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2012年1月 8日 (日)

Winter Sale(オンラインでスーツを買う)

昨年末はいつにも増してセールのスタートが早かったらしく、スーツやコートなどの大物もクリスマスが終わると同時にオフプライスになっていた。海外に駐在していた頃は、デパートなどは最後は定価の90%オフという破格値を付けてでも商品を売り切る姿勢が明確で、セール品を見る楽しみがあった。セール最初に値段をチェックしどんどん下がる価格と頃合いを見計らって「残り物には福ある」買い物をしたことが懐かしい。ところが日本は定価から一定(だいたい50%のようだ)以上はオフプライスにならないのだろう、後はいつ行ってもセール価格も変わらない。一瞥して目ぼしいものがなければその後は同じ売り場を再度訪れることはまずない。

このところの急激な円高によって、インポートブランドの商品は国内のセールプライスが本国の定価よりも高い現象さえ見られる。以前このブログでも書いたが、今回は国内のセールは一切見ず、オンラインのセールを利用すると決めていたが、ここで昨年のクリスマス明けにオーダーしたブラックフリースのスーツが届いた。そこで今回はオンラインショッピングの続編として、第2弾「スーツの購入編」をお届けしようと思う。

1 ブラックフリースのスーツ

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届いたばかりで直しの済んでいないスーツ。やや見辛いが今回はトルソーを使用せずに紹介してみる。素材はウール100%のグレンチェックにオーバーペインの入ったウーステッド素材。袖のライニングはベンベルグ(キュプラ)で身頃やトラウザーズの腰裏はコットンを使用したクラシックな作り。フルライニングで袖は本切羽のアンフィニッシュ、肩と袖に入る仕付け糸などセレクトショップなどで見慣れた形状。専用のガーメントケースに入りフェデックスで送られてきた。

2 ラペル裏

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3つボタンでロールオーバー(所謂段返り)のラペルは今までのブルックスにはない小振りなもの。上襟と下襟の合わせは手縫いのようにみえる。上襟の裏には通称ヒゲと呼ばれる持ち出しが見られ、テイラード仕事の名残りを工程として敢えて残しているようだ。手持ちのブルックスはメイカーズ(オウンメイクに近い)のスーツにも見られない仕様で、ブックフリースの拘りが感じられる。因みに縫製はブルックスにより買収され今や自社工場となったサウスウィックによるもの。

3 ブレストポケット

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英国調の箱ポケットというよりは、イタリアのサルトが用いるバルカポケットの形状に近い胸ポケット。ただしアイロンを駆使した強いカーブを描く本格的なバルカではなく、あくまでもアメリカントラッドの雰囲気を損ねない程度に留めているかのようだ。第1ボタンのロールはほんのわずかにかかる程度で昔のジャケットのようにフルロール(第1ボタンホールが完全に折り返っているもの)してはいない。ラペル端の星ステッチはAMFステッチではなく手縫い仕上げになっている。

4 ボタンホール、ポケットのフラップ

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アメリカントラッドの服はポケットの裏に服地を同じ生地を用いるのが普通だが、ブラックフリースでは欧州のテイラードと同じライニングを貼り合わせている。右のフラップを折り返した部分を見るとブルックスらしいトリプルストライプのコットンライニングが配されているのが分かる。ボタンホールは機械縫いでこのあたりはブルックスの最上級ラインの方が丁寧な作りを取り入れているかもしれない。

5 スーツのデザイン 

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クラシックスーツと銘打っているとおり、前身頃にはダーツを取らずサックスーツの雰囲気を残している。ただし、純粋なサックスタイルよりもやや胴の絞りが強いのと、何より着丈が短くトムブラウンらしいデザインが取り入れられているのが特徴で、後ろ部分はセンターフックベントではなくサイドベンツというところが新しさを感じさせる。身頃のボタンは水牛製の濃茶色のもの。黒靴でもよいがバーガンディやシガーコードヴァンあたりの紐靴もよく合いそうだ。

6 スリーブのイメージ

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クラシックなブルックスの3つボタンスーツのカフは(ブラックフリースではシグネチャーカフと呼んでいる)ボタンが2つだが、胴の絞りが入った所謂ナンバーⅡモデルはボタンが3つになっている。どちらを選択するか、せっかく既成服をカスタマイズ出来る機会でもあるので、敢えて3つボタンにして機械縫いで仕上げるのも良いかと考えている。いずれにしても直し業者に出すのはもう少し先(生地が真冬を除く3シーズン用に近い)になるのでじっくり考えたいところだ。

7 ロッカーループ

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デザイナー、トムブラウンの拘りだろうか、ジャケットの上襟後ろとトラウザーズのウェストバンド後という全く必要のないところにロッカーループが付いている。それでもブラックフリースのことをよく知る人が見れば分かるのかもしれない。一番分かってもらえるのは間違いなくブラックフリースの店員だろう。そういえばこのロッカーループはボタンダウンシャツにも付けられている。機能とは別に、他のブランドと一線を画すディテールとして取り入れられているのかもしれない。

8 身頃の裏側

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やたらと大きなブランドロゴの入ったタグが縫い付けられた左身頃裏。1の写真でも分かるように襟裏にも大きなBLACK FLEECEの文字が入ったタグが付いている。英国のテイラー仕立てが内ポケットの裏側に目立たないよう縫い付けているのとは正反対にブランドネームを強く主張しているようにも見える。サイズはBB1、日本のショップで試着済ということもあって躊躇わずに購入したが、細かなフィッティングはこれからだ。

9 トラウザーズのライニング

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トラウザーズの腰裏部分はインコテックスなどのイタリアンブランドが作るパンツ同様コットンのライニングが施されている。また両足部分はベンベルグのライニングが膝下まで縫い付けられたハーフライニング仕様。トラウザーズは細身のテーパードシルエットでノークッションで履くのがブラックフリース流。ウォッチポケットやベルトの金具を留めるループはなくすっきりとしたデザインが特徴のようだ。

10 コーディネイト

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ブルックスブラザーズが考える新しいトラッドに、昔から愛用しているアイテムを合わせることで新鮮なコーディネイトが生まれる。ここではシャツは昔のトラディショナルフィットではなくブラックフリースのタイトなものを、代わりにタイは昔のオウンメイク、ナンバーⅠストライプのものを、更にクラシックなチェックのポケットチーフを挿してコーディネイトを組み立ててみた。あとはクラシックなアメリカンウェルトシューズを合わせてお気に入りの装いを完成させる。

11 プライスタグ

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ブラックフリースも自社工場製になってから価格が下がったようでアメリカでのプロパー価格は1,375㌦だった。これを円換算すると1㌦=80円として110,000円になる。これが日本のブティックでは178,500円だった。既にこの時点でオンラインによる購入を考えるには十分な動機が生まれる。勿論輸入に際しては関税(恐らく10%)や送料直し代が加わるがそれでもサイズが分かればオンラインショッピングのアドバンテージは非常に高い。

今回はクリスマス後のセールでこのスーツが1375㌦から1031.5㌦になり、オンライン限定で更に20%オフになった時を見計らってクリックした。その結果スーツの価格は825㌦で送料を含め合計は875㌦、口座には日本円で69,076円がチャージされた。スーツ自体の価格を計算すると65,125円になる。この週末のセール状況を調べたところブラックフリースは定価の30%オフ(一部)だが、紹介したスーツは定価のままだった。勿論本国のサイトでも現在このスーツは定価だが、上手くタイミングを合わせるだけで178,500-65,125≒約11万円も節約できる。

この後支払う10%の関税や地方消費税を考えても価格差は絶大で、最初から国内でスーツを買うつもりの予算でオンラインショッピングしていれば靴やシャツ、ニット類やアクセサリーなどトータルコーディネイトも可能になる。そしてオンラインショッピングを利用すればする程お買い得感も増してくる。この後ベッドリネンやシャツ、ブレイザーやトラウザーズなどが届く予定だが、どうやら今回のウィンターセールは全てオンラインで無事済ませることができそうだ。日本に直接郵送する欧米のブランド品を購入しようと思ったら、それが日本限定やショップ別注でない限り、今のところオンラインショッピングに勝る買い方はないだろう。

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コメント

はじめまして。以前から楽しく閲覧させてもらっています。
円高の昨今、僕も個人輸入はとても気になっています。しかし、(これは国内のネットショップに関しても一緒ですが)やはり購入したことのないブランドだとなかなか踏み込めないのも事実です。サイズ表記も海外のネットショップはアバウトな面もありますし…。悩ましいところです(^^;

投稿: KEN | 2012年1月 8日 (日) 22時35分

KENさん

初めまして、当ブログへの訪問並びにコメントを頂戴し有難う御座います。

仰るとおり、ブルックスで前回エクストラスリムフィットのシャツを購入し、今回スーツを購入したのも日本でのフィッティング(マイサイズの購入や試着)が先行経験として生きているからに他なりません。

ですので、復刻版6つボタンのブルックスポロカラーを販売したデパートの企画力には敬意を払いたいと思いますし、同じデパートでブラックフリースを試着させて頂いたの店員さんの計らいには感謝しております。

オンラインショッピングのコツは比較的サイズの誤差が少ないシャツやネクタイなどのアクセサリーから入って、カジュアルウェアにその範囲を広げ、更にオールデンやニューバランスなどの靴を、そして最後にはスーツやコートといった重衣料を買うのが経験上良いのではないかと思っているところです。

投稿: 管理人 | 2012年1月 9日 (月) 00時01分

Black Fleeceのスーツをご購入との事、
少々意外でした。幅広い着こなし、流石です。
Black Fleeceのスーツはいつも"良いなぁ"と
思いながらも価格面から手を出せずにいたのですが、
7万円を切るのであれば非常に魅力的ですね。

投稿: シロ | 2012年1月 9日 (月) 20時32分

シロさん

ブラックフリースは友人がとても良いと薦めてくれたので、まずはシャツから入りましたが、確かに通常のブルックスよりも素材感など雰囲気があります。

今回のブラックフリースのスーツについては体型が変わったのでチャレンジのつもりで一番無難な生地のものを選んで購入してみました。これから直しに出して着るのは春先になりそうですが、自社工場となったサウスウィックの実力を試すにはいい機会だと思います。

追伸:サントーニのアリゲータUチップ、中々良さそうですね。デニムとの相性もバッチリといった感じがしました。

投稿: 管理人 | 2012年1月 9日 (月) 21時21分

はじめまして。最近このサイトを見つけ、過去の記事を少しずつ読ませて頂いています。

現在、私はロンドンに駐在しており、またアットリーニ、ヴェラ、リヴェラーノのスーツが好きなこともあり、とても参考になります。

今週末はミラノに行く予定なので、管理人さんがジャケットを購入していたキトンや過去にお薦めしていたメッシーナにも寄ってみようかとも思っています。

せっかくなので駐在中にサビルロウでスーツを誂えたいとも考えています。今度、お薦めのテーラーを教えて頂けると嬉しいです。

投稿: ヘンリー | 2012年1月11日 (水) 18時44分

ヘンリーさん

当ブログへの訪問ならびにコメントを頂戴し有難うございました。

ロンドンに駐在とのこと、紳士の身嗜みに必要なものは全てロンドンで揃うと言われています。羨ましい環境にいらっしゃると思います。

さて、スーツをロンドンで誂えられるご予定がおありとのこと。サビルロウはもとよりその他にも有名なテイラーがいますので、ご自身が一番お気に入りの店を見つけられるのが宜しいかと思います。

私も最初はオフサビルロウのファーラン&ハービーに世話になり、その後サビルロウのアンダーソン&シェパードに行こうと考えていたときにある方の薦めもあってヘンリープールにしたことを思い出します。

今はファーラン&ハービーもデイヴィス&サンの傘下ですので出来上がるスーツはどちらも純然たるサビルロウ仕立てです。そのクオリティは高く満足のいく出来上がりになっています。

ミラノに仕事で行かれるのならばフィレンツェにちょっと足を延ばしてリヴェラーノで仕立てられるのもよいかもしれません。

あまり参考にならないお答えで申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

投稿: 管理人 | 2012年1月12日 (木) 21時52分

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