« A treasure hunting(宝探し:その1) | トップページ | Recent shoes (最近履いた靴) »

2014年12月20日 (土)

American Shoes(アメリカの靴)

もっともアメリカらしい靴と言ったら何を挙げるだろうか。個人的にはウェスタンブーツと並んでペニーローファーを挙げたい。昔、国産のローファーを履いていた学生時代、外国帰りの親戚から貰ったアメリカの小銭を挟んでコインローファーを気取っていたことを思い出す。尤もその小銭が1ペニー(=1¢)だったかは定かではない。

受け売りでコインローファーだと自慢していた靴は本国ではペニーローファーと呼ばれていることを後で知ったが、昔のアイビー小僧時代から今までいつも傍にいた靴だけに思い入れは特別だ。最近ふとしたことで手持ちのペニーローファーに色違いが加わった。そこで今回は到着したばかりの靴を新旧並べて紹介してみたいと思う。

1.色違いの兄弟

01

ペニーローファーもブレイク製法とウェルト製法の2種類あるが、トラッド派は「修理が効いて長く履ける靴こそ紳士が履くべき靴」と教わっているので、ウェルトにステッチの入ったグッドイヤー製法が基本。勿論ペニーローファーの名のとおりペニー硬貨を入れるスリットが開いているのもお約束。

もう少し詳しく兄弟靴を見てみたい…

2.ブラックコードバンのローファー

02

到着したのはオールデンのローファー。一枚革のタンを見れば直ぐにアンラインドだと分かる靴好きも多いだろう。そんな達人ならばスマートな形状のつま先がブルックスのオリジナルペニーと違うことも、肉厚のブラックコードバンのもっちり感が只者じゃないことも直ぐに感じ取ることと思う。

3.UA別注揃い踏み

03

届いたペニーローファーはUA別注のアンラインドペニー(左)。肉厚のコードバン素材を使った限定生産品ということでシリアルナンバーが入るものだ。今回のものがラコタ取扱い20周年記念(つまり弟)で右が15周年記念(兄になる)。どちらも定番のヴァンラストではなくUA別注のトムラストを用いたところが肝。

4.シリアルナンバー

04

20周年記念(左)を見ると限定100足中の62足目と分かるが、15周年記念(右)のインソックには200足中の148足目と記されている。何とわずか5年の間に用意できるアンラインドペニー用の馬尻革が200枚から100枚に減っているではないか。良質のコードバン革が品薄状態というのはどうやら噂ではなさそうだ。

5.ソールの形状

05

英国のビスポークシューメイカーでは黒の紐靴を注文するとソールを黒く塗ってから納品するが、オールデンはローファーであっても黒靴はブラックソールが基本。絞られたウェストと内に振られたつま先のラインはモディファイドラストに近い。このトムラスト、何でもオールデンの中で一番小さい木型とのことだ。

6.靴のインサイド&アウトサイド

06

靴が我が家に届いたきっかけはオークション。別の靴を探したついでに入札しておいたところ、見事落札できたという訳だ。国内で買うより(在庫があればだが)も、ブルックスの本国サイトから個人輸入するよりも安かったのでお得感は高い。インサイドの踵に出来た皺は試し履きの時のものだろう。

7.ホーウィン社のスタンプ

07_2

アンラインドローファーにはつきもののホーウィン社のスタンプ。パーツのとり方によってはないこともあるが、大抵は右足の外側に来る。15周年と20周年の間にはわずか5年の開きしかないのに刻印が変わるなど、コードバン素材をめぐる状況が年々思わしくない方向に向かっている様子が伺える。

8.アンラインドローファー用の革

08a_2

左から15周年記念、20周年記念、現行ブルックスのアンラインドペニー。タン部分が年々薄くなっているのが分かると思う。この調子でいけば現行品もやがて廃番ということになりかねない。ただ、ブルックスの本国サイトではプレーントゥがずっと在庫切れなのにアンラインドペニーは定期的に入荷があるようだ。それだけ人気が高いのだろう。

9.ブラックとバーガンディの印象

09_4

ブラックの方が締まって見えるのか、ヴァンプ部分からタンまでの長さは黒靴の方が短く感じる。ひょっとして広くて大きいコードヴァンの原皮が取れにくくなっているのか!と勘ぐってしまう。それにしても古顔のバーガンディ・ペニーは最近の染料たっぷりオールデンとは違い、自然な革の色合いが実にいい。

10.アーガイルソックスと合わせて

11b

黒のローファーと言えばパリジャン?昔雑誌で見たのは黒のローファーにブルージーンズとアーガイルソックスのトリオだった。冬の必需品ウール混のアーガイルソックスを合わせてみたが確かに良く合う。イタリー製(左)とイギリス製(右)と微妙に違うが、どちらもブルックス・ブラザーズのソックス。

11.ソックスとレジメンタルタイ

Shoe_3

こちらは軽やかなソックスとの組み合わせ。いつもグレーのパンツ&ソックスでは足下が重いので、春先になったらぜひ履きたいのがパステル調の靴下。ロゴから分かるポールスチュアートのクルーソックスにアメトラの大御所ラルフローレンのレジメンを合わせれば昔のアイビー小僧時代に気分だけでも戻れる気がする。

ブルックスのUSサイトでは650㌦のアンラインド・ペニー、既に日本での販路はなく、類稀な履き心地と独特の皺を楽しめないのは靴好きにとって実に残念。UAやビームス、シップスなど国内のセレクトショップが皆別注をかけるほどのフィット感だ。下手をすると連日履いてしまいそうな誘惑に駆られることさえある。

今、交互に履いている2足のローファーの後継用に待機している15周年記念モデルに20周年記念モデルまで加わったことでバックアップ体制は万全。アメトラルックの靴で困ることは生涯なさそうだ。願わくば今回のような肉厚のコードバン革を使った靴がブルックスからオリジナルで復刻し、日本で販売されたら良いのだが…。

« A treasure hunting(宝探し:その1) | トップページ | Recent shoes (最近履いた靴) »

靴(Readymade shoes)」カテゴリの記事

コメント

こんな貴重な靴が未使用の状態で手に入ったとの事、とても驚きました!ちょっとオーバーですが、靴を深く理解し愛する管理人様にこそ訪れる幸運なのでしょうね笑。

偶然、今日は同じブラックコードバンのフルブローグ(BB Name)を履いておりますが、やはりブラックにはバーガンディーとは違った良さがあると実感しております。良質な石炭のような、ヌメっと底光りする黒は、他の素材では出せない雰囲気です。

ローファーを履くには少し寒い季節になってしまったので、今度は春が待ち遠しいですね!笑

以前お話ししました。今日は父の27回忌です。時間があるので開いて見ましたら素敵なコードヴァンのローファー素敵ですね!!幅広いローファーの中でもやはりオールデンのローファーは別格ですね!!今日のいでたちはお話ししましたように、Jプレスのネイビーのストライプの、①型のスーツにブリコレのストレートチップです。

シロさん

黒のコードバンフルブローグを履かれていたとのこと。ブルックスのものはいつか欲しいと思い続けて20数年たってしまいました。いよいよ生産中止かも知れないと思うと(確証はありませんが)少々心残りでして(笑)

こうやって物欲は徐々になくなっていくのでしょうか?

それにしても良質のコードバンの革の良さは本当に特筆ものでまとまった数を作るためにホーウィン社では良質の革を少しずつストックしてまとまった枚数確保してから別注品を作るのではないかと思っています。

ということは今でもまれに良質の革で作った大当たりのオールデンが市場に出回っているということになります。ひょっとしてシロさんのアンラインドローファ尾はその1足だった可能性もありますね。

浦野様

本日はお父上の27回忌法要とのこと。無事終わられたこととと思います。

いつもより控え間な中にもお洒落な浦野様らしく、チョークストライプのⅠ型スーツにブリティッシュコレクションの紐靴を合わせられている様子を思わず想像してしまいました。

この後は忘年会シーズンに突入、それが終わりますと信州で骨休めして、大晦日には帰京、おせちを用意して紅白を見つつ年越しそばを食べ、朝は初日を近所で迎え一年をスタートさせたいと思っています。

cobbler様

こんばんは。とうとうブラックのアンラインドローファーを手に入れられたのですね。それも現行BBより肉厚!そしてこう見ると、やはりバーガンディも欲しくなってしまいます。これは以前も仰っていましたが、宿命のようなものですね(笑)

オレンジのアーガイルソックスを合わせるのが非常に参考になりました。ぼくもシロさんのように冬にローファーは寒いかなとと思っていましたが、これは見た目が暖かで上着とのボリュームバランスを上手に取れれば冬もいいなと想像しました。実はそのバランスが難しくて、まったく思い浮かばないのですが(笑)
黒のローファーでの冬のスタイルを考えようと触発されました。


本当にBrooksBrothers肉厚アンラインドペニーの復活を願ってやみません。

cobbler様のブログを読むたびに物欲と願いが増してしまいます。最近は服飾への欲がシャープにブレが無くなったように自覚するようになりました。

こんばんは。
最近のスタイリッシュなローファーも素敵ですが、このようなローファー本来の愛くるしさが味わえるローファーもやっぱり素敵ですね。
6枚目の写真を見たところ、上の画像の靴はU部分と踝のラインに一つ段差が付いておりますね。
より立体的に見えますし、手が込んでいると勝手に予測。
(ウエストンもこの仕様だったはず、確かフィット感が高くなるとかなんとか)

コードバン減少の危機、これは服装業界全体の問題ですね。
環境破壊による原料の質の低下や、大量生産構造社会による品質重視のメーカーの淘汰、この2つが原因ですが、
何とかしたいものですね。


こんばんは、さすがのコレクションです。コードバンがいい雰囲気を出しています。これからエイジングですね。BB向けは確かにヴァンプ部が短いですね。5年で時の流れを感じます。素材の肉厚、品質の小さな違いをよく観察なさっています。
参考までに私のALDEN ペニーローファーを載せておきます。ソールは確かに黒色でした。型崩れ、キスはお許しを(笑えます)、30年近く前、銀座の某店で購入です。当時50,000円ほどで購入と記憶しています。
https://twitter.com/tonyangel33/status/546594305477853184/photo/1

decoy様

ご多用の中コメントを頂き有難う御座います。

私が年末にパリを訪れた時、私が見たパリの男性は冬でもローファーを履いていました。茶あり黒あり。下はデニムが多く上はニットにハーフコート(多分古着)だったり、首に下げた巻き物が大判の暖かそうなものであったりと恰好良かったのを覚えています。

そのことが頭の中にあって今回この靴をオークションで落とすきっかけになったという訳でして(汗)これでアンラインドローファーをブルックスのサイトでチェックする必要はなくなったのですが、きっと今までの癖で時々ブルックスのサイトを覗いてしまうだろうと予想しています(苦笑)

フランスはアンチイギリス。ということはパリはアンチロンドン。ロンドンが正統派の紐靴ならば自由の象徴ペニーローファーを履くのでは?と勝手に想像しています。そう言えば自由の女神をアメリカに寄贈したのはフランスでしたし…。アメリカとフランスの関係も英国を絡めると面白そうです。

カメリア様

6の写真を見て私も気が付きましたが確かにウェストン同様U字モカのラインから一段上に履き縁のラインがあってそれをサドルが覆っているようです。

これがアンラインドの履き心地を良くするコツかと思ったら、ライニングのあるタイプも同じで、オールデンの作りもウェストンとモカ縫いの処方が違いこそすれ、同じ哲学に基づいているのかもしれません。というより、ローファーはアメリカが期限ですからウェストンがオールデンやその他のアメリカ靴メイカーのローファーを参考にしたのかもしれませんね。!!

カメリア様の仰るように大量消費と環境破壊により品質重視のメイカーが淘汰されるとなると、良質の革を持ち、丁寧に靴を作るビスポークに足元のお洒落に拘る人が行き着くのは当然かもしえませんが、今度はビスポーク産業そのものに大量の客が流れ込んで淘汰されてしまいかねないか少し心配ではあります。

Tony様

週末のお忙しい中コメントを頂き有難う御座います。

写真を拝見しました。驚いたのはオールデンが摘みモカではなくウェストンのような合わせモカ縫いでローファーを作り上げているのと、ウェルトのウィールによる目付けが綺麗に揃っているあたりで、今のものとはさすがに一味も二味も雰囲気が違います。

このような逸品を今も現役で履かれているTony様、流石です。ソックスは靴の色に合わせるという着こなしの基本をさりげなく実践されているのもTony様ならでは良いものを見させて頂きました。

ご返信ありがとうございます。昼間の法要では日本酒、四合飲みましてそれが残っていたのか夜の会社の忘年会で飲んだ酒が多いのかかなりきけました。法要の挨拶の中で弟がおかげさまで、会社の業績も伸ばしてまして来年で会社、浦野建設も創業50年、亡き父よりも社長在任が長くなってしまいました!そしてこの度、特定建設業にバージョンアップ出来ましたと嬉しい報告を親戚一同に披露出来ました

浦野様

浦野建設が特定建設業に認可されたとのお知らせ、誠におめでとうございます。

特定建設業に認可されるには、一般建設業における誠実性に加え、資本や資産等より安定性のあるいわば土台がしっかりした建設業であることが求められるようですので、それも長年培ってきた信頼性に実績、何より業界での評判等があってのことかと思います。

足元をしっかり固めてこそ会社の安定は保たれるもの、浦野様が足元を支える靴に拘りがあるのは至極当然なことと今更ながら感じました。法要で親戚一同に嬉しい知らせを披露することが出来てお父様もさぞお喜びになったかと思います。

今年もあとわずか、浦野様を見習って足元を固める意味でも、明日は何を履いて行こうか考えながら寝ることにします。

10番の写真見てますとおっしゃる通りすごくシェイプに見えますね!一見私のRLのフルサドルローファーみたいです。コバの張り出しも少なく、まるで、プロセスはマッケィみたいですね!それと管理人様がおそらくノギスにいぇ計測されました各、ローファーのヴァンプ部の革の厚み、当社にもありますデジタル表示のノギス。表示を切り替えれば、ブランド、素材、生産国など表示されるかも?タンナーはと入力すれば、これしかないだろう、ホーウイン社だろう、と(笑)

浦野様

アメリカのペニーローファーは実際バスやアレンエドモンズ、オールデンでもケープゴッドシリーズのものなどマッケイ製法のものもあるのですが、オールデンのコードバンはアレンエドモンズ同様グッドイヤーに拘って作られていいます。

タンの厚みを測る時確かにノギスがあれば、しかも電子式の最新のものが…なんて思いました(笑)製造元がホーウィンと出てきたらびっくりしそうですけれど(笑笑)

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« A treasure hunting(宝探し:その1) | トップページ | Recent shoes (最近履いた靴) »