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2014年3月 1日 (土)

Shirt & Tie

20年以上前、ある雑誌にスーツと共布のネクタイを締めた紳士が載ったことがある。確かスーツを「オーダーする時の密かな愉しみ…」と紹介されていたが、中々魅力的だった。もっとも共布ペアの元祖、”ネクタイ&チーフセット”を引き合いに「無粋だ…」とする意見もあって、お洒落は難しいものだと改めて思ったものだった。

そもそもアンサンブル(=ペア)は女性的で紳士には合わないのだろうか?「色や柄を自在に操るのがお洒落、ペアにしてしまえば組み合わせの妙を放棄することになる。」という説は大いに頷ける。それなのに先日、共布ならぬ共柄のシャツとネクタイを買ってしまった。そこで今回は届いたペアをどうしたものか考えてみようと思う。

1.ブラックフリースの提案

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ペアで購入したシャツとネクタイ。ゴールデンタータンという名の柄らしい。どちらも単品として充分使えるが、合わせると相当なインパクトがある。ブルックスの販売戦略に乗せられた感がしないでもないが、興味が湧いたのは確か。ブルックスらしく、テクスチャを揃えているのは流石だ。

もう少し詳しく紹介したい…

2.コーディネイト

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暖色系のシャツとタイに合わせて選んだのはキャメルのツィード。上半身が全て柄物なので、下半身は無地のウールパンツを用意。ツィードジャケットの上にはコートを着ないと決めているので、代わりに大判のストールを合わせてみた。コートほどではないが、布を1枚巻くだけでぐっと暖かくなる。

3.Pop the collar(襟を立てる)

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ジャケットの上襟は裏側がセルフチップ(共布仕上げ)。襟を立てることも可能だ。普段コートやポロシャツの襟は立ててもジャケットはあまり立てない。せっかくなのでストールを挟んでPop(立てるの意)してみた。1960年代のヴィンテージストールはフランス製のダブルフェイス。肉厚な素材の良さが光る。

4.Vゾーン(そのⅠ)

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シャツとネクタイに加えてジャケットの格子が重なったトリプルチェック。しかも格子の大きさが近いこともあって本来ならばかなりビジー(騒がしい)はず。幸いジャケットの色が柔かいせいか思ったよりうるさくはない。それでも、流石に柄物のポケットチーフはしつこいのでグローブを挿してみた。

5.Vゾーン(そのⅡ)

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共柄のシャツとネクタイだが、よく見ると配色が微妙に違っている。青色はネクタイのみでシャツにはなく、シャツに走る白地のダブルラインもネクタイでは金色に変わっている。微妙な色の違いが両者を重ねた時に絶妙な立体感を生むのだろう。今まで経験のない組み合わせが新鮮に感じる。

6.Lポケットのパンツとブライドル(レザー)のベルト

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パンツはインコテックス。Lポケットのややカジュアルなシリーズだがサンプル品。ブライドルのベルトはハケット。2000年頃、英国を中心に発生した狂牛病で良質な牛革、中でもブライドルレザーが品薄になったが、このベルトはもっと前に購入したものだ。お蔭で重量感のある素晴らしいブライドルレザーを今も満喫できる。

7.ペッカリーグローブ

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ペッカリーグローブは冬の装いの必需品。デンツのカシミアライニング付もいいが、メローラのアンラインドもよく使う。小さな店ながら趣のあるローマのメローラで買ったグローブは冬のロンドンからパリ、ミラノと長年連れ添った。店がなくなり、長年の仕様で黒ずみ傷んでも、ポケットに挿したい相棒だ。

8.エクレクティック(その1)

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トラッドなアメリカ製のシャツ&タイにクラシコイタリアなジャケットを合わせる。エクレクティック(折衷主義)と言えばよいだろうか。組み合わせを楽しむのがお洒落の妙なので、敢えて挑戦してみた。幸い3パッチスタイルのジャケットはアイビー調なので、BDシャツやタータン柄のタイとの愛称は悪くない。

9.エクレクティック(その2)

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ジャケットはナポリのイザイア。ツィード生地をアンコン仕立てにするところが如何にもイタリアらしい。一方ブラックフリースのシャツ&タイは拘りのアメリカ製。昔ラルフローレンのジャケットにアルマーニのパンツを履いている服飾関係の紳士を雑誌で見かけたが、それから比べれば控えめな折衷主義だろう。

10.靴のコーディネイト(その1)

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左はシャツ&タイの赤地を拾って赤茶色のセミブローグを用意。一方右はジャケット&パンツの茶色を拾ってスェードのパンチドキャップトゥを選択。どちらの靴も合わせるソックスはクリームイエローかオレンジのウールソックス。それもカシミアの入った柔らかなものが合いそうだ。

11.靴のコーディネイト(その2)

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左はノルヴェジェーゼのステッチが存在感を高めるシルヴァノラッタンジ。足元にボリューム感の出るコバの張った靴はいつの時代もワードローブに欠かせない。右はパリジャンスェードのロブパリフィリップⅡ。スェード靴は薄茶・茶・焦げ茶と最低3足は用意しておきたい秋冬の定番だ。

このところ既成品を買うのが面白い。誂え靴や誂え服も良いが、気に入ったものを直ぐに手に入れ、試して、着倒す楽しみは既製品ならでは。誂え品では、かなり冒険しているつもりでも注文主の好みを超えることはないが、既製品はいとも簡単に自分の殻を打ち破ってくれる大胆さがある。

今回のシャツ&タイも以前ならば迷ったろう。だが既製品ならば気軽に冒険できる。誂えを知って初めて分かる既製品の良さと言ったらよいだろうか。今はペアのネクタイ&チーフセットでも、共柄のシャツ&タイでも意識せずに着ることが多い。約束の多いトラッドから入ったが、このところきまりを破りっぱなしだ。

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コメント

共柄のシャツ・ネクタイの組み合わせは考えた事もありませんでしたが、配色や素材感また柄の向きが異なるせいか、不思議と違和感がなく、仰る通り立体感のあるVゾーンになるのですね。勉強になります!
イザイアのジャケットは襟裏の生地を共布にしたり、また最近はペイズリー柄の布をあしらったり、襟を立てて着るという選択肢を提案してくれているようですね。(Saks Fifth Ave.のディスプレイも襟を立てた状態のマネキンが並んでいました)イタリア伊達男風の着こなし、僕も挑戦してみます!

管理人様

ネクタイをしてもカジュアルな雰囲気を出したい時にもってこいのコーディネイトですね。
とても参考になります。夏物だとギンガムのシャツ&タイでしょうか。

胸に挿したペッカリーのグローブも素敵ですね。でもちょっと照れてしまいそうなので、キャメル色の無地にクリームの縁どりのシルクチーフもいいかなと思いました。

管理人様はラルフローレンのファミリーセールは行かれましたでしょうか?私は今回は初日に行って、ツイードジャケットとリネンジャケット、ウールタイ、クレストタイの計4点を購入しました。年間予定リストを少しずつクリアしています。

エクレクティック!
素敵です!チェックオンチェック、そしてグローブと臙脂のストールが効いていて、そこからもたらされるこのまとまり感、本当に勉強になります。3パッチポケットというのがいいですね。

チェック柄のシャツに挑戦したいのですが、何から始めようかいつも迷ってしまいます。ブラックフリースで思い切って共地のシャツ&タイをいっぺんに購入したらいいと思うに至りました。

管理人様


今、アメリカ出張から帰ってきました。
偶然私も、ブラックフリース製のグレンチェックのネクタイとジャケットをペアで、身に付けていました。
時間があったので、服も見に行きましたが、アメリカは価格にあまりお得感がなかったので、何も買わずじまいでした。

シロさん

早速のコメントを有難うございます。

アメリカ、特にNY在住ですと世界中の流行のものが一堂に会するのである意味では日本とリアルタイムでお洒落を楽しむことができます。加えてアメリカンブランドは日本より当たり前ですが豊富に揃っていますし、やはりNYは世界一お洒落な年だと実感します。

そのNYでもイザイアのジャケットは襟を立てるのを推奨しているのですね。貴重な情報を有難うございました。イタリアの伊達男向けの衣料は実に細やかです。襟裏を共地にしたり、シロさんの仰るようにペイズリーやカモフラ柄にしたいりとバラエティ豊かです。

また色々とNY事情を教えてください。

PMT様

早速のコメントを有難うございます。
キャメルの無地にクリームの縁取りチーフ!探してみます。

ファミリーセールは今回初日に行きました。かなり時間をかけて見て回ったのですが残念なことに購入に至りませんでした。ただ気になるネイビージャケットやデニム&サプライのものを何着か試着しました。

もうすぐクレバリーのトランクショウなのでやや自嘲気味です(笑)

decoy様

早速のコメントを有難うございます。

チェック柄のシャツですとこれからの季節はギンガムチェックも良さそうですね。秋冬物のセールが採集になっていてかなりお買い得になっています。

オンラインで欲しいものが何着かあるのですが、気持ちは春物なので少し控えているところです。decoy様のお薦め等ありましたらお教え下さい。

やまだ様

早速のコメントを有難うございます。

出張から戻られたとのこと。お疲れ様でした。しかも私がずっと気になっていたスーツと共地のネクタイを締めてアメリカに出向いていたとのこと。さぞ素敵だっただろうと想像しております。

確かにアメリカの価格は日本とあまり変わらないのでセールの時以外はあまりお買い得感がないのですが、その代わりセール時期の値引きが思い切っているのでその時に上手くタイミングが合えばとてもお買い得感が強かった記憶があります。

お時間がございましたらアメリカ出張時のお話なのお聞かせくださいますと幸いです。

しばらく前から、ラルフやBBの広告上ではパターンオンパターンが見られたのは知っていましたが、トリプルチェックがここまでまとまるなんて驚きです。クレージーパターンしかり、トラディショナルなメーカーが遊ぶとこうなるとのお手本です。少し五月蝿いかなと感じましたが、ジャケットの胸に差したグラブとシューズが全体を締めています。
しかし、60をとうに越した身にはとても真似できません。いいものを見せていただきました、ありがとう。

Tony様

早速のコメントを有難う御座います。

アパレルメイカーの広告の場合、普通の着こなしでは人目を惹きつけるのは難しいこともあって、パープルレーベルなどでは随分前からストライプオンストライプなどきわどいコーディネイトを掲載していました。

個人的にはストライプオンストライプよりもチェックオンチェックの方が視覚に訴える感覚がまだ優しい気がして、ついついチェックの重ね着になりがちですが、上半身がコテコテでも下半身をシンプルにすることだけは守っています。

Tony様が仰るように、うるさい感じの着こなしばかりだと疲れるのでそのうちにシンプルな着こなしがしたくなるのは目に見えていそうです(笑)。好きな靴も紐靴がいいと思ったりスリッポンが気になったりですし、アメトラがいいかと思えばブリトラになったりクラシコになったり。お洒落はいつも行ったり来たりです。

時々思い切って殻を破りたいと思うのですが歳を取ると、どうも保守的になりがちです。

管理人様
今回も見事なコーディネート!素晴しいです。ビッグチェック共柄のタイとシャツをイザイアのチェックジャケットと無地のパンツが見事に中和しています。おそらくチェックジャケットではなく無地ジャケットではVゾーンが余計際立ってしまうのではと推測します。このような併せ方はまさに「大人の遊び」を感じます。
エンジの大判ストールも雰囲気があり素敵ですね。私もツイードジャケットの時はコートは着ないようにしているのですが通常のマフラーだとバランスがいまひとつ、Vネックセーターを着たりしていたのですが大判ストールはかっこいいです。購入リストに加えます(笑)。

KEI様

早速のコメントを頂きありがとうございます。

そうなんです。実は共柄のシャツ&タイの上に最初は無地のジャケットを色々羽織らせてみたのですがどれもVゾーンが目立ち過ぎてチグハグだったので、毒をもって毒を制するではありませんが、敢えてのチェックジャケット重ねにしました(笑)

今日はツィードのスーツに大判ストールで家を出ました。コートを着ないで済む大判ストールはとても便利なのであと何枚か手持ちに加えたいのですが中々気に入ったのに巡り会えません。一期一会で気長に探し回ろうと思っています。KEI様の見立てでこれはと思うものがございましたらお教えください。

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