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2013年3月16日 (土)

Spring has come(スプリングコート)

3月は何かと天気の話題が多い。北日本では猛吹雪による影響で、身動きできない人が続出したかと思うと一転、観測史上最も早い「夏日」を記録したというニュースも届いた。さらに黄砂やスモッグに加えて花粉の影響もあり大気汚染も話題になっている。ともかく天候不順ここに極まれりといった感があって、日中の気温が22℃から12℃へと一気に変わると何を着るのか考えるのも難しい。穏やかな日中は良くとも、朝夕の冷え込みを考えると上着だけでは心もとないが、そんな時こそスプリングコート。今丁度ショップの店頭には軽く羽織れる春物のコートが並んでいる。

昨年も外出時は暖かかったのにいざ夜桜見物になると急な花冷えに思わず震えてしまうことがあった。そんな時さっと羽織れる軽めのコートがあれば大分違うはず。それ以来お気に入りの春物コートを探していた。ショップに並び始めた1月から色々調べていくと、最近は単なる風除けだけでなく、防水や保温機能を備えた新素材のものが出回っている。しかも色はパープルやグリーン、中にはレッドまである。その中でようやく見つけたの今回紹介する鮮やかなブルーのコート。届いたばかりのスプリングコートを中心に春の装いを考えてみたい。

1.スプリングコート

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購入したてのスプリングコートは東京ではなく地方のショップ別注品をオンラインで購入したもの。メンズ館を擁する都内のデパートは無難な色ばかりで、まだ店内店舗を構えるセレクトショップの方が品揃えに個性がある。今や商品はディレクション次第。東京だから、あるいは銀座だからといった知名度だけで売れる時代ではない。それほどオンラインショップが日常の買い物に深く関わっていることに他ならない。ボトムスはチルデン・ベストの特集で紹介した白のコットンパンツ。コートの下はもちろんジャケットスタイルを合わせている。

2.コートのコーディネイト

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ビビットな色遣いはこのところ注目されているらしい。アイビーファンの愛読誌「フリー&イージー」でも「カラフルアイビー」を特集していた。ここで紹介するコートもスコットランドのトラッドなアウターメイカーとして有名なマッキントッシュのもの。従来にはない素材とシーポートブルーと名づけられたビビットな青色が珍しい。購入後さっそく春素材のグレースーツの上に羽織ってみた。最初は斬新な色目に周囲の視線を感じた気もするが、慣れてしまえば色目のことなど気にならなくなる。

3.カラー部分の機能

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カラー部分についている持ち出し(向かって右側の襟についているもの)はボタンで台襟に留められている。風が強くなると前立て一番上のフック(詰襟の制服と同じ)で台襟を留め、持ち出しの先端部分のボタン穴に反対側の襟裏につているボタンを通す。これで風を防ぐことができるだけでなく、襟元から体温を逃がさないようにすることも可能という訳だ。実際はここまでする事は中々いないだろうが、トレンチコートのベルト下にあるDリングやエポーレット同様、機能としてディテールを残すのが英国風。

4.ジャケットスタイルに合わせて

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スプリングコートは合わせるボトムスの色がポイント。ビビットな青のコートに合うパンツはやはり淡色系だろう。そこで思い切って白のコットンパンツを中心にジャケットやシャツ、ネクタイを決めていった。初めにコートありきなので、色合わせの核となるのは小さいながらもVゾーンから見えるネクタイ。インパクトが強いアイテム故にコートの青と喧嘩しない柔らかなパステル調のレジメンタルタイを持ってきた。グリーン&ブルーの色合いがコートの青とマッチしている。

5.コートのディテール

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袖のストラップも勿論飾りではなく機能する。外側のボタンで留めて袖口を絞れば風の侵入も防げる。一方、ポケットの上下両端につくボタンはボタン穴が開けられているとはいえデザイン上のアクセントに近い感じか。最近はモデル名が沢山あるマッキントッシュ。このモデルはDOWNFIELD(ダウンフィールド)という名で、Aラインの細身でタイトなシングルコートながらベルトがついているのが大きな特徴。老舗のマッキントッシュも洒落たコート作りで、企業イメージのアップデートを図っているようだ。単なるオールドファッションでは市場に受け入れられない時代なのだろう。

6.バックスタイル

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コートの後ろは至ってシンプルな作り。ヨークの切り返しもボックスプリーツもなく、センターベントがあるくらい。その代わりに最大のアクセントになるのがウェストベルト。この写真ではベルトを装着しないで後ろに回しているが、日頃ベルトを締めたり外したりするのは面倒なはずだから、この状態で着ることが一番多くなるのではないだろうか。となれば後ろ姿こそ着こなしの見せ場、歩き方も含め背中が格好良く見える姿勢を保ちたいもの。

7.ロロ・ピアーナのストームシステムファブリック

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従来のマッキントッシュはゴム引きのコットンクロスが唯一無二の個性を醸し出していたが、メンテナンスが難しいことや独特の匂い、あるいは体から出る湿気が抜け難いなど課題も多かった。そこで、何とイタリアの高級服地メイカーとして名高い"ロロ・ピアーナ"の生地を採用してコートを作り出してしまった。このストーム・システムは適度なしなやかさと張り、防水性と防風性に加え、何よりイタリアらしい発色の良さが光る。それまでのマッキントッシュのゴム引きコートに対するイメージを180度変える別注品だ。

8.コートの下のジャケットスタイル

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春らしくパステル調のネクタイとチーフを用意。ジャケットは強撚糸のウール素材で大柄のチェック。カルーゾ製でシャツはクラシコイタリアの定番ルイジボレッリのBD、これにブリューワーのコットン/リネンのレジメンタルタイとシモノ・ゴダールのポケットチーフを挿してみた。ビビットなコートと色がぶつからないようにしながらも、コートを脱いだ時に不自然にならないジャケットやシャツ、ネクタイの組み合わせをあれこれ考えるのも中々楽しい。

9.コーディネイトした靴

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淡い色目のタッセルスリッポンとローファー。ボトムスが白いパンツならば靴の色合わせは何色でも合わせやすいが、コートとの相性を考えるとやはり春らしくソールが薄いスリッポンタイプが合う。色も黒や濃茶といった重すぎない色で足元から春を演出したいもの。選んだ靴はどちらも表面がマット仕上げのアリゲータ。日差しの下で光を反射して目立ち過ぎることもなく、ライトでソフトな感触を存分に楽しめる。

10.アンソニークレバリーモデル

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どちらもアンソニークレバリーシリーズの中からデザインを参考にフルビスポークで作り上げたペア。アウトワーカーの違いがトゥパフの違いになって表れているのだろうか、左のローファーのほうがより細いつま先が印象的だ。レプタイル、中でもアリゲータやクロコダイルの革のメンテナンスについて聞かれることがあるが、どちらもウェストン自家製のレプタイルクリームのみ。時々コバ部分にコバインキを使うくらいだろうか。色は経年変化で褪せるようだがそれもまた味のうち。

オンラインの東洋経済を見ていたらミドルエイジのスーツ姿はみな「"だぼっ"としておじさんくさい」らしい。この"だぼっ"とした服がおじさんとそうでない人との一線を画すアイコンであり、過度のゆとりが見る人に違和感を与えてしまうと記している。そのイメージを払拭するのが目下主流の「スリムフィット」。これは「スリムな人向け」の商品ではなく、よりフィット感を重視した商品を指している。見た目はすっきり、スタイルもよく見える作りは今回紹介したスプリングコートも同じだ。

トレーニングを重ね体型が細くなってくると、スリムフィットの服装が当たり前のようになる。それだけでなくフィット感の強い服を着ると無意識のうちに体型を維持しようと生活リズムや運動などライフスタイルも改善されてくる。今回購入したスプリングコートもジャストフィットでタイトなシルエット。ぴたりと合った肩からウェスト部分にかけてのくびれが気持ちよいくらいだ。これから徐々に気温が上がると代謝が鈍りがち、常にフィットネスを心がけ、スプリングのように弾む心で好きな服を着たいと思っている。

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コメント

管理人様、御無沙汰いたしております。
「スプリングコート」についての記事、読ませて頂きました。
じつは私も現在、レインコートを誂えているところなので、このブログのテーマは、実にタイムリーな内容でした。
生地は撥水防汚加工されたシルクの米澤織で仕立てております。
また、私も今年はハリスツイードのジャケットを修理に出して、より身体へのフィット感を高める事に成功しました。
考えている事が同じだと妙に親近感が湧いてきて、面白いものですね。^_^

グレートギャツビー様

ご無沙汰しておりまs。
アップ後早速のコメントを有難うございます。

何とレインコートをオーダーされていましたか!撥水加工の施されたシルク生地、織り目が見えて光沢のある感じなのでしょうか?とても興味があります。

最近はグレンフェルもマッキントッシュもグローバーオールもクリサリスも英国のアウターメイカーはこぞってスリムフィットが主流です。いったいレインコートを誂えるとどんな感じなのか今度教えてください。

もう一点ハリスツィードのジャケットを修理に出されたとのこと、やはり銀座のサルトでしょうか?こちらの印象もお時間のある時にお聞かせいただければなお幸いです。

管理人様

シーポートブルーのコート、素敵ですね。ロロピアーナの生地と言うところもぐっときます。
ロロピアーナという生地メイカー名を初めて聞いてから30年近く経ちますが、今でも特別な思いがよぎります。

グレンフェルもマッキントッシュも時代に沿った魅力的な商品が多くなりましたね。
今ぐらいであまり行き過ぎないでほしいと思います。

先日、ラルフローンにコートを見に行ったのですが、パープルレーベルのコートが36万円もしたので、目が点になって帰っててきました。

綿コート購入は秋までじっくり悩もうと思っています。

PMT様

早速のコメントを有難うございました。

ロロピアーナといえば高級服地メイカー、イタリアンファッションを知る者ならば誰もがその名を聞いたことがあるはず。そのロロピアーナをマッキントッシュが扱うのですからこれはもうニュースです。英国のメイカーも随分変わったなと思いました。

でも不思議なことにどんなにエキセントリックに見えても現代の洋服の基礎を築いた英国らしく、ただの奇抜なものだけに終わらないトラディショナルが感じられるのが不思議なところです。

ラルフの値付けは?と思う程最初の値段が高いですが、セールになると最後は「お、これなら買えそうか…」というあたりまで下がって来るので昔からセール街で買ってばかりいました(笑

今度の週末はラルフ・ローレンのファミリーセールがありますのでそこでスプリングコートも含め色々と物色してきます。何か有力な情報がありましたらアップします。

管理人様

ご返答有難うございます。

ラルフローレンのファミリーセールのハガキ、私のところにも届きましたが、いつ行こうか迷っています。
以前、入場待ちの列が長過ぎて、断念して帰った事があります。
初日は平日でも混むし、土日も混むので・・・

PMT様

私は最終日にしか行けないので、残り物を見がてら出向きます。意外とやや高めの良品が残っていたりして、最終日はよく買い物をした覚えがあります。残り物には福があるといった感でしょうか。

チェスターバリー製のパープルレーベル・スーツをまとめて2着購入したこともありますし、マッキントッシュ別注のポロネームフィールドコートを買ったのも確か最終日でした。

もっとも本当にファミリーセルで家族連れで混雑する会場ではゲームに興じる子供が待合い場所にたむろしていたりします。その光景はマディソン街の高級然としたWASPの殿堂とは程遠いブランドイメージのなれの果てといった感があります…。

管理人様


明度のある青に白のパンツ、綺麗な組み合わせですね。
ただ、下手すれば品を失いかけないところを、素晴らしい靴が、しっかりと均衡を保っているように見受けます。

身なりの土台となるのはやはり靴で、そうした素晴らしい靴を数多くお持ちであるのは、羨ましいかぎりです。

やまだ様

コメントを有難うございます。

仰るようにある程度押しの強い靴を履かないとコートと白パンツの組み合わせに負けてしまいます。底で選んだのがアリゲータのローファーでした。

ある程度好みの靴を誂えると今度は着こなしの中でどのように生かそうか考えるのが楽しくなります。最近は作るペースを落として、その分履きこなすのに力を入れようと思っているところです。

管理人様へ
返信が遅くなってしまい済みません。
まず、コートについてですが、
じつは昨日、仮縫い合わせをしに神戸の石田洋服店に行って来ました。
レインコートの素材となる生地は、目の詰まったシルク生地で撥水防汚加工されているものです。
私が最初に思い描いたデザインは、バルマカーンをベースに極力余計なものを省いたシンプルで飽きのこないデザインのコートです。
色は、濃紺です。サイズは、仰るようにスリムフィットです。
着丈は、今流行りのコートよりは、長めです。
実用性と見た目の美しさを兼ね備えたコートを目指していますが、出来上がってみないことには、何とも言えないです。(笑)
それから、ジャケットの修理については、最初は管理人様のように銀座サルトやコーダ洋服店などの修理専門業者に依頼しようかとも考えておりましたが、前述の石田洋服店さんにお願いしました。
それにしても、管理人様のスプリングコート、なかなか素敵ですね。
色もビビットで、私も登山用のゴアテックスのレインコートに同じ様な色のものを持っております。
来年、北陸新幹線が開業すると金沢と東京は片道 約二時間半で結ばれる事になります。色々な意味で楽しみですね。(笑)

グレートギャツビー様

なるほど、コートのオーダーも服の修理も石田洋服店さんでしたか。石田原さんのところでしたら安心して任せられると思います。

紺色のコートを作られているとのこと。濃紺のコートですと着回しが一番効きますので一つは持っておきたいアイテムの一つだと私も感じていました。自分の色選択もぎゃつびー様に近く、間違っていなかったようで自信がつきました。

新幹線開通の暁には是非東京で、どこかの受注会でお会いできますことを楽しみにしております。

私も去年レインコートを仕立ててみました。撥水加工した綾織のコットンで。色は本当はベージュっぽいカーキが良かったのですが、生地が足らなくて、泣く泣く白っぽいストーンになりました。普通にトレンチコートではつまらないので、ポロコートにベルトを付けた物にしました。ベルトループを付けると野暮ったいので、バックベルトのボタンに装着できるようにしてみました。襟を立てるとハンドのハ刺しが目立ち、結構クールです。

ストームシステム、色々な表地が出てますね。ヴィキューナまであるのは驚きです。よくよく考えると結構既成で買ってたりしてます。決して縫製に納得してる訳ではないのですが(笑 ブランドに弱い?

住職さん

やはりレインコートを仕立てられましたか。結構既成で間に合っているので中々レインコートをオーダーという発想に辿りつきません。

ある意味既成の方がフィットを犠牲にしてもラインを出すところがあるのでそのラインが好きならば多少腕の上がりがきつく感じても買ってしまうところがあります。

今回のマッキントッシュもラインは中々綺麗です。

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