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2011年2月19日 (土)

Bespoke last(エドワードグリーン#808)

このブログで以前紹介した時、一番多い既成靴の木型はグリーンの#808とロブの#8695だと書いたが、その後既成靴の整理を進めたこともあってかなり減ってきた。それでもグリーンの#202(旧)と並んで新生エドワードグリーンの#808が最も多い。ビスポークラストと呼ばれる#808は先代の社長によって開発されたもので、グリーンの中で最も美しいラストだと個人的には思っている。

その後#888など色々なラストが開発されたようだが、興味が湧かずにいるうちエドワードグリーンそのものが変わってきてしまったようだ。新工場に移転したことと関係があるのか、プロパーは勿論MTOも一気に値段が上がっている。そこで今回はビスポークより気兼ねせず使えるグッドイヤーながら、ビスポークの雰囲気を楽しむことができたエドワードグリーンの名ラスト#808を紹介してみたい。

1 #808ラスト

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左が初めて購入した#808ラストの靴、ATTLEE(パープルレーベルネーム)。あまりの履き心地の良さに感激して直ぐにMTOしたのが中央バーントパインアンティーク仕上げの同じモデルATTLEE。右はお気に入りの#808のラストでその次にMTOしたWIGMORE。今は履くのに十分なだけお気に入りの靴が揃ったが、当時は#808の美しさにあと何足かグリーンにオーダーしようと思った程だ。

2 パープルレーベル

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ロンドンのバーリントンアーケードにまだグリーンの路面店があった頃、#808の靴が欲しくて覗いたことがある。残念ながら在庫であったのはグラッドストーンだけだったので、アーケードを抜けてボンドストリートのラルフローレンショップに入った。靴売り場の店員は靴の事をよく知っていて、「このATTLEE(アットリーは)エドワードグリーンが作っている。」と言うので、「でも近くにグリーンのショップがあるよ。」と答えると店員は「ポロで買えばラルフローレンのイニシャル付のツリーが付いてくるぞ。」と上手いことを言う。結局その場で購入したのがこの靴だった。

3 MTOした茶色のATTLEE

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エラスティックの柔らかなフィッティングが気に入って直ぐにグリーンにメールでオーダーしたのがこの2代目ATTLEE。トップドロウァー仕上げを依頼し、ヒールリフトに化粧釘のような2列の釘飾りが付き、つま先にはサンケンメタルトゥチップを装着、べヴェルドウェイストでピッチドヒール仕上の靴が完成した。茶色の色目からもジャケット&パンツに合わせると最適だ。

4 MTO2足目の黒WIGMORE(ウィグモア)

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このWIGMORE(ウィグモア)がカタログに載った当初は#606が定番だったのだろう。他の木型で作られたものは見たことがなかった。一歩間違えると年配のサラリーマン愛用のスリッポン靴に見えるので#808で、ファインブラックカーフを指定し、化粧釘とメタルトゥチップを装着し、トゥデザインを別のパターンのものに変更した。このエラスティックタブシューズ、クレバリーでもビスポークしたし、次回フォスターでもオーダーするつもりだ。野暮になるギリギリ手前の格好良さがこのモデルにはあると思う。

5 靴の比較

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いずれもスリッポンタイプの靴だが、一番左のウィグモアは殆どスーツに合わせている。中央の茶アットリーはジャケットスタイルに、右の黒アットリーはスーツかグレーのジャケットスタイルに合わせることが多い。英国靴の良いところは着る服を選ばないことだ。イタリアでも英国でも、それがクラシックな紳士服ならば大概合う。それに座敷に上がるような会食がある場合や軽く柔らかな仕立てのスーツを着る時など、この3足を選ぶ機会はかなり多い。

6 パーフォレーション

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ラムズホーンと呼ばれるデザインは一番お気に入りのパーフォレーションで、これがトゥに開けられていることですぐに興味を持ったのがトップドロウァーシリーズのASUQUITH(アスキス)だった。最近のアスキスは別のパーフォレーションが付いているがこのラムズホーンこそベストマッチではないかと思う。ウィグモアのつま先をこのラムズホーンに代えたのは正解だったと思っている。

7 リソール

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修理から帰ってきた黒と茶のアットリー。オールソールをせず、減ってきたソールにビブラム社のラバーソールを装着し、ヒールリフトも同じビブラム製のものを付けてもらった。グッドイヤーの靴はソールの張替えが出来るのが利点だが、オールソールの値段が高すぎる。そんな時はこの修理方法が最適だろう。実用性では文句なく最高のパフォーマンスを誇り、「減りにくい、濡れにくい、滑りにくいと」3拍子揃った修理方法である。

#808のラストでMTOしたウィグモアがグリーンの最後だった。その後はロンドンに行く事もなくなり、東京で見るグリーンも別のラストや名前の分からないモデルがどんどん増えてしまった。最早エドワードグリーンからは取り残されているがそれでも構わないと思う。1980年代末の旧工場製のように高品質な靴や名ラスト#808で作られたグリーンの靴が手元にあるのだから。

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靴(Readymade shoes)」カテゴリの記事

コメント

いつも拝見させていただいております。
EdwardGreenの808は名作だと自分も思います。
ただ自分には82が一番足に合っているようなので82でShannonをMTOしました。
(10Fなのでサイズがなかなかないため本店で2時間くらい試し履きさせてもらいました。。。)
先日受け取りましたが土踏まずの内側がぴったりで履き心地が良いです。
初グリーンですが次はグリーンならばチェルシーなどの定番がほしいと思っています。

tkykさん
コメントを有難うございました。

#82、試したことがないのでわからないのですがお話からは中々良さそうな印象を受けました。

サイズが10Fですと国内で購入することは難しいのでMTOは自然の成り行きといったところでしょうか。

そこでShanon(確かブーツだったと思いますが)を選ばれるところがお洒落だと感心いたしました。しかも初MTOとのこと。オーダーに際し予めShanonをどのような場所に履いていくのか具体的なイメージがあったのではと想像しました。

MTOですから色々と細かなオーダーが可能なはずですのでtkykさんがどのようなブーツに仕上がってきたのか興味が湧きました。いつか機会がありましたらまたMTOについてお教え下さい。

管理人様

ご返信ありがとうございます。
いくつかのラストについてJermynStreet店を訪問した際に試し履きをさせてもらいましたが82が一番しっくり来ました。
実はブーツ自体初めてでした。おまけに初のEdwardGreenで初のMTOで初物づくしでした。
オーダーについては場面と言うよりもどちらかというとこんな服装に合わせたいというイメージがありました。
ブログにも画像をアップさせていただきました。
私の話でよろしければいつでもお話しさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

tkykさん
返信を有難うございます。

早速ブログを訪問させていただき、Shanonの完成品を拝見いたしました。何とも素晴らしいブーツです。コンビネーションというところがお洒落でしかもスェードとアンティークカーフの組み合わせもお見事です。初のグリーンで初のMTOで素敵なものを手にされると次々とMTOしたくなってしまうのではないでしょうか。

実は私がクレバリーに注文しているブーツのスタイルもtkykさんのShanonと似ています。もっとカントリーらしく3/8インチのソールを装着する〈予定の〉スクェアウェイストのごつめのものですがイメージが似ていて驚きました。これからも靴に限らずロンドン情報など色々とお教え下さい。

管理人様

ご返信ありがとうございます。
ごらんいただきありがとうございます。
また、そんなお褒めのお言葉を。
私のようなまだ靴に対する知識もない人間にはもったいないです。
初のMTOで履き心地もよかったので今後もMTOしたくなってしまいます。ただビスポークもしたいという気持ちも正直あります。

クレバリーに発注しているブーツのスタイルが似ているのですか。カントリーらしいなら普段ラフなスタイルで履けそうですね。
自分はラフな格好でも履ける前提ですが、スーツを着ても違和感がないようなものを選びました。
いえいえ。私は単なる旅行者なので旅行したときにしかアップデートできませんがこちらこそよろしくお願いいたします。
ロンドンでは靴と一緒に、シャツのビスポークもしていて先日受け取りました。
ただ、まだ袖に腕を通していないので実際に着たらそれについてもまた書かせていただきたいと思います。

以上よろしくお願いいたします。

tkykさん

ブーツの話をありがとうございました。もしあと1足グリーンでオーダーするとしたら#808でブーツと言うのもよさそうだと思いました。

それとロンドンでシャツもオーダーされたとのお話、どちらのお店でオーダーされたのでしょうか?お時間がある時にデザインや着心地なども含めお教えくださいますと幸いです。

ロンドンのシャツは身頃が大きすぎるのでビスポークのスーツには合わないかと思ったのですが、今回仮縫いしたウッズ&ブラウンのシャツはフィッティング後、背中にダーツを取って体によりフィットさせるとのことでした。当たり前ですが誂えのシャツは既成とは違うなと思いました。

誂えのスーツには誂えのシャツということでしょうか。

管理人様

ご返信ありがとうございます。
こちらこそ貴重なお話をありがとうございます!
#808をしっかりはいてもし足に合うようだったら何かオーダーしたいです。
シャツはSeanO'Flynnというシャツメーカーです。
型紙からとったわけではないのですが生地を含めて色々相談に乗ってくださいました。
あとなぜかカフスボタンをプレゼントしてもらいました。
デザインは英国スタイルの白シャツということでシーアイランドコットンを選んでオーダーしました。
ウッズ&ブラウンというメーカーですか。シャツメーカーは最近勉強し始めたばかりでまったくわからないです。。。

>誂えのスーツには誂えのシャツということでしょうか。
やはりスーツが誂えならばシャツも誂えの方が良いのではないかと思います。
自分はスーツというのはシャツを着た体にあわせるものであると考えます。そのシャツを着た状態は肌着を着ている状態と同じなのでやはり体にあった肌着を着ないと体のラインも綺麗に見えないのでスーツが誂えならばシャツも誂えが良いと思いました。逆にシャツが誂えならばちゃんとした肌着なので既製品のスーツでもいいのかなと考えています。
といっても誂えのスーツは自分には早いですし経済的にもまだまだ雲の上の話です^^;

tkykさん

シャツに関しての見解はtkykさんの仰る通りだと私も思いました。スーツより肌に近いシャツこそ誂えの方が良い訳で、既成のジャケットの下でもしっかりと体についてくる分、既成のジャケットの着心地が上がったような気がします。ましてや体に沿ったビスポークのスーツの場合既成のシャツでは時々?と思うことがあります。

SeanO'Flynnでは海島綿の白シャツをオーダーされたお話、いいですね。いつか私も海島綿でオーダーしてみたいです。

管理人様

自分の認識が間違っていないようでよかったです。
ビスポークのスーツに既製のシャツだと時々あわないと感じるときもあるのですね。
それがしっかりわかるくらい上質なものを持っていらっしゃるのだなと思いました。まだ自分はそこまで比べられる領域にはたっしていないかもです。。。
SeanO'Flynnについては偶然見つけたメーカーだったのですが、Seanさんもとても良い人で先日電話で届いた旨を報告したときも覚えていてくれました。
シーアイランドコットンは初のオーダーだから・・・とおもい思い切って注文しました。
価格は型紙を作るというわけではなかったからなのか190ポンドでした。

tkykさん
返信有難うございます。

シーアイランドコットンで190£はとても安いと思います。型紙を作らないということは既成のシャツをモディファイするような感じなのでしょうか。

自分もいつかシーアイランドコットンの白シャツを2~3枚まとめて注文したいと考えていたので参考になりました。

管理人様

お世話になっております。
ご返信ありがとうございます。

メジャーで採寸して最後にデジカメで撮影するというスタイルでした。
ブログにまだおろしていないのでオーダーしたときのことをすこしまとめてみました。
初めてでシーアイランドコットンはやりすぎかなとは思いましたが。。。
エイコーンにも興味があります。
ウッズ&ブラウンはWebなどはありますでしょうか?
もしご存じでしたらご教授いただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

tkykさん
ブログの方拝見しました。店の雰囲気はとてもよさそうですし、オーナーのSeanさんもやさしそうな方ですね。いいシャツが出来そうな感じがします。

さて、tkykさんがお尋ねのウッズ&ブラウンというのは以前、現在のSaenO'Flynnがあるサックビルストリートの7番地に店を構えていて、その奥にテイラーのファーラン&ハービーが店を構えていました。再開発が進んでいるようでどちらも店はなくなりましたが、ピーターさんはサビルロウのデイヴィス&サンで客を取っています。その関係で昔のウッズ&ブラウンのシャツを紹介して貰いオーダーしましたが、正式なウッズ&ブラウンのコンタクト方法は分かりません。

管理人様

ご返信ありがとうございます。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
Seanさんはすごく紳士な方でした。
まさに英国紳士と思いました。(言い過ぎ?)
Davies&Sonなのですね。ありがとうございます。
今もピーター(Peter?)さんがいらっしゃるならDavies&Sonに連絡をしてシャツの依頼をすれば作れるならば機会があれば作ってみたいなと思います。

靴好きな方がラバーでリソール??
履き心地がすごく変わってしまうのに、、、

何足も誂えている方が、オールソールをケチるのはとても違和感があります。なんで???

僕は修理にもきちんと投資して、お気に入りを長く履くのが本来の姿と考える人間なので、、、
だからリーガルごときを20年も履いてますが、、、
貴方の価値観が理解できません。。。

こんばんは。
エドワードグリーンのサイズについてご意見をお伺いしたく思います。
ラスト202の6と6ハーフとで悩んでおります。
6ハーフは正にジャストといった感じで、歩行等にも支障はありません。
6はぎりぎり足が入るといった感じで、歩行の際にも中々靴が曲がりません。

自分の考えでは、6で足が入るのだから6で良いじゃないかという感じもするのですが・・・。
6ハーフを選び、馴染んだ際に緩さを感じないかなども考えてしまいます。
 
管理人様のご意見を頂戴できればと思います。

浪漫様

靴のスタイルにもよると思いますが、私なら紐靴の場合は6ハーフを選ぶと思います。グリーンならば柔らかいので足に馴染むのも早いかと思うのですが、それでも足がむくんだときのことを考えると多分ハーフサイズビガーをチョイスするような気がします。

202だと多分紐靴なのかな…なんで想像しています。

管理人様

ご返答ありがとうございます。
と言いますのも実はデッドストックの旧グリーンのチェルシー、サイズ6を見つけてしまいどうしようか悩んでいました。
新グリーンを試着してみて前述のフィッティングだったのですが、新旧でフィッティングも変わるような情報も見受けられますし・・・。
6を買って本当に少しずつ馴染ませるのもありなのかな?などと考えています。

管理人様がウェストンの黒のローファーで『伝説のタイトフィット』を味わわれたときは、どのようなフィッティングでしたでしょうか。

浪漫様

ウェストンのローファーはサイズ違いを履いているに違いないという思いから抜け出せない日々がずっと続きました。特にヴァンプ部分の締め付けが厳しくて…

でも30年くらい経つと流石に柔らかフィットになったので、ウェストンはベストフィットを随分長い目で見てるメーカーなんだろうな…と感心したのも事実です。

ありがとうございます。
参考にさせていただきます。

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