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2008年11月15日 (土)

ウェストンのクラシックシューズ

久しぶりにウェストンの靴を出してみた。この10年間はスクェアトゥやロングノーズの靴が主流だったが、行くところまで行くと当然のように反対の靴、つまり丸くてバルキーでショートノーズの靴が流行ることになる。既にトリッカーズのウィングチップブーツやパラブーツ、オールデンのタンカーブーツなどぼってりとした靴がセレクトショップに置かれたり、雑誌で紹介され始めているようだ。ショートノーズでバルキーな靴といえばウェストンの靴も同様で、トリッカーズやオールデンのように本格的なウェルト製法であると同時に作りの丁寧さと素材の素晴らしさではその2社を超えている。最近は新デザインの靴に力を入れているようだが、今回紹介するのは、丸くショートノーズのクラシックなウェストンである。

写真1 クラシックウェストン

Top

ウェストンといえば写真前列のローファーが有名で、BCBG(フランス上流階級のおしゃれ・趣味・生き方バイブル)というタイトルの本と一緒に雑誌を賑わした。実際、グリーンやブルーのローファーは美しい色目でベルルッティより輝きが素晴らしく上質な雰囲気だ。また、写真後列の紐靴では4アイレットダービーのゴルフ(通称)が類まれなる耐久性ゆえジャーナリストシューズとしてよく紹介されていた。今回紹介する靴は1980年代前半~2000年頃までに作られたもので、全て中敷のブランドロゴが旧体で刻印されており、そのロゴの下の部分にMODELE PROTEGEと入っている。(それ以前の靴で何も入っていないものもあるが。)

写真2 ローファー

Loafer_2

ウェストンのローファーについてはタイトフィッティングを薦められるのが有名な話として残っているが、確かに初めて購入した黒のローファー(左端)はきつめのCウィズだった。ジョルジョサンクの本店2階がフィッティングルームで重苦しい雰囲気の中試し履きをしたのも今となっては懐かしい。購入後馴染むまでかなり時間がかかったが、流石に20年も経つと今は足に馴染んで丁度良い。むしろ後のローファーが全てDウィズであるにもかかわらず馴染んでいないせいもあって硬く感じるほどだ。中でもクロコダイルのローファーはクロコの革を貼り付ける革がしっかりしているため、特に硬さを感じる。その後、Dウィズのフィッティングについては同じジョルジュサンクの店で購入しても(グリーンのローファー)、青山で購入しても(ブルーのローファー)、マドレーヌ寺院のそばで購入しても(茶色のローファーただしマッケイ製法のサマーモカシン)変わらなかったことからDウィズが正しいのだろう。因みにクロコダイルのローファーについてはニューヨークのセール期間中で、客の指定したサイズを店員がてきぱきと出してきてサイズが合えば購入というきわめてアメリカ的でそれはそれでよかった。(もちろんDウィズを購入した)、それからバーガンディのUチップ(これもニューヨークで購入)が1足ごとに革の色目が異なるので同じサイズのものを全て出してもらって選ぶことを学び、後でグリーン色やブルー色のローファーを買い求める時に応用させてもらった。

写真3 ブローグ

Brogue

ウェストンのフルブローグ、外羽根と内羽根である。左の外羽根の靴は出し縫いが二重、ソールがトリプルという頑強な1足で、ソールのつま先と踵にはメタルプレートがネジで留められており、靴を両手で持って曲げても殆どソールが返らない。ウェストンで最も手間のかかるハントダービー同様、アウトドア用の靴なのだろうか。ただし、革の質は大変素晴らしく磨くほどに輝きを放つ上質のカーフである。右側の内羽根のフルブローグは柔らかなグレインレザーのアッパーにウェストン純正のスポンジソールを装着した軽い靴で雨の日も履ける1足。かなり古いフルブローグで、製造番号が手書きのため既に消えかかっている。特定はできないがMODELE PROTEGEがない旧体のロゴであることから1980年代前半くらいか。チャーチの#73ラストの名靴「チェットウィンド」に似た雰囲気をもち、ウェストンが靴作りを英国のチャーチから学んだという話も信じられる。

写真4 ダービーシューズ

Loafer_2

外羽根式の靴。どちらもウェストンの定番スタイルだが、左のゴルフは特に有名。このゴルフに装着されているウェストン純正ゴムソールは減りが遅く、いかにもグリップの強そうなパターン(中央にlウェストンのWがデザインされている)が地面をしっかりととらえる。この靴が唯一ゴルフ場に入れる靴だといったような逸話を聞くが、ハントダービーをドゴールと紹介した雑誌を読んでパリの本店でドゴールを注文したもののさっぱり通じず、ようやくハントダービーだとわかったといった話もあるので定かではない。一方右の5アイレットダービーは81/2-Cで手持ちのウェストンではもっとも細いラストのもの。ダブルウェルト(360度縫いの意)でダブルソール、つま先にメタルプレートが装着されたハードな1足。芯がしっかりと入っているのがフランスの靴の特徴なのだろうか、この靴も返りが殆どなく、履きならすまでに時間がかかる。ただし、グリーン色やブルー色のローファー同様このバーガンディの色目も大変素晴らしく、ウェストンの革質はジョンロブ・パリ(既成靴)に勝るとも劣らない。スタイルの好みはあるだろうが、価格から考えるとトータルでウェストンのよさが光る。

写真5 ブーツ

Boot

写真のブーツはウェストンが新しいスタイルをリリースし始めた2000年代初頭の頃のものだが、1988年に購入した黒のローファー(写真2の左端)と素材で比べると革が薄くなっているようだ。靴のスタイルから薄い革を選んだのかもしれないが、革の表面のきめ細やかさも昔のものの方がしっとりとしているようだ。木型も従来のウェストンにはないもので、21世紀を境にウェストンが変わっていくのを店の雰囲気やディスプレイはもとよりプロダクツからも感じるようになっていった。

この間あるセレクトショップにディスプレイされていたパラブーツの定番シャンボール(ロブパリのエプロンダービーと同じ名前)を見て、改めてウェストンのゴルフやUチップのもつ独特の雰囲気が懐かしくなり、並べてみた。今でもローファーはよく履く靴の一つだが、紐靴やブーツも履いてみたい。ウェストンの靴は要注目である。

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コメント

お久しぶりです。
ウェストンの靴、いいですね。自分は所有しておりませんが昔は憧れたものです。今年の夏、青山店でクロコのブーツがセールでおいてあり購入しようと思いましたがサイズが合いませんでした。。。。しかし、並べると綺麗ですね。いつも思うのですが素晴らしいです。また、色々教えて下さいね。ありがとうございます。

タカタカさん
いつもコメントを有難うございます。
ウェストンの靴、昔から作りと素材の良さでは世界トップクラスだと思っていました。ただ、丸みのある独特のスタイルが靴の流行から少し離れていたのですが、ここでまた帰ってきたような気もします。これからウェストンの靴をちょくちょく履いてみることにします。
クロコのブーツ、とても良さそうですね。セールで遭遇していたら買いたくなってしまったかもしれません。

随分と昔の記事へのコメントですみません。”ウエストンのローファー”の検索でお邪魔しています。オークションでローファーを購入しようと思っていますがサイズで悩んでいます。現在私が履いているウエストンのサイズは以下の通りですが、愛用されている同じ靴のサイズを可能であれば参考に教えて下さい。
・ゴルフ「6D」
・フルプローグ「6/E」
・ロジェ「6/D」

TAKE1960 さん
当ブログへの訪問ならびにコメントを頂き有難う御座います。
さて、ウェストンのローファーで検索されているということですので、ローファーのサイズについてのご質問と受け取りました。
当方は7.5-Dのローファーを履いていますが、ゴルフも同じ7.5-Dをパリのジョルジュサンク本店で薦められました。それより昔のウェストンの店員が7.5-Cのローファーを薦めたことを考えると TAKE1960 さんの場合タイトフィットで6-C、ジャストフィットで6-Dではないかと推察されます。
オークション等で購入されるのでなければショップでご自身のサイズを確認できますので、その際は6のサイズを中心にウィズをCとDで比較してみては如何でしょうか。

ご返事ありがとうございます。参考にさせて頂きます。今後もブログを楽しみに拝見させて頂きます。

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