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2015年4月18日 (土)

Cordovan Tassel

靴を誂えて20年。最初の頃はデザイン重視、やがてエキゾチックレザーなど素材に凝り、最近はオーソドックスな靴を注文することが多くなった。もちろん全く既成と同じではつまらないが、馴染みの靴屋はその辺をよく分かってるので、以前のように細かな指示を出すこともない。

その間に着こなしもスーツからジャケットスタイルに変わり、今はジャケットに合うスリッポンばかり注文している。靴自体の好みもあるが、着る服に合わせて靴の好みも変わる。そこで今回は28足目となるクレバリーの最新靴を中心に誂え靴にふれてみたい。

1.Go home(納品)

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完成したてのタッセルスリッポン。長らくオーダーしていたスクェアトゥから試行錯誤の末に辿り着いたスマートラウンドは実に美しい。一見クレバリーとは思えないほどで、マスターのティーム・レッパネンを中心とした新生クレバリーの実力が発揮された1足と言える。

もう少し詳しく紹介してみたい…

2.ナチュラルコードバン

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仮縫い時の色はもっと生成りに近い色だったが、納品前のポリッシングで濃い色になったようだ。それでも市販されているバーガンディやウィスキー、マホガニーやラベロとは異なる独特の色目はビスポークならでは。他にない独特の色目も靴を誂える楽しみの一つになっている。

3.靴のサイド

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既成のタッセルスリッポンとの大きな違いがウェスト部分。深くえぐり込まれたアーチは誂え靴ならではの造形。ソールの厚さはクォーター(1/4inch)、これ以上薄いと地面の凹凸がダイレクトに響くし、厚過ぎると返りが悪くなる。つま先にメタルトゥチップを埋め込む限界でもある。

4.コードバン靴の人気度

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コードバンの需要は既成靴業界でも盛んなようでクロケットやトリッカーズ、エドワードグリーンにチャーチズ…どこも需要は旺盛。ところが革の供給が追い付かないそうで、今回の靴に使用したホーウィンのコードバン革も入手が難しく、英国産のコードバン革まで出回り始めたと聞く。

5.ソール

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以前も書いたがクレバリーではカントリー靴以外はベヴェルドウェイストがスタンダード。そのおかげで本来はカジュアルなローファーがエレガントなスリッポンに早変わりする。この靴も見た目は既成靴、しかしアーチ部分の造形を見ると、スペシャルだということが直ぐに分かる。

6.カーフとコードバンの価格差

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クレバリーでは通常のカーフとコードバンで比較するとオーダー時の価格差はだいたい200£程度だったと思う。日本円にして36,000円くらいだろうか(1£=180円として計算)。既成靴でもカーフとの価格差はだいたい2~3万なので注文靴の世界でも価格設定は妥当なようだ。

7.仕様違い…

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実は今回、予定よりも早い納品だったが、前回ボウ(リボン)タッセルをリクエストしていたのにボウのない形での納品となった。せっかくなのでティーム氏にボウを付けてとお願いしたら、9月に再納品ということになった。せっかくの素晴らしい靴も秋までお預けになる。

8.ロールドステッチ

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日本では摘みモカと呼ばれるロールドステッチ。明茶のアッパーに生成りのスレッド(糸)がアクセントのシューフロントは靴の見せ場だけに、正確なステッチが求められる。流石はクレバリーのアウトワーカー、以前のローファーやスリッポン同様、腕利きの職人が手掛けているようだ。

9.靴のアウトサイド

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アンソニークレバリートゥと同様ラウンドながらも厚みを抑えたシャロウ(=shallow)なつま先が美しい。20年前にオーダーした頃のクレバリーはもっと小さく短い靴が多かった。紳士靴でも「靴を小さく作る=足を小さく見せる」事がエレガントだったと聞く。今はそんなことはないのだろうが。

10.タッセルとブレイズ

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タッセルやブレイズ(編み込み状の細紐)も全てアッパーと同じコードバン素材。一方で靴の履き口部分は茶の表革で丁寧に縁どりされている。そのコントラストは何やら上質のルームシューズのようだ。この辺りは大雑把な作りが味にもなっているオールデンにはないもの。

11.スリッポンを履く人物

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1日中靴を履いたままの国では「プレイボーイはいざというとき直ぐにベッドから逃げられるようスリッポンしか履かない。」というジョークがあるそうだ。そうなると自分や中高年の多くはスリッポン(ギョーザ靴?)を愛するプレイボーイということになる…。

国内の誂え靴屋が真に日本人に合った靴を作るならば、これだけ脱ぎ履きの機会が多いお国柄、スリッポンタイプの靴作りに長けていてもよいはず。とjころが実際はスリッポンタイプのサンプルが少ないあるいはない工房や、ローファーの注文を受け付けない工房もあると聞く。

では海外の靴屋はというと、やはり、スリッポン作りの上手いところと、そうでないところがあると思う。昔は紐靴しか履かないと思っていたのに年を取ってスリッポンばかり履くという身勝手さがそう思わせているのだろう。だが誂え靴にはその身勝手さや我儘を聞いて貰える存在でいてほしい。

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誂え靴(Bespoke shoes)」カテゴリの記事

コメント

休日の朝いちばんに素敵な靴を拝見したら、お洒落意欲がふつふつと湧いてきました(笑)今週末は何を着ようかな・・・と考えながら書かせて頂いています!

やはりコードバンのタッセルスリッポンもクレバリーが作ると全然違った雰囲気になるものですね。ラウンドトゥの美しさと、横から見た際のつま先へ向けてスッと落ちていくラインの同居が素敵です♪コードバンは革の厚みがあるので、摘み縫いをしても革が綺麗にロールしにくいのでは、と思っておりましたが、こちらの靴はふっくらと綺麗に摘めていますね。きっと、優秀なクローザーが腕によりをかけて縫い上げたのでしょう!

僕も紐靴を何足かオーダーしたら次はローファーを、と考えておりますが、どんなデザインにするか考えるだけでも楽しいものです。

シロさん

土曜日早朝、一番乗りのコメントを有難うございます。

仰るとおりコードバン靴をビスポークで作ると市販の物とは全く別物のような雰囲気で仕上がってきます。やはり人の手で作ったものは機械を凌駕するのかなと思いました。

シロさんもご自身のブログで書かれていましたがアーチラインからはオーラが出るほどです。私もシロさん所有のo.eのブーツを見るとベヴェルドウェイストのブーツも格好良くていいなぁと思いました。あれこそ人の手が作る造形美ですね。

続く第2段としてマーキスでオーダーされたということで、今は完成までワクワクの日々かと思います。近い将来シロさんがどのようなカジュアル(ローファーの意)をオーダーされるのか私も楽しみに待たせて頂きます(笑)

今週末はジムに行って汗を流し、後はデニムスタイルで過ごそうと思います。

管理人様


素敵な色ですね。
ロールアップしたホワイトデニムとリネンシャツに合わせると、さぞや格好いいだろうなと思いました。

(長らく頼まれてこられたスクェアトゥからの)スマートラウンドでのオーダーとなると、初めてのラストでオーダーするような感覚だったのでしょうか?

やまだ様

日曜の午後、ゆったりとした一時にコメントを頂き有難う御座います。

基本は恐らく今まで頼んでいたスクェア等のラストなのだと思いますが、スクェアからラウンドにするのは鉛筆の芯を削るのと同じで最初はラストが短く寸詰まりになって、足の先もタイトでした。

今回も仮縫い時まではそうだったのですが、その後全長を延ばすことで解決したのだと思います。前々作がラウンドでその後いったんスクェアに戻ってからのラウンドですから職人さんもさぞかし大変だったのだろうと思います。

やまだ様のお言葉にヒントを得てホワイトデニムを新調しようかと思いつきました!!

管理人様


なるほど。ラストも何度も削り直された結果、このような素晴らしい靴が完成したようで。(木型だと、後から肉盛りとか出来ませんもんね)

私の気まぐれなコメントに反応くださり、恐縮です。
洒落たスリッポンを見ると、『太陽がいっぱい』のアラン・ドロンみたいな格好が素敵だろうな、と勝手に思ってしまいました。

やまだ様

ラストに肉付けするのはできるようですが、いずれにしても削る作業は必要、そこでどのように美しい木型に仕上げていくかが職人の腕の見せ所ということになるのでしょうか…

太陽がいっぱいのキャプチャー写真を見ましたが、確かにホワイトリネンぽいシャツやシャーベットオレンジのやはりこれもリネンシャツ?、そしてバティック模様のシャツなど夏らしく袖を捲ったシャツ姿が素敵でした。

そこにコードバンのタッセルを加えたらと思うと何だかワクワクしてきます。早く秋にならないかなぁという思いが募ります。

お久しぶりです。正直申しまして、タイトルを忘れておりました!色がコードヴァンらしくなくて。私もイーストコーストコレクションのコードヴァンタッセルを持ってる事を(笑)

浦野様

週初めのコメントをありがとうございます。

リーガルのコードバンタッセル、良さそうですね‼︎
最近息子の通学靴のことでリーガルを扱う靴屋に行く用事があるせいか、自分が好きなリーガル上級モデルもすかさずチェックしています。イーストコーストコレクションやブリティッシュコレクションが復刻しないか!なんて(笑)

後は以前も書いたかもしれませんが、信州のコテージ近くに国産の靴メイカーの工場がありまして、年に何回か工場直売セールが行われるのです。生憎その時に当たったことはないのですが、我が青春のブランド、リーガルでもそんなイベントがあったら…これは流石に虫が良いでしょうか(汗)

御返信ありがとうございます。以前書き込みしました、岩田屋5階靴コーナーにてゴールデンウィーク期間限定での、セットランドフォックス受注会に一度も屋外で履いていない、セットランドフォックスのソール、ヒールを装着したアランフラッサーブランドのマット仕様のクロコのUtipを会場にお使いになったらいかがでしょうか?とコレクションで登載されました例の日立建機のテエラや諌早市のタウン誌、フェイスのコピーとソール、ヒールを撮影して担当に発送しましたら連絡ありました。女性の担当者からこのように素晴らしい靴をお貸しいただけるのは本当に嬉しいです。が、期間中責任が持てないのでお断りいたします。と想定内の返事でした。ちょうど、タップス。(リーガルコーポレイションの子会社)の御方も来ていらっしゃったらしくたいへんに喜んでいたとのお話でした。以前お話しました。リーガルシューズ長崎店のオープン前に飲み交わした教育担当のOさんとのツーショットを見て嬉しかったとも言って下さいました!連休には是非とも御来場下さいとお誘い下さいました!

浦野様

浦野様の交友関係の広さ、深さは流石だなぁと思います。

マットクロコのアランフラッサーネームUチップとなりますとラルフネーム以上に製作足数が少ないので、希少価値は高く、展示する側も心配されたのでしょうか。

お店のご担当が「連休にぜひお立ち寄り下さい」とのことですので、もしも浦野様が行かれました時にはその時の様子などをお教えくださいますと嬉しいです。また、別の機会になるかとは思いますが、リーガルの重鎮の方々にお会いする機会がありましたら「シェットランドフォックスネームでクロコダイルの靴(ラルフやアランフラッサー別注のような…)を出してくれたら。」と30年来のリーガルファンが言っていたとお伝えいただけると浦野様のお力で叶うかもしれません。(笑)

今回も虫のいい話で申し訳ありませんでした。あの時代に戻ってアランフラッサーやラルフ別注のゴージャスな靴をまとめ買いしたくなります。


管理人様へ、もったいないような御返信ありがとうございます!何回も書き込みしましたコロンブスの銘シューシャインナーのY様にお話ししましたら、是非とも行って下さいませと言われました。電話でお話ししましたタップスの御方も、タップス西日本の御方もY様はご存知だと言われました。連休の何日になるかわかりませんが、荷物になるのは重々承知でうがマット仕様のフラッサーブランドのダービーモカ。失礼Utip持って行きます!そして管理人様のリクエスト必ず先方にお伝えします!

浦野様

こちらこそ私の我儘にも拘らず、願いを聞いて下さり有難う御座います。いやー、あの頃のリーガル靴がもし復刻したら本当に嬉しいです。

楽しいひと時の様子、首を長くしつつお待ちいたします…(o^-^o)

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