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2013年6月29日 (土)

Rounded Collar(丸襟のシャツ)

最近、シャツ売り場に立ち寄ると探している物がある。それが今回紹介する丸襟のシャツなのだが、見かける回数は少ない。一度見かけたら大抵購入するようにしているが、海外のオンラインショップを試しに検索してみた。すると流石はトラッドの本場アメリカ、ブルックス・ブラザースやJ.プレス、ラルフ・ローレンでは直ぐに見つかる。これがトラッドの本家イギリスになると状況はまた別で、シャツの襟はカッタウェイが定番。紳士服の大国イタリアも英国と同じようなもので、別注以外丸襟のシャツを見かけることはまずない。

元々アイビーが服装のお手本だったこともあって、シャツの襟と言えばまず基本のボタンダウン。その着こなしをマスターすると、レギュラーカラーにバークリップを付けたり、ピンホールカラーで変化をつけたりする着こなしがあることを教わった。中でも丸襟のシャツが気に入って、それまで敬遠していたタッセルスリッポンと共に買い求め、ブレザールックに合わせて楽しんだことが懐かしい。そこで今回は最近再び凝り始めた丸襟のシャツを中心にその着こなしを紹介しようと思う。

1.丸襟のシャツ

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下から時計回りに昔購入したポールスチュアートのクレリック丸襟、ブルックスのエクストラスリムフィット版丸襟、ラグビーのクレリックタイプ丸襟、最後がフライのピンホール丸襟。イタリアのフライ以外は全てアメリカのメイカーで、そのフライもラインナップからの購入ではなく日本でショップを通して別注したもの。こうしてみると丸襟はタイスペースが少なく襟も小さいのが特徴。ディンプルの小さくなる細身のネクタイとの相性が良いので、流行の細身のタイを別途購入することになる。

2.ブルックススタイルに合わせて

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オウンメイクのグレンチェックスーツにラウンドカラーのシャツは正にブルックススタイル。ネクタイは英国調のレジメンタルを結び、靴もスーツの柄に合わせて黒を選択してみた。写真映りがよいようにとチーフのみ差し色のピンクを合わせたが、白のリネンチーフを挿した方が仕事向きだろう。久しぶりにダーツのないⅠ型のスーツを出してみたが、万人に合う既製服の基礎を作ったアメリカ最古の衣料店ブルックスらしいシルエットが新鮮に見える。

3.Ⅰ型トラッドのVゾーン

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シャツは最近のエクストラスリムフィットでノン・アイロンのもの。久しぶりに青山の本店で購入した。丁度セール時期で本来ならば15のところ15.5しか在庫がなく迷ったが購入して正解。エクストラスリムフィットのおかげでハーフインチ大きくてもスーツの下で余分な生地が動きを妨げることがない。ネクタイは昔の代官山ロイドクロージングで購入したヒュー・パーソンズのもの。正統派の英国製ネクタイは今も昔も細身だ。チーフはタイに合わせて英国はダンヒルのものを挿してみた。

4.合わせた靴

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ブルックスのⅠ型に合わせる仕事用の黒靴と言えばオールデンのプレーントゥを思い浮かべるが昔のカタログを見ると英国製のフルブローグを合わせているイラストや写真が多い。右は正統的な内羽根式の英国製フルブローグで、左が外羽根式のエプロンダービー。どちらも英国製。ラウンドカラーのシャツにはラウンドの靴が合うのだろうが、敢えてスクェアのつま先の靴も用意してみた。

5.ブレザールック

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良くやるのが、グレンチェックのスーツの組下とブレザーを合わせるスタイル。先に紹介したグレンチェックのスーツから上着を脱いでブレザーに着替えてみたところ。勿論シャツとネクタイも替えている。上着のブレザーはダーツを取ったスタイルだが同じブルックスのオウンメイク、当然相性も良い。靴もそのまま黒靴を合わせたが、ブレザーに替えただけで仕事着の重々しさから解放されるようだ。

6.ブレザールックのVゾーン

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ブレザーはVゾーンの深い2つボタンタイプ。Ⅱ型に属するモデル(Ⅱ型は本来ダーツがなくウェストが絞られたものを指すと聞いたことがあるが…)になる。合わせたシャツはポールスチュアートのもので1990年代中頃の古いシャツ。襟が擦り切れることなく今も現役でいるのは途中着ることなくタンスに眠っていた時期があるため。丁度クラシコイタリアが流行り始めた頃だったと思う。

7.ブレザールックに合わせた靴

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4の写真と同じ靴だが、並べて撮影したもの。左がニュー&リングウッドの#33ドーバー。勿論旧エドワードグリーン製だ。右がクレバリーのビスポークでストロングタイプのフルブローグ。最近また黒の革靴、特に正統的な紐靴が気になり始めている。ない物ねだりとでもいおうか、普段軽くて脱ぎ履きの良い茶系のローファーばかり履いているからだと思う。何より黒の紐靴は男の仕事着の基本、それだけ奥が深い。

8.秋冬物のジャケットに合わせて

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大柄のツィーディーなジャケットに合わせてラウンドカラーのクレリックシャツを合わせてみた。ラルフ・ローレンのカタログによく出てくるようなコーディネイトだ。ライトブラウンのジャケットにブルーのシャツはアズーロ・エ・マローネ、イタリア調の色合わせだ。ボトムスはチャコールグレーのウールパンツで全体を落ち着かせながら、ネクタイやベルト、靴はも全て濃茶で合わせ、シャツの青が差し色として浮き出るよう色数を抑えてみた。

9.Vゾーン

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シャツはラグビーのクレリック。ブルックスのエクストラスリム以上のフィット感があって、ジャケットの下にぴたりと納まる。ネクタイも同じラグビーの細身のタイ。ネクタイとシャツが同じメイカーということで相性も抜群。ジャケットはイタリアはイザイアの3パッチポケット。チーフはネクタイと色調を合わせたポロ。シャツの青地は薄くなく濃くなく絶妙のバランス。流石ラルフ・ローレンのサブブランドらしい色に対する拘りがある。

10.合わせた靴

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ツィードにはスェードの靴。左は秋冬に重宝するチャッカブーツでポールセン&スコーンネームのクロケット&ジョーンズ。右はダブルバックルの短靴でワイルドスミスネームのエドワードグリーン製。どちらも英国製の古き良き逸品。ポールセン&スコーンは今もニュー&リングウッドとして店を構えているが昔とはだいぶ趣も異なっているしワイルドスミスは既に閉店している。靴屋に限らず英国の老舗もここ20年で大分変った。

11.イタリア製の丸襟シャツ

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フライはドレスシャツメイカーとしてイタリアで最も高い評価を受けているブランドの一つ。既成のものもここで紹介するMTO(個人別注)も良質で文句のつけようがない。ここではMTOしたシャツに合わせてスーツのビスポークしたものを用意してみた。ラウンドカラーではあるが更にピンホールということでよりクラシカルな雰囲気があるせいか、サビルロウのスーツとの相性も悪くない。靴は敢えて黒と茶を用意してみた。

12.ブリテッィシュスーツとイタリアンシャツのVゾーン

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スーツはデイヴィス&サン(ファーラン&ハーヴィー)のクラシカルな3ボタン段返りモデル。2で紹介した胴絞りのないブルックスⅠ型のスーツとは対極のシェイプだ。ドレープの効いたブリティッシュなスーツにピンホールのラウンドカラーシャツを合わせると実に格好良い。ネクタイはシャツのストライプを拾ってバルバのラベンダー・ドットタイを結び、胸ポケットにはポールスチュアートのニューヨーク本店で購入したブルーチップのコットンンチーフを挿してみた。

13.合わせた靴

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スーツがビスポークということで靴もビスポークのものを選んでみた。どちらもラウンドのキャップトゥで、左がクレバリーのアデレイド・セミブローグ。トゥにはイニシャルをパンチングしている。一方右はフォスター&サンのパンチドキャップトゥ。ロブパリのフィリップを意識した作りをリクエストしたもの。ここからは見えないがシームレスヒールやレースステイ脇のパーフォレーション部分もフィリップと同じ仕様になっている。

丸襟のシャツは何処と無く「女性的 」な雰囲気があるのだろうか、男らしさを大切にする?イタリアの男性にはあまり好まれていないような気がする。タッセルスリッポンもそうだが初めて見た時の印象は確かに男っぽくはない。ただ、昔のクラシック装いを見ると台襟の高いデタッチャブルカラーで、どれも襟は角が丸い。

ダブルやシングルでも見られるピークドラペルのスーツに丸襟のシャツは合わない。それだけ汎用性が低い丸襟のシャツだが、逆に合わせ方によってはVゾーンに他のシャツとは違う独特の個性を与えてくれる。お洒落好きな人は他の人とは違うものを身に付けつたいと思うもの。ぜひ試してみてほしい。

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コメント

管理人様

ラウンドカラーで真っ先に思い浮かぶのはやはりアランフラッサーの着こなしでしょうか。クラブカラーと呼んでいたと記憶しています。

GITMANやINDIVIDUALIZED SHIRTSも最近はラインアップしていますね。ラウンドカラーでボタンダウンていうのもありました。

確かに発祥の地であるはずの英国のメイカーはあまり作ってないようですね。

私はここ数年、ボタンダウンばかりだったので、最近はタブカラーを探しています。米式のリングスナップのものが好みです。まだ2枚しか入手しておりませんが。

ラウンドカラーシャツ、タッセルスリッポン、どちらも大人になってからその良さが再認識されるアイテムだと思います。

PMT様

早速のコメントを有り難うございます。

丸襟のシャツ(クラブカラー、早速使わせて頂きました)は本文でも書きましたが中々おいてある店が少なくて…。

最近では確か、銀座のシップスでサウスウィックネームで見かけましたが、サイズが合わなくて諦めたことがありました。インディビやギットマンはどこで扱っているのでしょうか?後学の為にお教えいただけますと幸いです。

PMT様はタブカラーに凝られているとのこと。リングスナップのものが多いようで私も珍しいところではルイジ・ボレッリのタブカラーを愛用しています。Vゾーンに個性を与えてくれるのでタブカラーも好きな襟型の一つです。

そう言えば、昔のブルックスのタブカラーはスナップボタンが持ち出し先端についているタイプで留め易かったのですが、今のものは違うようです(ブラックフリースのものですが)。アメリカ最古の既製服メイカーブルックスはクラシックなだけで無く、便利なものをいち早く取り入れる進取のブランドでもあったと聞いています。

オンタイムに着用するクラシックなシャツは襟の形の違いを楽しむのが自分のやり方でして、レギュラーカラーも挑戦しようと思っているのですが、レギュラーの名に反して殆ど所有していません。今年の秋冬は脱ワイドカラーなどと自分にテーマを課そうかと思っています。

管理人様

インディビは下北沢のSTEPSというショップに置いてありました。ギットマンはネットでしか見ていませんが、地方のセレクトショップ何軒かにありました。

レギュラーカラー、いいと思いますが、中々難しそうですね。クレリックなら着易いのではないかと思います。

今日、ユナイテッドアローズ原宿店に行ったところ、ランコート社製アンラインドコードヴァンローファーが40%OFFになっていました。サイズが残っているかは分かりませんが、50400円になっていました。タンとネイビーがありました。

PMT様

下北沢にショッピングに行かれるのですね。既にフットワークの良さでとても適いません(笑)。昔は下北沢にも足を運んでいたのですが、今や銀座・丸の内か青山・原宿、あとは新宿・吉祥寺とごく狭いエリアを動くのみ…。これでは逸品に巡り合える可能性も低いのは当たり前ですね。


UAのアンラインドコードヴァン(ランコート社)がオフプライスで出ているとの情報も有難う御座いました。40%オフですとほぼアメリカの定価ですから、そこまで価格が下がれば輸入の関税等を考えると日本で購入する方が得ですね。

定価で買うとなると日本のインポート靴はまだまだ値段が高いということになりますが。

こんにちは!
ご無沙汰しております。ラウンドカラーは私も大好きで、シャーロックホームズの帰還というシリーズで、ワトソン博士が御愛用でツイードジャケットやスーツに合わせている姿に憧れて、参考にしたものです。
でも、管理人様達の様なものすごいものえなく、サイズの関係もありなんと!呆れられるのを覚悟で言えばユザワヤのパターンオーダーであります(笑)ところがこれがまた馬鹿にしたものでもなく、私としてはじゅうぶんであります。在庫の鎌倉KENTのブロード100番手のオーダーメイドも十分現役で、文字通りクラシックな味を楽しんでおります。
さて今日は、管理人様にご相談ですが、英国クラシックカーに合った服装を、特に今の時期のアドバイスを頂きたいのですが。
愛車は、オースチンヒーレイスプライトMK1通称かに目という英国ライトウエイトの代表みたいな奴です。それでも、寒さに向かう頃は、レザー、例えばRAFタイプのボマーであり、バーブアのビデイル、マッキントッシュのグレンチェック、ショート丈チェンジポケットタイプ、あるいは、ラベンハムのツイードなど、比較的ポロポロ思い付くのですが、
オープンカーとしては、今が一番いい時期なのに、英国風の着こなしがよくわかりません。結局バラクータG9かよくあるマクレガーの類になってしまい、ハンチングにタータンチェックを持って来るぐらいしかありません。どうぞ、良きご提案をよろしくお願いいたします。あ、車はチェリーレッドという、かなりグレイがかったエンジに近い赤です。

英国大好き大男様

ユザワヤのパターンオーダーは別の用事があって地元のユザワヤによく出向いていた時から興味をもって見ていました。今度立ち寄ってみます。

さて今回のご質問ですが、英国クラシックカーに乗ったこともなければクラシックカーも英国車も全く未知ですのでどのような服装が合うかという問いには答えられそうもありません。

以前プジョーのCC(クーペ&コンバーチブル)に乗っていた時は英国大好き大男様の仰るようにバラクータを着て運転していましたが、服装はそれなりにして被り物に凝るようにしました。中でも愛用していたのが大柄(ウール)と小柄(コットン)のバーバリーチェック、後はディアスキン(鹿革)のハンチングで、これは英国の名門ロックのもの(残念ながら廃版になってしまいました)です。

クラシックカーのコンクールを見ますと夏の時期は麻のスーツを着て運転している紳士の姿を見かけますので麻の3ピースあたりはいかがでしょうか?思い切ってアイリッシュリネンのものを新調して、ジャケットは着用せず共地のウェイストコートに丸襟のシャツをタイドアップ、ボトムスは組下のトラウザーズで靴は茶白のコンビスリッポン。仕上げに大柄のコットン素材のハンチングで締めくくる…などと妄想しています。

もっとも、英国大男様の場合、既に車が素敵ですので装いはあくまで普段と変わらずにどこか一点車と合わせた色目のものか、あるいはご自身のアイコンとなるような大柄のチェックハンチングなどで魅力満載という気もします。

後丁寧な解答ありがとうございました!いやー、スリーピースのジャケットなし、タイドアップとは!考えつきませんでした!しかし、こちらはカントリーいや田舎ゆえ、もしそのスタイルで乗り出したら、狭い世間が騒然となりそうなので笑!なるほど、ヘッドギアでアクセントは良いですねー!寒い時期にハリスツイードのデイァストーカー、アイリッシュツイードハットなんかも試して見たのですが、オープンゆえ、加速した途端すっ飛んでしまいそうになったこともあり、仲々スリルがありました笑!ありがとうございました。またおじゃまします。

英国大好き大男様

クラシックカーですとやはりオープンにした時の風の巻込が最近の車よりも多いのでしょうか?私のプジョーはハンチングを被って運転しても通常の速度ならばあまり問題なかったので「被り物は如何ですか」などと勝手な提案をしてしまいました。

いずれにしましてもこれから夏になりますとオープンカーの季節としては暑すぎるので寧ろ枯葉の舞う秋が絶好の機会かと思います。英国大好き大男様がどのような装いでオープンエアーを楽しまれるか、お時間がございましたらお教え下さい。

いつか再びオープンカーに乗る時の参考にいたします。

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