒性を誇るだけに、レプリカとはいえ温かさはハンパない感じです。

早くうんと寒い季節が巡って来ないかなと待ちわびる今日この頃…です。

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