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2015年11月 7日 (土)

Shoes from USA(アメリカ土産の靴)

今年も知人がボストンからやってきた。アメリカで生活している彼は年1回家族に会いに来る「一時帰国」を欠かさない。そして、有難いことに、毎回手土産を持ってきてくれる。今回の手土産はオールデン。東京‐ボストン路線の運航で楽にキャリー出来るようになったと喜んでいた。

目下日本ではオールデンのコードバン靴が極度の品薄。アメリカ直輸入だと送料135㌦+関税と日本よりも割高になる。やむなくアメリカ国内送料無料のショップからオールデンを取り寄せ、それをキャリーしてきたようだ。そこで今回は新着のオールデン靴を紹介しようと思う。

1.オープンザボックス

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キャリーしてきてくれた靴はもちろんコードバン。アメリカ国内価格が702㌦(85,318円)。送料はアメリカ国内分が無料で、日本への持ち込みは免税範囲ということで課税はなし。国内価格122,040円と比べると30%オフで買えたことになる。相変わらずの内外価格差を実感した。

もう少し詳しく紹介したい…

2.靴を出してみる…

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購入したのは定番の975のロングウィングブルッチャー(LWB)。昔同じ型で黒をものを持っていたが左右の革の厚みが違い過ぎてヴァンプの皺が不自然なので知人に譲ってからは遠ざかっていたモデルだ。バーガンディ特有の色ムラが見えるものの革の厚みは均一のようだ。

3.コンプリメント

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無料サービスの靴ベラとワックス。どちらも靴の中に丁寧に梱包されていた。アメリカのサービスも最近は日本流の細やかさが感じられる。ワックスはナンバー8(バーガンディ)専用で、ブルックスのコードバン専用ペーストワックスと同じものだ。今度磨く時にその効用を確かめたい。

4.靴のアウトライン

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アメリカの靴らしいがっしりとしたウィングチップ。サビルロウ仕立てやイタリアのサルトによるハンドテイラードのジャケットには合わない。ブルックスやラルフのツィードジャケットにチノパンやデニムなど如何にもアメリカンなアイテムと一緒に合わせてこそ、生き生きとする靴だと思う。

5.左右の革の厚み

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ヴァンプ部分の革の厚みをチェックする時はタン部分の厚みが参考になりそうだ。以前買った黒のLWBはタンの断面からして厚みが違っていたが、今回の靴は左右どちらも申し分なく厚さも揃っている。ただ、以前のように透明感のあるバーガンディ色ではなくなったのが気になる。

6.日光の下で撮影

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日光の下では革の下地が浮き出るはずだがあまり変化がない。顔料が多くなり、刷毛で縫った跡が見られる個体もあると聞く。染色方法が変わったのだろうか…ともかく最近はコードバンの原皮自体が不足している。オールデンのコードバン靴に何かが起こっているのは間違いなさそうだ。

7.ソールの色

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ソールの色も以前と比べるとかなり白い。素材が変わったのか仕上げ時のソール表面の磨きを変えたのか、ソールを見ただけでもここ数年で雰囲気がガラッと変わったことが実感できる。このままでは履けないので、休日を利用して靴修理工房に靴を持参、メタルチップを付けて貰った。

8.メタルトゥチップの装着

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加工は新宿のリファインアームズに依頼。工賃が控え目ながら腕が確かなのが嬉しい。ハーフラバーにメタルチップという完全防備もあるが、レザーソールを味わいたいのでつま先のみとした。ブロンズのトウチップをお願いしたがソールの幅が広すぎて合わず、シルバーに変更している。

9.靴のサイドビュー

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低い甲にトウスプリングの効いたサイドビュー。イタリアやフランスはもとよりルーツの近い英国靴とも違う。決して丁寧な作りではなく、ラフな印象さえ受けるオールデンだが、イタリアの某ファッション靴メーカーが真似しようにもできなかったと聞く。オールデンの個性を物語る話だ。

10.皺入れの儀式

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コードバン靴の皺入れ。本来左右で違う皺が出るのが自然だが、左肩下がりの顧客の上着はカッティングで、足の長さが違う場合はヒールで、足の形が違う場合はラストで…と服飾は左右対称をどこかで意識している。靴の皺が左右似ていても悪くはないはずだ。写真の長い棒は靴ベラ。

11.履き下ろし

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靴のデビューは予定通りデニムで…。短めのジーンズにアーガイルソックスとナンバー8のコードバンLWBの組み合わせ。昔履いていた黒コードバンのLWBより断然色合わせが楽しい。これならオフィスウェアのウォームビズ化によってセーター&パンツに合わせることもできそうだ。

新宿のデパート地下にある靴売り場でもオールデンのコードバン靴は1型のみ。しかも色は黒だ。しかたなく近くのセレクトショップを覗いてもやはり在庫は黒だけだった。どうやらバーガンディコードバンの枯渇が顕著らしい。そんな中バーガンディの靴を運んできてくれた知人の存在は本当に有難い。

だが、その知人の手を再び煩わせることもあり得る。何しろオールデンのコードバン靴を別注で扱うブルックスが扱いを順次止めるらしい。オールデン側が作れないと返答してきたようだ。ひょっとしてオールデンのコードバン靴そのものがなくなるというDデイがすぐそこまで来ているかもしれないからだ。

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コメント

こんにちは!
オールデンの品質については色々と悩ましいところがありますが、今回手に入れられたものはやはり「アタリ」の個体のようで羨ましい限りです。ニューヨークの店舗でも、レアカラーはもちろん、No.8は殆どサイズが欠けていて手に入り難い状態でした。顔料が少なくて済む良い原革が少なくなっているのでしょうね。(刷毛で塗ったような跡の見える個体がディスプレイされているのを何度か見た事がありますが、長い間、蛍光灯に晒されて退色した結果、刷毛目が出てきてしまっている可能性も考えられます)

Brooks Brothersで入荷状況を聞いた際、「Discontinueにはなっていない。ただ、発注しても何時届くのか分からないのさ」と取り扱い中止については否定されていましたが、Alden側から作れないとGive Upされたのなら、中止も止むを得ないのでしょうね。。。改めて、アンラインドペニーを買っておいて良かったと思った次第です。

管理人様


私も以前、フランスに帰郷する知人に、閉店セールを行っているアルニスで買い物を依頼したことがあり、非常に有難かった記憶があります。

さておき、10年前にアメリカを訪問した際、父親に頼まれ、オールデンのコードバン靴を買ったものですが、本記事を拝見するに、自分用のものも購入しておけば良かったという気持ちがつのりました。

シロさん

お休み朝のコメントを有難うございます。

シロさんがアメリカに駐在していた頃からナンバー8の在庫不足が常態化していたとなるといよいよオールデンのコードバンも危ないかもしれませんね。

今回はオールデンサンフランシスコにアメリカ国内への発送を依頼、そこから知人が運ぶという手間のかかった物でした。ただ、オールデンショップ内だと在庫の融通をし合うのか、すぐに発送し、日本行のフライトまでに間に合わせてくれた形跡があります。

ナンバー8の顔料を刷毛で塗ったような跡については私も見たことがあります。色も今回の物とよく似ていて透き通ったようなバーガンディ色ではなくなっていました。

靴好きのシロさんですので、ご存知かと思いますが既にアメリカ本国でも650㌦だったアンラインドペニーが798㌦まで値上がっています。革の不足もあるでしょうが、手縫いモカを採用している為工賃も高くなっているようです。

オールデンもモデルによって細かく値段が変わってきているようなので会社が生き残るというのは本当に細かな部分まで考えてなければならないんだなと商売の難しさも実感しました。

いずれにしましてもアンラインドモカ、買っておいてよかったと思います。

やまだ様

お休みのところコメントを有難うございます。

アルニスの閉店セールで購入してきてくださるご友人、とても素敵ですね。きっと思い出に残る品を運んできてくださったのではないでしょうか。

オールデンの話ですが10年間ですと今よりも肉厚で良い色のコードバン革があったことと思います。まさかその頃は10年後にこんな状態になっているとは私も想像もつきませんでした。

恐らく状態がいまより良くなることはないのでナンバー8のコードバン靴も今が最後の買い時かもしれません。

こんにちは。
ハンドクリームを切らしたため冗談半分でデリケートクリームを手に塗りこんで「結構いけるな」と思ったそんな休日の朝を過ごしております。

オールデン、やはり格好良いですね。
エレガント路線が好きな私にとっては対極的なアイテムですが、
いつも惚れ惚れと見とれてしまいます。
革の問題、やはりタナーの手間のかけ具合なのでしょうか。
手間をかけ品質にこだわった物は、現代の大量生産を前提とした経済構造に相容れないのか、もしそうだとすればワインのように高額路線にひた走ってしまうのか、何とも不安な気持ちを抱いてしまいます。
いずれにせよ、高級靴を履く人が少なくなれば市場のパイ自体が縮小するので単価が高くならざるを得ないので、少しでも歯止めをかけるために私はこれからも高級靴を履いていきます笑

ところで今日は阪急梅田のイタリアフェアにて「カルトゥージア」なる香水ブランドを見てきます。
カプリ島の歴史あるフレグランスメーカーらしく、ちょうどペンハリガンに飽きてきた事もあり興味深々です。
セルジュルタンスかアムアージュを狙っていましたが、少し珍しいイタリア南部の香水もいいかなぁ、と。

やはり服だけでなくライフスタイル全般を楽しみたいものですね。
もし良ければ、最近の家具の記事のように管理人様のライフスタイルに関する物の記事も色々と書いていただければ、とても嬉しいです。
参考にして真似します(笑)

おはようございます。
オールデンの質に関しては、さほど知識が無い自分が見てもアメリカに住んでいた頃とはかなり差があることに気づきます。
もっと悪くなる前に今のうちに買っておくべきか、それともそんな妥協はしない方が良いのか悩んでいるところです。

ところで、刷毛で塗ることに関して言及されていますが、刷毛で塗ること自体が良くないのでしょうか?
それとも跡が残っていることが良くないのでしょうか?
知識不足を晒すことになってしまいますが、気になったのでお教え頂けたら幸いです。

カメリア様

日曜朝のコメント、有難うございます。

エレガントでスタイリッシュな靴も、反対に無骨でハードながら味わいのあるな靴も好きなので、どうしてもオールデンは気になる存在です。

そのオールデンが枯渇状態になり革質が以前に比べてどことなく粗が目立つようになったのではないか…専門家ではありませんが私も感じておりました。黒のコードバンよりバーガンディの方が流通量が少ないことやそのバーガンディにしても以前より紫に近くなっているのはひょっとして革の染めに課題があるのだろうか?など色々想像しています。

好きな靴がいつまでも同じ品質で続いて欲しいのは消費者の願いでしょうが、作る側は中々それを守るのが大変なのだと思います。特に靴メーカーは革が命ですので、高級な革が作れなくなっている現状と需要の板挟みで苦労しているようです。オールデンがコードバンから脱却しようとしている雰囲気も最近の新製品から感じられます。

さて、私のライフスタイル全般ですが靴や服については多少の拘りを持っていますがその他はあまりご紹介できるものがないものでして(汗)…何か思いついた時はブログにアップしますのでお目通しいただけますと幸いです。

yamakovv様

お休みのところコメントを頂き有難う御座います。アメリカ在住時より革質が落ちてきていると実感されているとのこと。住んでいらした方の印象は日本に住んでいる我々以上に正確なのではないでしょうか。yamakovv様だけでなく周囲の靴に詳しい方に聞いてもほぼ間違いなく全員が変化を指摘しています。

yamakovv様が仰っていた「コードバンの製品を今買えばよいのか妥協しない方が良いのか」につきましてはだれにも分からないことと思いますが、もし歴史から学ぶとすれば昔より今の物の方が出来映えが良くなっているという話は聞かないので「手製の高級皮革製品は今のうちに買え」の声が正しいような気もします。

オールデンのコードバンの染色がどのようなものかは分かりませんが、1990年代のコードバンと2015年のコードバンを比べてみるとオールデンのコードバン特有の透明感のある表面が厚く顔料でおおわれている感じがしました。この後しばらく履いて磨いてみるともっとはっきりと分かるかと思います。

その時にインスタグラムやブログの方で紹介しますので、少々時間をいただけますと幸いです。

同じレザーシューズでも、お国柄が見えるのは面白いです。
 
最初に記事と写真を拝見した時は、ビジネスシーンでは確かに難しいが、カジュアルダウンであればスーツやテイラードジャケットと合わせるのもありではないかと思いました。
 
しかし、バーガンディという色の特性や靴自体のテイストからすれば、確かにテイストの違う英国製、イタリア製のドレッシーなものよりは、記事にあるような合わせ方の方が靴の個性が活きますね。
 
バーガンディの靴は、まだ履いた事がありません。いつの日にか、ワードローブにぜひ加えたいものの一つです。

oisan様

週初めのコメントを有難うございます。不覚にも風邪をひいてしまい、昨日はPCにノータッチでしたのでお返事が遅れてしまいました。

アメリカの男性は絞りのないスーツにバーガンディのロングウィングを合わせるのでしょうが上背があればこそかなと思います。一方でロングウィングはジーンズに合わせても良いのが懐の深さとも言えます。私としては後者の懐の深さを生かしてコーディネイト出来たらなと考えているところです。

仰るとおりバーガンディの靴は好きですが意外と合わせが難しいので私もあれこれ試しています。こうしてブログに載せることでoisan様のワードローブが更に素敵になる手助けに少しでもなれたとしたら嬉しいです!!

2月に2週間東京にいますので、なにかありましたら。

住職様

心温まるお言葉を有難う御座います。
アメリカで何か耳よりな情報がありましたらお教えください。何しろアメリカ本国でもコードバン靴は結構品薄のようです。それとラルフのラインナップもイタリー製が減っているようで気になっています。
何より昔のポロポニーがついたPolo🐎RalphLaurenの青タグがなくなってがっくりです。

2月の来日時は御多忙とは思いますが、お時間がございましたら、お声かけ下さいますと幸いです。

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