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2014年8月 9日 (土)

Grain Leather shoe(揉み革の靴)

毎年お盆の時期は会社も夏休みということで都内は閑散としてくる。帰省を少しずらして東京に残れば、普段と違う都会を味わえるのも結構楽しいものだ。何しろ人が少なくて道も空いているのが嬉しい。もっともお盆が明けて人が戻ってくると、それまで静かだった分余計に混雑や暑さを感じるのだが。

連日の暑さでピンとこないが既に立秋が過ぎ、暦の上では秋を迎えている。日頃履き慣れたローファーもやがて紐靴がメインになるだろう。ならばこの秋の足元はどうしたものか…とネットで調べていたら気になる紐靴を見つけてしまった。そこで今回は届いたばかりのクールな1足を紹介しようと思う。

1.グレインレザー・シューズ

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取り寄せた靴はグレインレザーのカントリータイプ。ダブルソールにストームウェルトとハードなイメージがある。このところゴツい靴に惹かれているのでスペックは申し分なし。色もブラックのようで実はネイビー、踵のループやトゥデザインなどデザイナーズシューズのような「ひねり」が入っている。

さて気になる靴の正体とは…

2.ラウンドトゥ・ブルッチャー

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予想通り…だったかもしれないが、今回の靴はブラックフリースのラウンドトゥ・ブルッチャー。この場合ラウンドトゥとの意味は丸いつま先のことではなく、切り返しがWのウィングではなく三日月のように曲がっていることから付いたのだろう。たまたまラストペアがマイサイズということで購入。

3.ネイビーの紐靴

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ネイビーの靴は以前ウェストンの180ローファーを履いていたが、人手に渡り今はデッキシューズのみ。初ネイビーの紐靴ということになる。日光が差し込む窓際で撮影するとかなり青みが強い。どちらかというと黒に近い方が好みなので黒のポリッシュで色付けしようと考えている。

4.靴の全景(その1)

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今回の靴の一番の特徴がラウンドしたパーフォレーションだろう。撮影後つま先にプレートを付けようと新宿の靴修理屋に持ち込んだ時も、受付の人が珍しいデザインに興味をもったくらいだ。同じブルックスブラザーズとはいえ、トムブラウン率いるブラックフリースらしい、少し尖った格好良さがある。

5.靴の全景(その2)

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「デザイナーブランドの靴を買ってはいけない」と言う服飾評論家のことを思い出した。…がそんなことはないのでは?と思う。アメトラらしいロングウィングチップのウィングにネイビーのグレインレザーを使い、つま先から踵までデザインを加えた靴は、メイカーからは決して出てこない気がする。

6.チャネルソール

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ソールはチャネルソール。ブラックフリースの刻印が入るが製造は英国、ノーザンプトンで作られたものだ。ダヴテールと釘留めの化粧ヒールやソールの色合いから直ぐにクロケット&ジョーンズだと分かるだろう。ファクトリーをオールデンからクロケットに替えたと聞くが、仕上げはとても良い。

7.インサイド&アウトサイド

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ラルフがランウェイなどで見せる短めのパンツに素足(風)でソールの厚い紐靴を履くのが目下お気に入りのスタイル。これでラルフネームのクロケット製コードヴァン靴(ギリーフルブローグ)と合わせて「ダブルソールにストームウェルト」の紐靴が3足も増えたことになる。ローファーばかり履いていた反動が出てるようだ。

8.ヒールタブ

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トムブラウンの拘りであるループ。トム自身のブランドではトリコロールのループがシグネチャーだが、ブラックフリースでは控えめな黒革のループというわけだ。踝まで見えるくらいパンツを裾上げしてループや出し縫いの走るダブルウェルトのソールを「全部見せ」すると様になる。

9.靴の全景(その3)

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カーブした外羽根やつま先の丸い切り返し、幅広のラウンドトゥなど全体的に緩やかな曲線で囲まれている。トムブラウンは靴だけでなくウォレットやキーホルダーなど様々なアイテムにグレインレザーを好んで用いているが、最近は他のメイカーでも使い始めるなどちょっとした注目を集めているようだ。

10.サイズとフィット感

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サイズはお約束のハーフサイズ上げ。日頃8E~8.5Eを履くので今回の靴サイズに関しても8E・UK=8.5・US=9D・USということで9Dを取り寄せた。到着後直ぐに試し履きすると幅広のラストを使用していることもあってフィッティングはすこぶる快適。素足でも履けそうなほどだ。

11.トゥデザイン

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靴の顔とも言うべきつま先の切り返し。古い靴で見られたデザインのようだが正式な名称は分からない。ロンドンンのフォスター&サンでは「クレセントブローグ」と呼んでいるそうで、確かに三日月にも見える。パーフォレーションは昔のロイドフットウェアJシリーズでお馴染みのデザイン。

12.9Dの靴を比べてみる

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同じサイズ9‐Dの靴を並べてみた。左のブラックフリースはラスト325のD、右のRLマーロゥも調べたところ同じラスト325のDだそうだ。つまりどちらも全く同じラストで作られていることになる。確かに靴のシェイプは似てなくもないが、デザインが違うので別物にも見える。そこが靴の不思議なところだ。

最近コードバンローファーに始まってコンビローファーからギリーコードバン、そして今回のブラックフリースに至るまでクロケットばかり4足も増えてしまった。以前はビスポーク靴が揃えば既成靴を買うこともなくなるだろうと思っていたし、実際既成靴は20足程度を暫く維持していたはずなのだが…。

別にクロケット&ジョーンズが急に好きになったという訳ではないが、「おおっ!この靴は良く出来ているな~」と思うものは大抵クロケットが作っている。前からノーザンプトンで一番器用な靴メイカーはクロケットだと思っていたが、最近はその力量に一層拍車がかかってきた様な気がする。

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靴(Readymade shoes)」カテゴリの記事

コメント

おはようございます!
今回も素敵な靴を手に入れられましたね!踵にループの付いた靴を、短い裾のパンツに合わせるコーディネートはThom Browneの定番、ずっと憧れています。お店の方がグレインレザーのウィングチップを履いているのを見て「格好良いなぁ~」と思いながらも、指を咥えているだけの日々です(笑)彼らはきちんと磨いて履くのではなく、擦れたり傷ついたまま履いているのですが、それも計算した上でそうしているように思えてしまいます。こういった靴にはその姿の方が格好良く見えるのです。(個人的な感想になってしまいますが)
僕の方は一歩遅れてローファーがマイブームでして、セールプライスに煽られて、またローファーを手にしてしまいました。既成靴には既成靴の魅力があるので、なかなか止められません(苦笑)

管理人様

踵のループで判ってしまいました(笑)
アメリカの古いカタログ等では「U-wingTip」と呼ばれているデザインですが、最近の靴では殆ど見かけませんね。
切り替えの位置やカーブが絶妙でバランスがとてもいいですね。
ローファーの履き心地もいいですが、馴染んだダブルソールの履き心地には敵いません。
クロケット製なら馴染みも早そうですね。

やはりトム・ブラウンでしたね~たしかトム・ブラウンネームではトリッカーズで作ってたかと思いますので、ブラックフリースの方が物が良いのかもしれませんね?(笑 ブラックフリースの靴ってオールデン製だったのですか~それはそれで興味有りますねぇ~

最近紐の色を変えている人たちがイギリスでも多いのですが、アメリカでも結構浸透してきているようで、アレン・エドモンズでも5色セットの靴紐が売っててちょっとびっくりしました。 この紺のダービーも赤のレース等を使うと見慣れない紺がなんとなくレースに目が行って良いかもしれませんね?

お久しぶりです。台風の影響か風が吹いております!トゥが独特でカッコ良いですね。おっしゃるようにデザイナーブランドの靴を履いてはいけない!そんな事は絶対にありえません!ただ以前フラッサーが靴は黒とブラウン以外は履いてはいけない!と本に記載してた言葉を思い出しましたが?その割には自分の靴ブランドのフラッサークラブと言う靴で紺色の靴を発表してたのを思い出しました。管理人様最近ダブルソールの靴にどっぷりとはまってしまいましたね(笑)

シロさん

いつも土曜日の朝早く(NYでは金曜の夜遅くでしょうか?)コメントを頂き有難う御座います。

確かに写真を見ているとトムブラウンもショップの店員もラルフの店員も皆裾を短くして(チノパンだとロールで加減できるのでウールのトラウザーズよりやりやすいです!)多少くたびれた感のあるダブルソールの靴を履いてくるぶしを見せています。

私もあまり磨き過ぎず、履き込んだ感じに仕上げて行きたいと思います(笑)

シロさんローファーの反動といっても、まだ毎日ほとんどローファーですし、クレバリーに注文している靴もローファーばかり2足です。きっとセールで安い時ならば紐靴でも買おうかなという心理があるのだと思います。

PS:ラルフ別注のG&G中々格好いいですね~。

PMT様

早速のコメントを有難う御座います。

古いデザインだとは知っていましたがU-WingTipという名が付いていたのですね。昔のアーカイブから他のブランドでにはない素材やデザイン、シルエットを見つけてアレンジするのがトムブラウンは上手いなぁと思います。

ローファーの快適さは春から秋まで、ダブルソールの安心感は夏を除く季節といった感じですがこれからせっせとダブルソールの靴を履くようにしたいなと思っているところです。

住職様

そうなんです。私も知らなかったのですがブラックフリースの初期の靴はオールデン製だったそうです。今はトムブラウンオリジナルがトリッカーズで、ブラックフリースがクロケットと使い分けているのでしょうか。

靴紐の件ですが、実は私もどこかで見かけました。赤とか黄色とかカラフルな靴紐が売っていて、差し色に良いかもしれないなぁ何て思っていたのですが、NYでは5色セットで売っているのですね。早速私も調べて、一つ買ってみようと思います。良きアドバイスを有難うございました!

浦野様

私もアランフラッサーが黒と茶色以外の靴は履いてはいけないと言っていたことを思い出しました。確かに自分自身、基本的にはその2色を所有しているのですが、今回のように青も悪くないですし、オレンジ色に近い茶色や黄色に近いアルディラも大好きです。

ダブルソールに嵌っている件、見抜かれましたか(笑)そうなんです浦野様、軽快な靴を履いていると反対のものつまり重量感があってどっしりとした重機のような靴が履きたくなるものでして…。でもローファーも好きですのでその時々で着こなしに合わせて靴を楽しみながら履けたらと思っています。

お尋ねします?325の数字はクロケットのラストナンバーでしょうか?

浦野様

そのとおりです。325はクロケットのラストナンバーです。

日本展開品及び本国サイト(ボディレイズやペディウェアなど)では通常Eウィズですが、ブラックフリースやラルフではDウィズで展開しているようです。Dウィズの方が格好いいことは間違いないと思います。

台風も過ぎて気温も下がり、少しは過ごしやすくなりました。思って通りやはりラストナンバーでしたか。もう一つ質問ですがワイズが異なればラストナンバーもまた違うのでしょうか?それにしてもDワイズが入るなんて羨ましいですね!

浦野様

ファクトリーは一つのラストでウィズがC〜Eなど何段階か用意しているようです。例えばチャーチズなどはラスト73でB〜Gまで揃えしかも各ウィズでサイズが5〜11くらいまで作っていたような記憶があります。

クロケットも人気のあるラストはアメリカ市場向けにDウィズのラストを用意しているのではないかと思います。私はちっとも足がスマートではないのですが、ハーフサイズ上げてウィズを一段階細身に(大抵はE→D)にするとフィットすることが多いです。

 おはようございます。
NO.6まで来て、「おおつ」と感じました。滑りやすいC&J製の独特のソールを拝見し、なるほどと思いました。最近BBやRLのファクトリーはC&J製が多いようですね。しかし、AEのアメリカンなスタイルも多く、選択肢が広がっている様子が伺えます。日本での展開を望むところですが、もう、、、、買いません。
このタイプのグレインレザー、オックスフォードスタイルは大好きです。

あっ、それから、私も古いですがC&J製BBの一文字シューズを持っております。ソールには390と刻印がありますが、何のことやらさっぱり分かりません。

Tony様

コメントを有難う御座います。

おっしゃる通りクロケットのレザーソールは本当に滑りやすくて何度か転んだこともありました(汗)最近は以前ほど滑らないのですが、ひょっとして化粧ヒールの釘の打ち方を変えたのかな何て思いました。

AEの靴はブルックスの青山店でも見かけましたがオールデンとも、英国のクロケットとも違う個性があって、改めてファクトリーの個性を感じました。

ブルックスネームのクロケット製、昔のソールには番号が打たれていたのですね(驚)刻印されていた番号390ですが、三桁の数字というと考えられるのはやはりラストナンバーではないかと思うのですが…。

管理人さん、勘弁してくださいよ~管理人さんに触発されて既製品のジャケット、買っちゃいました。それもプロパーで。でも38Sでドンピシャ。お気に入りになりました。しかし袖丈本開きにするとボタン一個12ドルX8と税金なので、とりあえず持って帰って来ました。

ゆっくり本店を見ると、ARTISANAL LINEというイタリアメイドのラインがあり、シャツの袖付けの飾りステッチがハンドなんて物もありました。なんだかイタリア製ターンブルみたいですね(笑 これで究極のBDシャツなんてあったらゴクリなんですが(爆

BFの靴も全部50%オフで、黒もありましたよ。あとウイングチップの明るめの茶がいい感じでした。これもグレインレザーでした。

住職様

やりましたね(笑)それも既製品のジャケットをプロパーでとなりますと当ブログの担当者の責任は重いですね〜。

誂え服の完成を待つ喜びも良いですが、気に入ったものをその場で試着して買うのも楽しいですよね。きっと38Sのジャケットがピタリとフィットした瞬間ビビッときたのではないでしょうか。住職様が「プロパーでも買おう!」ということですと、かなり手の入ったジャケットのようで詳細が気になります(^_^)

それにしましても客を買う気にさせる魅惑の店のようで、所謂セレクトショップなのでしょうか?BFの黒靴や茶のグレインレザーウィングチップまであるのでしたら私も直ぐにカードを出している気がします(汗)切羽はボタンホールが一つ12ドルですと、日本よりも高いかも知れませんが直ぐ着れるのがレディメイドの魅力。袖口を直されて颯爽と羽織る姿が思い浮かびます。

今年は数年越しで作ったカシミアのチェスターフィールドコートが出来上がるので受け取って、後はブーツの納品にロンドンに行く予定が有るくらいでしょうか。こう書くともう物は十分と思うのですが、ニッチ商品のように持っていないアイテムがあったら既製品を買ってしまいそうです。ロンドンは年末に行くのでセール前でありますように…。

管理人様、
一応持ち帰りましたが、BBに持ち帰って普通にお直ししてもらおうと思っています。本当は本開きにしたいですが 、日本でやってもかなり費用がかかりますし、コストパフォーマンスが悪くなるので(笑 いや~いらしたら2足程逝かれてしまいそうですよ~ 
BB,確かに色々なテイストの提案があり、気に入っています。ディスプレイなどを凝ればもっと素晴らしい表現ができると思いますが、着実に人気もアップしてるような気がします。 イギリスに居る時に感じた事ですが、ハケットなどでもかなりアメリカントラッド、プレッピーを意識した商品が多く、当分この傾向が続くと勝手に考えました。ですからBBを着ていれば流行は逃しませんね(爆 個人的にはレッドフリースのテイストはかなり好きです。あと子供服は男の子も女の子もいいですね。

ロンドンのセールは一月でしたっけ?結構安くなりますよね~

住職様

確かにレッドフリースは、プレッピー風でアップデートされたアメリカンカジュアルな雰囲気が気に入って時々買っています。コーディングスのように如何にもブリティッシュなものとレッドフリースやBBのようなプレッピースタイルというある意味両極なものが目下のお気に入りで、イタリアンなものはちょっとお休みといった感じです。

そうそう、当ブログのゲストの方がラルフで買われたG&Gのアンティベス別注モデルも中々いいですね〜。当然Dwithなのでしょうが細身のデニムをかなりロールアップして履くと格好良さそうです。残念ながらポロコムではラインナップしていないのですが…。

管理人様、
ブリティッシュとプレッピー、混ざっても違和感が無いのがいいでね。むしろジャケットだけイギリス仕立てなんてのもかなり東海岸スノッブな感じで好きです。 サビルローのメジャーなテイラーはNYへ行商に来ていますので・・・・・・

ラルフの別注モデルは大体Eウィズだと思います。オンラインだと出てきませんし、お店でもあまり沢山は出てません(涙 

住職様

東海岸風スノッブな着こなしいいですね~。確かにロンドンで仕立てたジャケットにアメリカンアイビーのアイテムを合わせるのも格好良さそうです。近いうちにジャケットを1着新調しようと思っています。

G&Gの靴はラルフであってもEウィズですか。てっきりDウィズかと思いました。きっとラストがスマートなのでDでなくとも格好良いのですね。

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