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2010年11月21日 (日)

Handmade Gloves(手縫いのグローブ)

前回のブログでも少し紹介したが、最近はポンド安ということもあって英国へのオンラインショップを時々楽しんでいる。特に昨シーズン手袋を2ペアも紛失するという大失態を演じていたので、今シーズンは英国の老舗グローブメーカーDENTS(デンツ)に注文するタイミングを窺っていたところだった。10月の下旬、1£が130円を切った時に思い切ってオーダーを入れた。デンツと言えばペッカリーのグローブが有名だ。ザ・ヘリテージコレクションと呼ばれるシリーズの中からオンタイム用の黒とオフタイム用の金茶色(Cork)をペッカリーで、更にカントリーハウス用にシャーリング付のラムスキングローブの3ペアを購入した。

総額はトータルで385£強。レートはカード会社の上乗せが加わっても1£=130.83円ということで日本円に換算すると50,395円だった。国内で購入すると今回注文したペッカリーの金茶色(コーク色)のグローブ1ペアが51,500円である。あまりの内外価格差に改めてポンド安を実感した。そこで今回は1777年に創業され、手にしていることを忘れてしまうほどのフィット感と32もの工程を経て完成するという手袋の逸品デンツを中心にそのコーディネイトを紹介してみようと思う。

1 手持ちの手袋

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左側の箱に入ったものが今回届いたばかりのDENTS。右側が従来からの手持ち。英国のグローブは靴同様イタリアのグローブよりもがっしりと大きく作られているようだ。ペッカリーのグローブはローマのメローラしか残っていなかったが、ここで新たにデンツの黒と金茶が加わった。実は失くした2つのグローブの内1つは1980年代にパリのギャラリーラファイエットで購入した上質の黒のペッカリー、ライニング付で、思い出が多い物だった。それ以来黒のグローブがないという不便な思いをしていたのだが、ようやくここでデンツの黒がコレクションに加わったことになる。

2 グローブの比較Ⅰ(ペッカリー)

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デンツのグローブ(左・中央)はメローラ(右)のものに比べて手首の部分が長く作られている。この部分が短い別注品を日本のデパートで見たが、寒さの厳しい英国では写真のように長い方が正解なのだろう。見ただけでどっしりとした印象を受けるデンツに対してメローラの方はローマというロンドンよりも暖かな気候に合わせて手首は短めで軽くスタイリッシュに作られている。ちょうど英国のジャケットとイタリーのジャケットの相違にも似ていて興味深い。他にもデンツは手の甲に手縫い3列ステッチ(ポインツと呼ばれる)を配しているがメローラは省略している一方、外縫いのステッチ(手縫い)のピッチの細かさやコバの端ぎりぎりを縫い合わせる技術はメローラに軍配が上がる。手袋に対して実用を求めるのか美しさを求めるのかという違いを感じる。

3 グローブの比較Ⅱ

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左からコーチのシープスキンカシミヤライニング付、ブルックスブラザーズのシャーリング付、デンツのシャーリング付と並べてみた。左の2つはアメリカのブランドだが、もちろん製造をイタリアの工場に委託している。こうして比較してみるとやはりデンツのグローブは長めに作られている。厚手のツィードジャケットにカシミヤのマフラーを巻き、コートは決して着ない。仕上げに写真のようなシャーリングやカシミヤのライニングが付いたグローブを嵌め、スェードのアンクルブーツを履いて外出する姿が思い浮かぶ。

4 グローブのコーディネイト①(コーク色のペッカリー)

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コーク色のペッカリーグローブはライニング付で手首をストラップで締め、スナップボタンで留めることができるタイプ。タウンよりはカントリーサイドに合うタイプだ。そこでド二ゴールツィードのジャケット(ファーラン&ハービーの3ピーススーツ)にハケットのタッターソールシャツを合わせ、グローブを嵌めてみた。Vゾーンはカシミヤの入ったウールタイをするもよし、もう少しラフにノータイのまま直接タータンチェックのカシミヤマフラーをしっかり巻くのも良い。ツィードの生地は370gと重くないのでバーブァーあたりのオイルドコートを上から羽織るとより英国的になりそうだ。

5 グローブのコーディネイト②(黒のペッカリー)

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届いたばかりの黒のペッカリーグローブは黒という色目からも分かるようにオンタイムの着用を想定している。指先が凍えるほど寒くなることは都会では殆ど無いと考え、カシミヤのライニングがないタイプ(アンラインド)のものを選んだ。スーツはスーパー120’sの生地を使ったバーズアイの6ボタンダブル(ファーラン&ハービーの3ピース)で、これに誂えのクレリックカラーシャツを合わせ(カフはあえてダブルではなくシングルでコンバーチブルにしている)、グローブを嵌めてみた。薄くてよりフィットした羊や鹿革のシルクライニング付グローブを嵌めるのが正統なのだろうが、職人の技が光る手縫いのグローブを身に着ける方が好みだ。

6 グローブのコーディネイト③(シャーリング付ラムスキン)

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黒のシャーリング付ラムスキンのグローブ。デンツのウェブサイトで折り返せる(ターンダウン)と書かれていたので試みた。これだけ折り返してもまだ手首を十分覆っている。中々贅沢な作りだが、これがセールで30£とのこと。ときどき覗いているが1年中セールのままのようだ。既に生産を止めてストックが無くなり次第オンラインショップから削除するのだろうか。中国製のものにワンポイントのブランドロゴを付けて高価で売っているグローブより断然良い。コーディネイトだが、ポーター&ハーディングの生地を使ったイタリア製ツィードジャケットにポロのタッターソールシャツを合わせ、グローブを嵌めてみた。

7 グローブのコーディネイト④(メローラのペッカリー)

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同じペッカリーのグローブでもイタリアはメローラを嵌めるとそのフィット感の違いがよく分かる。甲のポインツ(前述した3本のステッチ)がないのも、フィットした美しさが良く表れる為なのかとさえ思う。拳の両サイドのシームも極限まで細くとり、綺麗に手の輪郭に沿ってラインを描いている。これがイタリアのグローブの素晴らしいところ、もう何セットかまとめてメローラのグローブを買っておけばよかったと後悔している。コーディネイトはリヴェラーノのヴィンテージツィードジャケットにボレッリのチェックシャツとイタリアのプロダクツでまとめてみた。

前回、亡くなられた加藤和彦さんが手袋のオーダーをされたことに触れたが、知人からイギリスの手袋専門メイカーがビスポークサービスを受け付けていると教えてもらった。正確には対面して話し合いながら一つずつ決めていく訳ではないので真のビスポークとは言えないかもしれないが、左右の手形の輪郭を興し、グローブのデザイン、レザーやライニングを決めていくパーソナルオーダーが可能で、送った手の輪郭は型紙(パターン)として将来のオーダーに備え保存しておくそうだ。このサービスを利用してみようと手形を描いた紙を同封して手紙を郵便で送った。上手くいったらこのブログで紹介してみようと思う。それにしても英国にはこうしたビスポークサービスが服や靴にとどまらず、今回のようなグローブや帽子など多くの嗜好品にまで及んでいる。車の仕様もそうだが、個人の要望を受け付けるシステムが残っているところに英国という国の懐の深さを感じる。

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コメント

デンツのグローブのサイズは何インチ(センチ?)をお持ちでしょうか。

jubilee39msさん

当ブログへのお立ち寄り並びにコメントを頂き有難うございます。

デンツはHPのガイドに従って実寸(8.5)よりハーフ上げた9にしましたが、親指が余るようです。ただ、人差し指から薬指まではピッタリなので良しとしました。

今ビスポークの手袋に挑戦中です。2か月かかるので出来上がりは新春になるかと思いますがアップされましたらご覧いただければ幸いです。

管理人様

 いつも素晴らしい品の紹介ありがとうございます。
 デンツのペッカリーは、やはり良いですね。自分もポンド安のこの機会に購入しました。カシミアライニング付きを購入しましたので、ライニングなしのタイプも購入しようか迷っています。

 手袋をビスポーク中との事で、出来上がりの紹介を楽しみにしております。

hiroさん
コメントを頂き有難うございます。
hiroさんも手袋を購入されたとのこと、何色を注文されたのでしょうか。情報交換などできますと幸いです。

手袋のビスポークは外縫いのタイプで黒のディアスキンで注文しました。ハンドステッチの糸は革と異なる色目で仕上げるようオーダーを出し、ライニングもその糸の色に合わせよるよう頼んだのですが、カシミヤのライニングはベージュ1色しかなく、それで良しとしました。

手形のトレースを作って送り、型紙を興して作られるビスポーク手袋、その出来栄えや如何にとちょっぴり期待しているところです。

管理人様

 ビスポークの手袋の完成が、ますます楽しみになりました。商品の紹介の際は、購入場所等も教えていただけますと幸いです。

 デンツですが、カシミヤのライニングの黒を購入しました。やはり、カシミヤのライニングは非常に暖かいので、ライニングなしの黒とコークを購入しようと思っております。現在使用していますメローラに比べ、ライニングにあるからかもしれませんが窮屈な感じがします。

デンツの海外(イギリス)ホームページ(http://www.dents.co.uk/)へ、日本から直接ネットショッピングされたのでしょうか。その際、日本へのデリバリーはスムーズにいきましたか。留意点ございますか?私もチャレンジしてみたいと考えており、お教え願います。

jubilee39ms様
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、ご質問の件ですが、黒BlackのグローブとBark(赤茶色)のグローブを間違えてデリバリーされましたが、その後も対応はしていましたので問題はないかと思います。ただ、返送した代金1500円を要求したのですが弁済すると言いつつ未だに未払いですが。

ただ、日本で買う半額以下で買えることを思うと、グローブのサイズを熟知していればお買い得です。

本年も宜しくお願いいたします。
メーカーのバケーション明けにオーダーしてみたいと思います。
ありがとうございました。

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