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2008年9月29日 (月)

Foster & Son Ⅱ(第2回)

 フォスター&サン、ロブ・ロンドン、ジョージクレバリーと並んでピカデリー界隈に店を構える名店である。1840年に設立された同店は現在、英国最古と言われ1750年に設立されたヘンリーマックスウェルを傘下におさめ、クラシックな注文英国靴を作る老舗として日本でも知られるようになってきている。以前当ブログでも紹介したこのフォスター&サンだが、前回新作を紹介したついでに改めて手持ちのフォスターやマックスウェルの靴と比べながらこのこの名店の魅力を探ってみる。

1:フォスター&サンの靴

Top

フォスターが作り上げたラストはインサイドストレート、アウトサイドカーブの所謂イングリッシュラストで、セミブローグやキャップトゥの靴がよく合う。つま先は低く、角のないチゼルトゥがエレガントで、ジョンロブ・パリの誂えと共通の雰囲気をもっており、腕の立つ職人を擁するフォスターらしいパーフェクトな仕上がりだ。今までの7足を並べてみると、一番長いのが4足目のフルブローグダービー(右から3足目)で最も短いのが今回7足目のセミブローグ(左から3足目)である。靴の長さやトゥの形が毎回微妙に異なるところはハンドメイドならでは。

2:ヒールのスタイル

Heel_3

一番左のヒールはシームをインサイドにふってスキンステッチで縫い目が見えないように仕上げたもので大変凝った作りだ。左から2番目がシームレスヒールで英国の注文靴屋ではあまりポピュラーではないのだろうか、フォスターでもクレバリーでも この仕様で注文する人はあまりいない。中央のフルブローグはシームがカウンターで隠れるタイプ、その隣のフルブローグダービーはヒールの下部分のみダーツをとっている。一番右が通常のシームが入ったヒールである。こうしてみるとやはりシームレスのヒールは美しい。

3:オックスフォード(内羽根式の靴)

Oxfords

内羽根式の靴を並べてみた。まず気がつくのが右側2足(フルブローグ)のアイレットがフレアー(下に行くほど間隔が広くなっていること)なのに対して、左側2足(セミブローグ)のアイレットはパラレル(平行な状態)になっていることである。また、平紐と丸紐の違いでは靴の印象が変わる。さらに注意深く見ると、レースステイと呼ばれるアイレットが乗る部分の長さはどの靴も同じである。ここを基準にして靴のパターンが起こされるのではないだろうか。

4:トゥのデザイン

Toe

左の黒靴と右の黒靴、その上のフルブローグはほぼ同じパーフォレーションでラムズホーンと呼ばれるものだが、若干の違いがある。同様に中央のチェスナッツ色のフルブローグのパーフォレーションも若干の違いがある。ヘンリーマックスウェルのパーフォレーションには個性的なものがあり、まだまだ紹介されていないパターンもありそうだ。左から2番目のスコーピオンが前回のブログで紹介した最新の靴である。

5:靴のインサイド

Inside

靴のインサイドを見てみる。どの靴もシングルソール(クォーターインチ)でつま先に2列の釘を打ち込み、踵はクォーターラバー、またはつま先同様2列の釘を打ち込んだ仕様になっている。従ってダービーであってもベヴェルドウェイスト仕上げになっており、深くえぐられているアーチ部分の美しさがよく分かる。また、ヴァンプ部分からつま先にかけて低く仕上げられたトゥの形状も見てとれる。

6:黒の靴

Blackshoes  

フォスターネームのセミブローグとマックスウェルネームのサイドエラスティック。サイドエラスティックの靴の方が脱ぎ履きがしやすいことから履く回数も多くなるのが普通だろうが、個人的にはセミブローグの方がスーツスタイルにピタリと来ることもあって圧倒的に履く回数が多い。スーツに合わせるには紐靴それもセミブローグの黒が自分にとっての着こなしの基本である。(ダブルのスーツにセミブローグ、シングルのスーツにフルブローグ、ただしどちらの靴も黒に限るというのが英国のオンタイムでの着こなしの基本の一つらしい・・・。)

7:こげ茶の靴

06th_07th

6足目と7足目の靴を比較してみた。どちらも同じような色目だが、履き心地は異なる。左の最新作は肉厚のカーフで足のホールド感が強いが、右のグレインレザーはインパラと呼ばれる鹿の一種の革ということでスェードに近いしなやかさが特徴だ。スーツに合わせるには左のセミブローグ、ジャケットスタイルには右のエプロンダービーというのが定石かもしれない。しかし、シームの見えないヒールやベヴェルドウェイスト、シングルソールといった仕様から考えると、それぞれの着こなしに反対の靴を合わせることも可能だろう。

フォスター&サンの魅力は前回のブログでも述べたが、テリームーア氏の作る名ラストに英国靴らしいブローギングを施し、色やデザインに若い職人のイメージを載せて出来上がる古くて新しい注文靴である。日本でのトランクショウは盛況で締め切られたが、次回のトランクショウまで待っても注文する価値のある名靴に違いない。

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コメント

フォスターのトゥデザインはとても綺麗ですね。管理人様はフォスターとクレバリーどちらがお気に入りですか?難しい質問と思いますが・・・

てつさん
いつもコメントを有難うございます。
クレバリーのスタイルとフォスターのスタイルは同じように見えますが、レングス、つま先の処理、月型芯の入り方、ソールの材質などかなりの部分で異なります。ですのでどちらがより好きかと言うよりどちらも魅力的だということです。更に言えば、今まで注文したビスポークの店はどこもお気に入りです。ただ、東京に居ながら現地価格で注文できるということでクレバリーとフォスター&サンがメインになりますが。(ロブパリは日本で注文する場合はパリと値段が異なります。勿論今度始めるサンクリスピンも同様で日本価格はかなり高そうです。)

こちらこそツマラナイ質問をして申し訳ありません。とても参考になります。フォスターは、現物を拝見していませんので、次回のオーダー会に行って見たいと思います。


てつさん
いつも書き込んで下さり、ありがとうございます。全然つまらない質問ではありません。改めて色々なところで靴をオーダーしている意味を考えるいい機会でした。
時間がありましたらいつかまた、お立ち寄りください。

こんばんは。

個人的な意見ですが、テリーが引退しない前に、彼に木型を作ってもらいたいですね。だとすると、そろそろオーダーしないといけませんが。(笑)

deibu95さん
そうですね、今でもテリーさんは半分引退しているような感じなのでフォスターの店に来るのは週のうち何日かなのではないでしょうか。今のうちにオーダーされるのがよいかと思います。
ところでフォスターに次の靴をオーダーしているのですが、先週底値に近いポンド安の日にデポジットを入れました。その日のレートが1£=148円でしたから(ただしクレジットカードで)ひところの1£=240円の時から比べてデポジットだけでも8万円得したことになります。今はオーダーのチャンスといったところでしょうか。

こんばんは。

たぶん何度も作られいているからでしょうけど、1度使ったカードの番号は、有効期限がある限り、カードがなくても、番号、名前、有効期限を伝えるだけで、使えて、オダーできるのですか。木型を作ってしまえば、それだけで、作れるのなら、便利ですけど。

deibu95さん
フォスターに限らず、クレバリーやヘンリープールでもそうですが、何回かオーダーを入れることで顧客として店との信頼関係ができてきます。ただし、最初はどの店でも必ずデポジットを入れますが。

管理人様

はじめまして。
いつも素晴らしいコレクションを拝見させていただいております。

教えていただきたい事があります。
クレバリーが東京に居ながら現地価格で注文できるということですが、トランクショーはビームスだけとの認識がありましたが、どのように注文できるのでしょうか。

hiroさん
はじめまして。
当ブログにお立ち寄り頂き有難うございます。
G.J.クレバリーにかぎらずジョンロブやヘンリープールなどロンドンで誂えた顧客のために年に数回日本へきて注文をとっている店が何件かあります。

管理人様

教えていただきありがとうございます。
やはり管理人様のようにロンドンで誂えた顧客でないと日本のトランクショーに参加する事は難しいでしょうか?9月に日本にみえるようですので、ぜひ参加をしたいと思っております。

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