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2011年1月23日 (日)

40pairs live in history(後世に残す40足)   第5回

後世に残す靴40足もいよいよラスト。アメリカントラッドから服飾のイロハを教わった世代としては、アメリカの靴をもっと残すべきだが、残念なことにオールデンしか残っていない。メイン州で作られたモカシンが何足かあるがウェルトシューズではないし、トニーラマやレッドウイングはウェルトシューズだがアウトドアの靴だ。アメリカ製のフローシャイムやジョンストン&マーフィーも以前所有していた時期があったが今はもう手元にない。

昔のメイドインUSAの靴は今よりもずっと高品質だったらしい。だが、ブルックスネームのアメリカ製ウェルト靴を作っているのがオールデンだと知って、取扱店をあちこち訪ねるようになった。海外駐在時はアレンエドモンズを扱う店を探し当て、試しにモカシンを1足買ってみたが、どうしてもオールデンの靴が欲しくなり、カーメルと個人輸入のやり取りをしたこともある。アメリカを代表するウェルト靴といえば昔も今もオールデンなのだ。

最終回:American goodyear welted shoes.

No:33 Tassel Slip-on made for exclusively Brooks Brothers

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1990年、ブルックスブラザーズのマディソン街本店の靴売り場に立ち寄った。グリーン製ピールやオールデン製コードヴァンシリーズが並ぶ中、選んだのは最も価格の安いカーフタッセルだった。当時、既にサックスーツに代表されるアメリカントラッドからラルフローレンに代表されるニューヨークデザイナーに興味が移っていたこともあって、せっかくだからと記念に購入したように記憶している。そんなこともあって、殆ど履かずに20年以上経過してしまったが、最近この靴を履いてみようと思い始めている。

No:34 Leisure Handsewn Moccasin made for BEAMS

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1991年頃、ビームスで購入した初めてのコードヴァンローファー。ヴァンプ部分がきつく、ウェストンのローファーと並んで我慢を強いられる靴の代表だ。海外駐在時に日本から持参したところ、現地のコンクリート製車止めにつま先をしこたまこすり、あわや廃靴になったが、アメリカ本国から取り寄せたカラー8(バーガンディコードヴァンを指すらしい)のクリームで補色していくうちに傷が見えなくなり、今もこうして現役を保っている。波乱万丈の1足だ。

No:35 Chukka Boots from Alden of Carmel

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1996年、海外駐在時に初めてアメリカのオールデンオブカーメルにファックスを送り、購入したチャッカブーツ。それまでバリーラストを試したことがなく、ハーフサイズ大きめをオーダーしてしまったが、それでも他の誰も履いていない靴で街に出るのは嬉しいものだった。その後立て続けにブルックスネームのプレーントゥやアンラインドローファーなど、オールデン別注靴をオンラインでずいぶん買った。

No:36 Tunker Boots for Barneys New York

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オールデンは比較的日本で購入することが多かったが、この1足もバーニーズで購入。ミリタリーラストの形状は朴訥としているがタンカーブーツのデザインとよく合っている。カジュアルドレスに最適のスタイルだと思う。おそらくブログに1番登場する回数が多いのではないだろうか。この靴のもう一つの魅力はプランテーションクレープソールで、初めて知った履き心地の良さにパターンオーダーの際このソールを指定したのは言うまでもない

No:37 Leisure Handsewn Moccasin expressly for United Arrows

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ブルックスブラザーズのエクスクルーシヴだったアンラインドローファーを別注品として売り出したのが日本の代理店。肉厚の素材に限りがあるので限定品とのことだったが、知り合いの方から譲り受けた。確かに上質の素材で、昔ブルックスのものを輸入した際、左右の革の厚さが違い、皺の入り方が極端に異なったことがあるがそれとはだいぶ違うようだ。結局その靴は同僚に譲ったが、アンラインドのコードヴァンローファーは実物を見るか、代理店が保証するこうした限定品を入手する方が安心かもしれない。

No:38 Saddle oxford in Whiskey Cordovan.

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オールデンサンフランシスコが別注を受けてけていた時期にオーダーした1足。アッパーはウィスキーコードヴァン。サドルオックスフォードのモデルをバリーラストで注文、もちろんソールはプランテーションクレープソールである。仕上がりは通常のオールデンとなんら変わらないが自分だけの仕様が気に入った。キィウィのシリコン入りパレードグロスで磨いているせいか少しずつアッパーの色が濃くなってはいるが、味のある顔になってきている。

No:39 Norwegian front in Mahogany Cordovan

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こちらは同じオールデンサンフランシスコにオーダーしたノルウェジアンスプリットトゥ。やはりバリーラストでオーダーを入れた。前回同様クレープソールでアッパーをマホガニーコードヴァンに指定。最近はコードヴァンの色もシガーとラヴェロの2種類が追加されたが、当時はバーガンディ以外のコードヴァンが出てきただけでニュースとなったほどだ。バリーラストはオックスフォードではなくこのようなブルッチャータイプの方があっていると思う。

No:40 Wing Tip Corodovan Boots.

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最後に紹介するのがレイドンラストのブラックコードヴァン素材ウイングチップブーツ。コマンドソールが装着されているので履き心地はやや硬そうだ。ブーツのビスポークをするので放出しようと思っていたが、これから履き込むのも悪くないと思い始めている。今はこまめに手入れをして保管しているが、履き始めれば皺だらけの1足になるはずだ。

日本からオールデンのパターンオーダーが出来なくなり、直接輸入することもできなくなって、次第にオールデンから遠ざかるようになった。その間セレクトショップの特注品や限定品が発売されていたが、日本のオールデンは値段が高すぎて食指が動かない。だが、最近ネットでオールデンを検索したところ、気になるモデルがいくつもあって改めてオールデンの魅力を知った。

最終回まで、今回紹介したオールデンをはじめ、トリッカーズやウェストン、グリーンやジョンロブ、ラッタンジやボノーラなど、どれもが他の靴とは違う個性をもっている。加えてそれぞれの靴を購入した時の状況やショップのスタッフとのやり取りなど様々な思い出もある。靴の履き心地や作りだけでなく、こうした要素も加わって後世に残す40足が選ばれた訳だが、もし「思い入れのある40足を大切に履き続け、もう新しい既成靴は買わないで済ませる」ことができるかと聞かれたらどう答えるだろうか。

選んだ40足は数としては十分であり、生涯現役で履き続けられるだろう。しかし既成靴を今後2度と買わないと言い切ることはできそうもない。新しい靴に出会える楽しみをとっておきたい気がするからだ。それが馴染みのメイカーなのか、日本の靴なのか分からないが、どんな靴か考えるのも楽しい。

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コメント

貴ブログを約1年前に発見して以来、いつも楽しく拝見させて頂いております。
小生も現在海外に駐在しており、
靴の購入の際などは、色々と勝手に参考にさせて頂いております。
後世に残す40足 内容が素晴らし過ぎてコメントを残さずにいられなくなりました。改めて管理人様の靴への想いを感じる事が出来、感動しております。

これからも更新を楽しみにしております。

パルチザン様

海外より訪問並びにコメントを頂き有難う御座います。

外国で暮らすという事は、勿論その国のよさを知ったり、外国で暮らすことで得たりする様々な体験が仕事でもプライベートでも役立つのですが、どんなに整った国であっても不便を感ずることがあります。パルチザン様も日本に居ては遭遇できない苦労もあったのではと推察いたします。

これからも時々お時間がありましたら、海外からの情報をお寄せ頂けますと幸いです。

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