最近のトラックバック

« ソックス考 | トップページ | 3 Roll 2 Lapel (段返りのスーツ) »

2013年2月 9日 (土)

ソックス考〈続編〉

前回も書いたがつい最近ソックスの奥深さに気がついた。もともと短めのパンツからアーガイルの靴下が覗くというイメージはアイビー好きなので特に抵抗はなかったが、アメリカントラッドやクラシックなテイラードスタイルに落ち着くと「目立ちすぎないこと」に気を配り過ぎて、色柄物のソックスを避けてきた節がある。今はなきパリのオールドイングランド、その社長がパステルカラーのソックスをスーツに合わせているのを雑誌で見た時も自分では真似しようとは思わなかった。

ところが最近は短めのパンツに存在感のあるソックス、足元はスリッポンという着こなしをする機会が増えたこともあって、お洒落の達人のソックス使いを参考にしている。雑誌で見かける上級者はケリーグリーンの差し色使いやグラデーション風、柄の1色を拾ったりチェックオンチェックにしたりと、まるでネクタイ合わせのようだ。ソックスをパンツと靴の繋ぎだけでなく主張をもたせながら新たな着こなしを提案している。そこで、今回は前回の「ソックス考」続編を紹介しながら、ソックスの組み合わせの妙を伝えられたらと思う。

1.靴と靴下:パンツのコーディネイトNo.4

05

リアルアメリカンアリゲータを使った贅沢なモカシンは勿論メイドインUSA、恐らくはランコート&Coあたりのメイン州に残るシューファクトリーによるものだろう。上質なモカシンを長く楽しもうとソールにはラバーを貼って耐久性を高めた。一方ボトムスはホワイトジーンズ、UJ(ユニクロジーンズ)のものだ。エラスティックの2%入ったストレッチ素材が心地よい。間にブルーのレジメンタルソックスを挟み、上はチャンピオンプロダクツのリバースウィーブ・フーデッドパーカはどうだろうか。

2.靴と靴下:パンツのコーディネイトNo.5

13

こちらは靴の素材とソックスのレジメンタル部分の色を合わせたもの。靴は言わずと知れたパリはウェストンのシグネチャーローファーだ。最も贅沢なゴールデンアリゲータ使いの1足は値段もビスポークシューズ並み、だからこそカジュアルに履く。合わせたパンツはシルク&リネンの春夏用ガンクラブチェック。ポールスチュアートのものだが、太く今の雰囲気に合わないので、PT01を参考に街のテイラーさんに持ち込みワタリ幅から裾幅まで徹底的に直しを入れて貰った。

3.国産のライセンスソックス

18

一番上からポールスチュアート、下の2つがラルフローレンのもの。国産のトラッド系ライセンスソックスはナイガイなど優良メイカーによるものが殆ど。耐久性もあり価格も抑えめなのでまとめ買いするのに適している。春夏はコットンにポリエステルやナイロンを加え、秋冬物はコットンがウールに代わる。グリーン系のソックス2足は差し色として、一番上に乗ったベージュノアーガイルソックスはパンツとのグラデーション用に購入。品質は殆ど同じだが、アーガイル柄の方が高めの価格帯になっている。

4.靴と靴下:パンツのコーディネイトNo.6

04

パンツのサンドベージュ色より1段トーンの明るいライトベージュのソックスをグラデーション風に重ね、JMウェストンの名靴ゴルフと合わせる。写真のゴルフは1994年にパリで購入した1足。間もなく20年を迎えようとしているとは信じられないほどしっかりとしている。実にタフな靴だ。ゴルフは今また脚光を浴びているらしく、丸みを帯びたデザインとゴツいソールがドレッシーな靴を見慣れた人には新鮮に映るのだろう。サックス色のアーガイル模様が着こなしのよいアクセントになっている。

5.靴と靴下:パンツのコーディネイトNo.7

06

厚手のチノパンツはG.T.A。イタリアのブランドながらエイジング加工の生地がラルフローレン調のコーディネイトに合う。差し色用にと買ったオリーブグリーンのソックスも、プラグ部分のマドラスチェックとぴったり合っていて偶然とは思えない程だ。靴はメイン州のランコート&CoへMTOをかけたもの。ラルフ別注で残ったマドラスチェックをヴァンプに使うよう指定した完全個人別注。上はプルオーバーのマドラスチェックBDシャツをタックアウトで羽織り、更にその上からコットンセーターを肩掛けする。仕上げにWリングのリボンベルトを捲いて先端を垂らすといった流行りのコーディネイトにしても良さそうだ。

6.靴と靴下:パンツのコーディネイトNo.8

12_3

純白の綿パンにアリゲータ・スリッポン。以前は思いもつかない組み合わせだがドレススタイルのカジュアル化が進んだ最近では、この上にポロシャツとネイビージャケットを合わせてオフィスワークをすることも可能だろう。尤もその場合靴はエキゾチックレザーではなくカーフの方が無難だが…。パンツはPT01のハイテックカーゴパンツ、ヘリンボーンの織りが入った細身の1本。サイズを下げて46を合わせているので一層細く感じる。靴はジョージ・クレバリーのアリゲータ製ハーフバンドローファー。ビスポークならではのシェイプとマテリアルが目を引く。

7.ファストファッションのソックス

19

以前も紹介したことのある、日本が誇るファストファッション、ユニクロのソックスだ。今回は無地ではなくアーガイル、短めのパンツにスリッポンを合わせれば十分差し色ソックスとしても通用する。それでいて価格は3足でも国内ライセンス品の有名ブランドソックスより価格が抑えられているのだから侮れない。厚手なのでタイトな靴には合わないが、履き心地は申し分なく、耐久性も高い。シーズン毎に全て交換したとしても元のとれるコストパフォーマンスの高さが光る。

8.靴と靴下:パンツのコーディネイトNo.9

07_2

カントリー調のノルヴェジアンシューズはルーマニアのサンクリスピンのもの。ボノーラ時代からの付き合いなので、マイラストでパターンオーダーもフルビスポークも受けてくれる。ただし仮縫いは無しだが。コーデュロイパンツはソックスの緑を拾って、最初からペパーミントグリーンのインコテックスを合わせるつもりでいた。上に羽織るのは濃紺のカーディガンあたりが良さそうだ。インバーアランのようなローゲージもよいがコーギあたりのカシミヤ混やコットンのアーガイル模様も合いそうだ。

9.靴と靴下:パンツのコーディネイトNo.10

10_2

アメリカントラッドなスタイルには欠かせないタッセルスリッポン。ブルックスネームで製造は勿論オールデンだ。1990年購入だから既に23年過ぎている。ウールパンツに赤のアーガイルソックスは差し色使いの典型、それでも時々こんな組み合わせをするのも楽しいものだ。パンツはPT01のグレーフランネル、上は何を持ってきても合う鉄板のパンツだ。レタードカーディガンなどのニットやブレザーにツィードジャケットなど、選択には苦労しないだろう。軽めのニットにグレンフェルのダスターコートあたりを羽織ってもよく合いそうだ。

10.靴と靴下:パンツのコーディネイトNo.11

08_2

裾を若干折り返したデニムにアーガイルソックス、足元はごついコードバンのウィングチップダービー。如何にもラルフローレンのカタログに出てきそうな組み合わせだ。靴はクロケット&ジョーンズ製、もちろんラルフネームのもの。一方のデニムはストレッチ素材入りのUJ(ユニクロ)。コードバンの皺を意識して裾を洗いざらしにしてある。ファストファッションを1点どこかに取り入れるという雑誌の提案を参考に、トップスはスタジャンやピーコートでもテイラードジャケットでも良し。デニムならではの懐の深い合わせが期待できる。

2回にわたって特集してきたソックス、今回はどんなふうに足元から見えるだろうかあれこれ想像しながら色、柄、素材に拘って買い求めた。お陰で地味なグレーや黒のソックスばかり目立っていたクローゼットの一角にカラフルになソックスが並んでいる。見ているだけでも中々楽しい。それでも注意してみてみるとやはりお気に入りの色目が多いようで、オレンジやパープル、オリーブグリーンやブルーが目立つ。今回は敢えて無地ではなくアーガイルやレジメンタルなどファンシーな柄物を選んだこともあってクローゼットの中が一層華やかなのだろう。

暦の上ではすでに春、これから5月のゴールデンウィークを過ぎると一気に初夏の陽気に包まれる。それまでの間がソックスの旬、時々珍しいソックスを買い足しながらちょっとしたコーディネイトを楽しみたい。素足が似合う夏を過ぎ、秋風が吹く頃になるまでに高品質のソックスも試しながら、履き心地や肌触り、発色や柄使いなどを次の特集でレポートできたらと考えている。ともかくこれから暫くはショップのソックス売り場やオンラインストアのソックスコーナーを覗く機会がぐんと増えるだろう。

« ソックス考 | トップページ | 3 Roll 2 Lapel (段返りのスーツ) »

小物(accessories)」カテゴリの記事

コメント

管理人様

ソックス考、続編共に楽しく、とても参考になりました。ソックスの話題から着こなしのスタイル、コーディネイト談議に発展し、あらためて服飾の楽しさを実感いたしました。

私も昨年末、ユニクロでアーガイルソックスを買いました。管理人様と同じ色は無く、同じショップでも違う色を選ぶのも服飾のまた面白いところですね。やはり少し厚手なので十分に馴染んだ靴の時に履いています。

こんばんは。
流石ですね、管理人様。
ユニクロのリラックスジーンズは、一度足を通すと他のジーンズに足を
通す気にならないくらい良いです。
ストレッチ素材が心地よくて快適です。
私も持っています。

管理人様

こんにちは。今回は東京でお会いできず残念でした。次回を楽しみにしています。

ところで、柄物ソックスのロングホーズってなかなかないですよね。私はソックスに関しましてはロングホーズかショートソックス(夏場のスニーカー着用の時だけ)しか着用しません。ジャケットスタイルの際には柄物ホーズで遊びを入れたいのですが、とにかく柄物ロングホーズで良いものが見つかりません。

どこかで良いものをご存知でしたらご教授くださいませ。

パードレ

PMT様

3連休中、早速のコメントを有難うございます。

やはりPMT様もユニクロのソックスを買われましたか。しかも同じ色が被っていないというところがお洒落に一家言ある方の集まりに相応しいなと改めて思いました。

仰るように厚手なのでよく馴染む靴か、最初から厚手のソックスを履くことを想定している靴と合わせるのが定石のようです。

グレート・ギャツビー様

早速のコメントを有難うございます。

やはりグレート・ギャツビー様もユニクロのストレッチジーンズをご愛用されていますか。生地が薄いので寒い日にはやや心もとなく感じる時もありますが、コストパフォーマンスの高さと履き心地の良さは大したものです。

ユニクロのパンツにビスポークシューズ、「ひょっとして靴にお金をつぎ込み過ぎてパンツまで気が回らないのか?」と思われるかもしれませんが、安くても高級品に引けを取らない強みがユニクロやギャップの製品にはあります。

上から下まで小物以外はビスポークもので統一する時もありますが、自分としては値段に関係なく、いつも気に入ったものを着ていたい、そう思っています。

パードレ様

ご無沙汰しております。

3連休の週末はクレバリーに行かれたのでしょうか。
申し訳ありません、今回は平日に訪問して週末は田舎に帰っておりました。次回はぜひご一緒させて頂ければ幸いです。

ところでご質問にありました柄物のロングホーズですが元々ロングホーズが得意でないこともあって私も教えてほしいくらいなのです。

ただ、昔セール時期にロンドンのニュー&リングウッドを訪問、1階で色々と物色したらロングホーズの種類がとても豊富なのに驚きました。やはり英国のサイトを探されるのも手かもしれません。もし良いお店を見つけられましたらぜひお教え下さい。

こんにちは。
紳士物の靴下というと、家人の持っている、黒、紺、グレーしか知りませんでした。
実はカラフルなんですね。
これだけ大胆な色遣いだと、実際どう組み合わせるのか、全く想像がつかなかったのですが、管理人さまの写真を見て、とても素敵だと思いました。

管理人さまの文章を読んだり、写真を見ていると、華やいだ気持ちになれます。ありがとうございます。

格の上様

お褒めの言葉を頂き有難う御座います。特に「華やいだ気持ちになれる」とのお言葉は嬉しくも有難きお言葉として心に留めておきたいと思います。

紳士物の靴下を日頃ご覧になる機会が多いということですと、格の上様は女性ということになりましょうか。男性の鮮やかなソックスをどのようにコーディネイトするか、少しでも参考になれば幸いです。

これからも細々と更新して参りますので時々お立ち寄り頂けますと幸いです。

パードレ様お初にお目にかかります。毎回くだらぬ書き込みで管理人様、ゲストの皆様を苦笑させておりますが
これもまた(枯れ木も山のにぎわい)と思ってくださいませ。さて柄物のロングホーズ。行きつけのBB福岡店にアーガイル柄が置いてありますよ。私も値段の高さにビックリしましたが一足だけ未だに穿かずに箪笥の肥やしに所有しております。これはやはりカントリージャケットにニッカポッカーを履いて、靴はギリーシューズなどがバッチリではないでしょうか?ちなみにこのロングホーズ上代は豊後は津久見出身のお方より下で女流作家の樋口一葉さんより上だったようです。

管理人様の今回ソックスと同時に披露された数々の銘靴群
今ではメイカー、素材、生産国。など全てわかるようになりました。一番好きなのは4番目のヴァンプにマドラスチェックをあしらったバックルドスリッポンです。
大いーーーーーー好きな靴です。

浦野様

有難う御座います。当ブログの記事に目を通して頂いている浦野様ならば、「またあの靴が出てきたな…」と手に取るようにお分かりになってしまうのではないかと恐縮いたします。

マドラスのバックルドローファーは何しろヴァンプ部分の生地がラルフ由来ですので浦野様に気に入ってもらえるのは言わずもがなではありますが、世界でたった1足しかない靴でもあります。

そういった意味ではビスポークと同じマイオウンペアとして大変貴重ではあります。

こうして見ますと、たかがソックス、されどソックス。と考えてしまいます。パンツの色にあわせるか?靴の色に合わせるか?かなり苦しい選択ですね(笑)私はアーガイル柄のソックスでは秋冬はダークな配色、春夏は明るい配色と決めております。そして以前小倉に行く際に皆様を悩ませたように毎回ソックスには色、パターンで悩んでおります。
追伸  二月の誕生日にトッズ好きな姉からRLのソックス2足色はかなり薄いグレーで穿き口に5ミリのピンクのストライプ折柄はチェックにもっと薄いグレーのポニーマーク。もう一足はちょっと故油井ライトグレーの縦リブ編みのポニーマークはイエローを頂きました。

すみません濃いを故油井と変換してしまいました。今夜は風邪も治り、一週間ぶりにお酒を飲み酔ってしまいましてすみません。前にお話しいたしました黒のローレンライオンローファーを履くときには真っ赤なソックス(靴のインソールが真っ赤な為に)を合わせます。

浦野様

確かに仰るとおり「たかがソックス、されどソックス」だと思うことが最近とても多くなりました。アイテムとしては安価なもの(もちろん高価なソックスも探せばきりがないのですが)ではありますが、時として着こなしを決定的に左右する力があります。

「秋冬に暗めの柄物を、春夏に明るめの柄物」は鉄則ですが、最近は冬でもホワイトのパンツを履く着こなしが定着してきたのか、グレーのダッフルコートにホワイトデニム、赤のソックスに黒のローファーなどというビビットな組み合わせも良いなと感じます。

トッズがお好きなお姉さまから洒落たソックスを頂いたとのことで、流石靴愛好家の御姉様らしい粋なプレゼントだなと感心いたしました。私も今だったらソックスのプレゼント大いに嬉しく感じると思います。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ソックス考 | トップページ | 3 Roll 2 Lapel (段返りのスーツ) »