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2014年3月22日 (土)

2014 Spring Trunkshow(春の受注会)

春分の日から続く3連休を控えた木曜日は生憎の雨。いつもならばジャケット&パンツで出かけるところだが、仕方なくレインコートを羽織り、雨用の靴と雨の日のちょっとした贅沢、16本フレームの傘を差して家を出た。今年は例年より1か月遅れの開催となったクレバリーの受注会に出向くためだ。

通い慣れた帝国ホテルからペニンシュラ東京に会場を移してのトランクショウ。皇居を望む見晴らしの良い部屋にはサンプルが豊富に並べられている。旧友と再会し、クレバリーの顔となった職人ティームを交えてあれこれ話す一時はやはり楽しい。そこで今回から3回、受注会の様子と納品された靴を紹介しようと思う。

1.レースアップとカジュアル

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左は昔からあるサンプル。これを見てイミテーションブローグを知った。つま先のトランプはスペードのようなパーフォレーションはオリジナル。なんでもツリーをかたどったものだそうだ。右はバンド部分のステッチが特徴のカジュアル。手縫いステッチによる模様が洒落た雰囲気を醸し出している。

他の靴も紹介してみたい…

2.ブーツとホールカット

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左のブーツはベーシックなデザイン。上部にフックのないタイプは着脱がし難いのが難点だがその分エレガントではある。一方右のホールカットはエラスティックの伸縮のみで足をホールドするというシンプルの極み。踵部分の履き口に負担がかかるせいか、クラックが入りやすいので着脱には注意が必要だ。

3.タッセルとサイドストラップ

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左は定番のタッセルスリッポン。ただし履き口を囲む細紐はブレード(編み込み)ではないタイプ。特筆すべきは美しい曲線を描くスマートラウンドなつま先だろう。右は外側に付いたサイドストラップが唯一のポイントとなるプレーントゥ。どちらかと言うと細く美しいラスト向きのデザインだろう。

4.カジュアル2点

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左はバンドオーバーのカジュアル(ローファーの意)。ロールドステッチと呼ばれる摘みモカ縫いのフロントながら丁寧な縫い込みとブラックカーフの効果で気品溢れる仕上がりになっている。右はハーフサドルのカジュアル。タン部分の縁取りがカチッとした印象を与える。こちらもロールステッチだが素材はピッグスキン。

5.アステアシューズとチェルシーブーツ

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左はニュー&リングウッドで有名になったモデル。確かフレッドアステアが注文した型だったはずだ。黒のアリゲーター使いの同型をニュー&リングウッド時代にも見かけたが今回のサンプルは別物だろう。右は定番のチェルシーブーツ。シンプルな靴はそのシェイプが肝だが、流石にサンプルは綺麗なスマートラウンドで仕上げている。

6.イブニングとウィークエンド

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左はエナメル素材のプレーントゥ。レース部分がリボンの本格的なイブニングシューズだ。底付けはハンドソーンながらクローズドウェルトでエレガントに仕上げている。右は茶色のアデレイド。ロンドンではビジネスは黒以外履かないことから週末用の靴という扱いになる。幅広のスクェアなつま先はイタリアンな雰囲気もある。

7.ロシアンレインディアと3アイレットプレーントゥ

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左は幅広のラウンドトゥがカントリー風のクォーターブローグ。素材は希少なロシアンレィンディア(ロシアンカーフ)だ。ロシアンカーフはデリケートな素材、サンプルにも見られるようにクラックが入りやすいので扱いには注意が必要だ。右は定番の3アイレットプレーントゥ。バーガンディはアメリカの顧客が好きな色目とのこと。

8.サイドレースとセミブローグ

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サイドレースにシャドーステッチ、*マークがクレバリーらしからぬ意欲作。若い世代の顧客用だろうか。一方右のように変わらぬ定番セミブローグを並べておくところも憎い。ラムズホーンのトゥデザインに曲線の効いたパーフォレーションライン、目新しさはないがこれこそ英国靴と思える安心感がある。

9.フォーマルシューズ

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左は一見カジュアル、しかし黒革とフラットなつま先からフォーマルなパンプスの雰囲気を感じる。極細で目立たぬウェルトなど正にイブニングシューズ向きだ。右はやはりニュー&リングウッドの名モデル「バタフライカジュアル」。クレバリーの前身がニュー&リングウッドだったことを考えると昔の名デザイン復刻といったところだろう。

10.チェルシーブーツとレイジーマン

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左は5で紹介済みのサイドゴアブーツ。クレバリーはブーツメイカーではないがブーツの注文も受け付けるというメッセージだろう。右はダミーのシューレースを敢えてバーガンディで仕立てたレイジーマン。プレーンなつま先にパーフォレーションを散らすところなど個性的なレイジーマンが欲しい時の効果的なサンプルだ。

11.ピッグスキンローファー

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今回納品となったピッグスキンのローファー。タンが長めなのでロングノーズに見えるがヴァンプ自体は短い。アンティークフィニッシュが大胆に施されているせいか、何やら年代物の靴のようにも見える。注目すべきはウェルト周辺。クローズドウェルトにハイピッチの出し縫というリクエストどおりの素晴らしい仕上がりだ。

今回は新たにカジュアルを2足注文。1足は白/茶のコンビ。リアルホワイトバックとチェスナッツカーフを選んだ。フロントはドーバーと同じエプロンフロントにスキンステッチ、ハーフサドルのカジュアルな1足だ。もう1足はナチュラルコードヴァンのタッセルスリッポン。編み込みの細革にスマートラウンドを指定。

これで30足の節目まであと1足、既にクレバリーの方はグラスゴーからジュニアへと世代交代が進んでいる。そろそろ我がファミリーも注文を次の世代に交代する時期が迫っているのだが、こればかりは一足飛びにはいかない。息の長い付き合いを続けつつ、親子2代に渡って店と顧客のいい関係を築いていきたいものだ。

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誂え靴(Bespoke shoes)」カテゴリの記事

コメント

素晴らしい雰囲気の靴たち…眼福の一言に尽きます。
最近、ピッグスキンやペッカリーのような毛穴の目立つ革が気になっていたので、今回受け取られたカジュアルは僕にとってもまさに理想の靴です。だし縫いのステッチは生成りでしょうか?細かいステッチにアンティークフィニッシュですから、昔から店頭に飾られているサンプルシューズのような美しさを感じました!

シロさん

早速のコメントを有難うございます。

そうなんです昔から飾られているサンプルのように出し縫いはできるだけ細かく、それとクローズドウェルトにして貰ってできるだけコバの張りの少ないエレガントなカジュアル靴をリクエストしたのですが、結構狙い通りに仕上がったと思います。

ピッグスキンは通常の既成にはないタイプの革なので、何足か注文した後にオーダーするのならありかとも思いますがカーフの次にオーダーする際は柔らかなグレインレザーの方が良いかもしれません。

シロさんもNYCで目を肥やして帰国後は再びビスポークに挑戦されてみてください。やはり靴が納品される一時は何足作ってもいいものです。

管理人様

こんばんは、今朝出先で見てうずうずしておりました(笑)。

ぼくもシロさんと同じくペッカリー、そしてシボ革のようなスムースレザーではないものに興味を持ち始めてしまったので、先週にあらかじめお知らせいただいていたピッグスキン!!楽しみにしていました。そしてローファーをみて、エレガントなシルエット、ムラ感とピッグスキンの組み合わせに唸りました。格好いいです。既製品ではありえないでしょうから、本当に眼福です。コーディネートも楽しみにしています。

そして格好いいと脳にインプットされ忘れられなくなったのは5のアステアモデルです!アリゲーターはローファーが最も好みと思っていましたが、こんな格好いいモデルがあるとは知りませんでした。

素敵な受注会の様子を有難う御座います。

decoy様

早速のコメントを有難うございました。

おっしゃるとおり、シボ感のある革は通常のカーフにない独特の味わいがあります。特にピッグスキンは既成では殆ど扱わないので(唯一グッチのビットモカシンにピッグスキンが使われていた位でしょうか…)、個性的な1足かもしれません。

元々フランスの男爵Baron De lede Alexisがアンソニークレバリーにオーダーしたピッグスキンローファーをそのまま再現したのでひねりがあります。グレインカーフで作っても雰囲気は出るかもしれませんが、既成靴と似通う可能性があります。さりげなくパーソナルアイテムを主張するのが男爵の着こなしだったのかもしれません。

5のフレッドアステアモデルは実に個性的で、以前エドワードグリーンがポールセンスコーン(ニュー&リングウッドの日本での展開名:ビームスで扱っていました)の為に作っていたことがあります。もし気に入られましたらグリーンにMTOすれば今でも作ってくれると思います。

管理人様

ピッグスキンローファー、昨年9月の記事をあらためて拝見しました。フィニッシュで雰囲気がかなり変わるものなのですね。ピッグスキンの特徴が引き立つ素敵な仕上がりですね。

サンプルもどれも存在感がありますね。特にアステアシューズに目が奪われます。カーフで作ったとしても十分に魅力的なデザインだと思いました。

PMT様

連休中にもかかわらず早速のコメントを有難うございました。

PMT様もやはりアステアシューズに心惹かれましたか。以前は未使用のポールセンスコーンネームでグリーンが作った同型の靴を所有していたのですが、ややサイズが小さいので手放しました。

そのことを思い出すとやはりエドワードグリーンは実力のあるメイカーだなと思わざるを得ません。最近のデザインはあまり好きではないのですが高級紳士靴の礎となったのは間違いのないところだと思います。

アステアといい、アレクシス男爵といい(今回のピッグスキンローファーをアンソニークレバリーに作らせた貴族)洒落者の作る靴はどこかひねりが入っていて単純に格好良いと唸らされるところがあります。

ブログ愉しく拝見させて頂いております

ジョージクレバリーの日本での受注会は通年開催されているんでしょうか?

どちらの主催でどの程度の価格帯でオーダー出来るんでしょうか?
誰でも参加出来るのでしょうか?

教えて頂ければ有難いです

tA様

コメントを頂き有難う御座います。

ジョージクレバリーの本国サイトにアジアトランクショウの案内が載ります。その時にcontactかenquiryからトランクショウのアポを取ると良いかと思います。

現在は1足£2800からで、素材により価格が異なるので注文時に確認が必要です。

5のフレッドアステアモデル素材のアリゲーターの妖艶な艶に
感動しました!!このモデルの靴は大好きなAFのカタログで拝見いたしました。A-4サイズの厚手のモノクロのカタログは一部のRSにしか配布されなかった幻のカタログ?です。このカタログを長崎店より頂きました。

浦野様

何と!AFのカタログでもアステアモデルが掲載されていたのですか。しかも一部のリーガルショップでしか配布されなかったカタログをお持ちとのこと。興味津々です!!

実はアランフラッサーネームで9のバタフライローファーも作っていたと思うのですが、そちらを見たことはあります。銀座に一時期アランフラッサーショップができた時に目撃しました。

リーガルは様々なブランドの靴をライセンス生産する中で力を付けていき、ロンドンのニュー&リングウッドの店頭に日本製の靴が並ぶまでになった実力派です。昔、リーガルから本格的紳士靴に入った自分としては嬉しい気がします。

ただ、昔お金を貯めてようやく買ったグッドイヤーのビーフロールローファーと同じモデルが今回訪問したリーガルアウトレットでは見当たらなかったのが残念でした。その後デパートのリーガルコーナーに行ってもなかったのでひょっとして廃番になったのかもしれません…(悲)

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