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2012年11月24日 (土)

Wool-tie(秋冬の装いⅢ)

ウールタイの恋しい季節になってきた。ここ何シーズンか秋冬物の季節になるとネクタイ売り場に様々なウールのネクタイが並ぶ。ピュアカシミアの柔かなものからカントリーテイスト溢れるツィードのものまで昔よりずいぶん豊富な品揃えだ。アラン・フラッサーが著書スタイル&ザマンの中でカシミア・ネックウェアを絶賛してたのが確か1990年代だったから、ウールタイが出回るようになったのはそれほど昔ではないのかもしれない。

素材感からフランネルやツィードなど紡毛系の生地と相性の良いウールタイだが、逆に梳毛系(ウーステッドなど)の生地には合わせづらい。シルクタイと違って守備範囲が狭く、合わせる服を選ぶので、ウールタイを買う時は「あのジャケットに合いそうだ。」というように特定のコーディネイトを考えて選ぶ必要が出てくる。そこで、今回はこの秋冬用にと新たに買い求めた2本のウールタイを中心に秋冬の装いを考えてみようと思う。

1.カラフルチェックのウールタイ

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最初に紹介するのはウールに少量(10%)のコットンを加えたネクタイ。英国のブランド「ダッシングツィード」に通ずる個性的でカラフルなウールタイだ。もちろんビジネスで締めるには派手すぎるが週末のジャケットスタイルに合わせるには楽しい1本。用意したジャケットは紡毛系の代表格ツィード。シャツはコットンネルでトラウザーズもフランネルと靴以外は全て起毛素材で合わせてみた。

2.Vゾーン(その1)

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ジャケットは枯れ草色のハリスツィード。フロント5つ釦で胴絞りのきいた個性的な1着だ。そこで合わせるウールタイもジャケットと色目を合わせ、なおかつジャケットのアクに負けないものを選んだ。カラフルなタイとチェックシャツでビジーなVゾーンになるが粗野なツィードを羽織って全体を落ち着かせる。ネクタイを1本新調しただけでも新鮮な着こなしができるのだからいい買い物をしたと思う。

3.ジャケットのコーディネイト

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ポケットチーフはシルク素材。本来ならば薄手のカシミアチーフが欲しいが、手持ちの中で生地表がマットなのものを選んで挿してみた。チーフの赤はタッターソールの赤い格子を意識して選んだもの。タッタ-ソールのシャツは昔のハケット、ツィードジャケットとポケットチーフはラルフ・ローレンのもの。どれも1990年代のアイテム。20年以上前のものだが今も現役、トラッドアイテムは確かに長持ちする。

4.ネクタイのメイカー

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今回購入したネクタイは英国の「シーワード&スターン」。ターンブル&アッサーのデザインダイレクターとネクタイ業界の2人によって2002年に創業された若いブランドとのこと。偶然最近の男性服飾誌に特集が組まれていて読んでみた。クラシックとトレンドをうまく組み合わせたアイテムが人気を博しているようで、なるほどこのネクタイも一見派手だがオレンジ以外は原色を避けた柔かな色遣いが今風だ。

5.ボトムスとベルト

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トラウザーズはサウスウィック製、ブラックフリースのものだ。ボタンフライのクラシックなスタイルで昔のアイビーを彷彿とさせる。手持ちのフランネルトラウザーズの中で最も地厚でダークなこともあって履く機会が多い。一方のベルトは毎度登場するハケットのブライドルレザー。こちらもカントリースタイルには必須の1本。上から下までラテンアイテム抜きのアングロ・アメリカンなコーディネイトで仕上げてみた。

ウールタイとジャケットを変えて

6.オリーブグリーンのウールタイ

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今回紹介するもう1本のネクタイは一見グリーン無地と見紛うもの。もちろんウールタイだが先に紹介したシーワード&スターンと比べるとぐっと地味な印象だ。そこでジャケットをヘリンボーンからガンクラブチェックの派手な柄に交換、ただしシャツやチーフ、トラウザーズやベルトは替えずにコーディネイトしてる。一番目立つネクタイを地味なものに替えたせいだろうか遠目からは控え目な印象に見える。

7.Vゾーン(その2)

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ツィード素材のネクタイは張りとコシの強いもの。深緑のヘリンボーン柄に赤と青のウィンドウペインが切られた地厚な生地はどう見ても本格的なジャケット用といった感がある。上手にディンプルを作るのに苦労するがその分立体感は十分、Vゾーンが綺麗に持ち上がってくる。シャツとタイにジャケットとトリプルチェックの組み合わせではあるが、柄の大きさや色目に気を使うことで上手く調和が保たれたようだ。

8.ジャケットを換えて

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上着は英国製のハケット。昔ダイドーがライセンシーをもっていた頃の数少ない直輸入ものだ。流石にデザインは古臭さいがその分味わいは抜群。生地の枯れ具合や着込んだ感じが気に入って、秋冬になると袖を通す機会が増えてしまうジャケットの代表だ。そういえば20年以上前、当時本切羽をわざと開けて着ていると、デパートの仕立て服コーナーの店員が「お仕立てもの」ですねとこのジャケットを見て声を掛けてきたことを思い出す。

9.ネクタイのブランド(その2)

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裏地が「シーワード&スターン」のようなネクタイ。英国製のようだが縫製はイタリア製、ブランドはアメリカものという一本。世界中の良品を扱うニューヨークの名店ポール・スチュアートらしいネクタイだ。近ごろ珍しい直輸入ものを日本で購入。値札には24150円(税込)の定価が付けられていて驚いた。マリネッラの7フォールドタイに迫る価格だ。以前は適正価格のインポートタイを扱っていた路面店も最近はライセンスものが増え、品揃えも変わったようで少々残念だ。

10.コーディネイトした靴

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トップスからボトムスまでネクタイを含め全て起毛素材で揃えたので、あえて靴だけはスェードを避けて光沢のある靴を選んでみた。ジャケットスタイルらしく外羽根の靴を用意、どちらも英国製だ。左は旧エドワード・グリーン製のロイド・フットウェアネーム。右はクロケット&ジョーンズ製のラルフ・ローレンネーム。両店ともノーザンプトンの老舗ファクトリーに別注した逸品。

11.コーディネイトした靴(その2)

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左のドーバーは幻の素材ヒュームド・オークタンを使った1足、スキンステッチやハーフミッドソールなどスペック満載だ。1990年の購入当時はロイドかビームスでしか買えない名靴だった。価格は48,000円という今では信じられない値付け。一方右のウィングチップは既に紹介済みだが、ホーウィン社製コードバンを使用したポロ別注のフルブローグ・ダービー。セールで購入日本円で約53,240円ととこちらも破格の値段。

初めて買ったウールのネクタイはピュアカシミアのものだった。伝統的なドレスゴードン・タータンのカシミアタイは。極上の肌触りが心地よくてその後暫くはカシミアタイに凝ったこともある。マーロやドレイクス、ホリデー&ブラウンやブリューワーといった有名なタイ・メーカーのカシミアタイはどれも現役、仕事で締めることはあまりないが秋冬になるとネクタイ置場の手前に並べて出番を待っている。

最近ではウールシルクの小紋柄、コットンウールのパステルタイなどシルク素材同様ビジネスにも使えるウールタイがずいぶん出てきている。つい最近も新調したフランネルスーツに合わせて新たにウールタイを買い求めたところだ。寒さの増すこれからがウールタイの本番、素材感や色調に気を配りながら、新しいコーディネイトで自分なりの装いを楽しみたい。

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コメント

管理人様

両方とも素敵なコーディネイトですね。特にその1は新鮮です。
ツィードのジャケットは最もコーディネイトの難しいもののひとつだと思います。

ツィードの似合う年齢になってこそ難しさが増すと思われます。
私はつい地味になってしまうのでとても参考になりました。

明日、久々にラルフローレンのアウトレットショップに行くので、掘り出し物があったら報告いたします。

PMT様

早速のコメントを有難う御座います。

シーワード&スターンのネクタイ、とても重宝しています。英国の考えるクラシックとモダンのさじ加減が丁度良い塩梅になっています。実はハケットが初上陸した時も同じように感じましたが「フレッシュかつエッセンシャル」とでもいえばよいのでしょうか。他にはない個性があります。

ツィードの着こなしといえばPMT様と同じように、私もつい地味な組み合わせになりがちなので、思い切って差し色をいくつか加えることにしています。慣れてきたらパンツを指し色にしてみようと思い、目下マスタード色のコーデュロイ・パンツを探しているところです。

ラルフのアウトレットに行かれるとのこと、掘り出し物が見つかるとよいですね。

管理人様

ラルフのアウトレットに行ってきました。

3着買うとさらに30%引きになるということで、店内をぐるぐると何度も回ったのですが、買いたい物がどうしても2着しかなく、結局何も買いませんでした。

わりとあざやかなグリーンのコーデュロイパンツがあって迷いましたが、大量にあったので次回行く頃にはさらに安くなりそうです。
つまらない報告ですみません。

PMT様

ラルフのアウトレットですが、3点買うと30%引きになる時、最後にタオルやソックスなどを買うと良いようです。私もどうしても2点しかなかったので最後にタオルを買い足してまとめ買いしたことがあります。

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