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2008年9月20日 (土)

Custom Shoes

 週末のひと時を家で過ごしていると配達員が小包を届けにやってきた。サインをし、受け取ってから送り先を見るとロンドンのフォスター&サンと書かれている。中を開けてみると、昨年注文した靴が丁寧に収まっていた。以前このブログで「フォスターにとって、初めてのビッグチャレンジというオーダー」だと書いたその靴がようやく届いたのだった。

 実は今回のオーダーは2つの我侭をお願いしていた。まず一つ目は次回のオーダーに向けてシームレスヒールをお願いしておいたことである。テリーは(クレバリーでも結構難しいのだが)シームレスヒールのフィッティングは問題があると考えているようで中々OKが出ないということだったのを無理を言ってリクエストしたものである。これで次のオーダーもシームレスヒールでリクエストしやすくなるのではと期待している。

1 シームレスヒール

Heel

 ヒールをシームレスにするということは、フィッティング上の課題が生じるということで、フォスターでは薦めなていなかったようだ。そこで、日本のトランクショウに出向き、担当の職人さんに大変無理をいって完成させてもらった。この後にオーダーする予定の靴というのが、黒のパンチドキャップトゥでシームレスヒールのスマートラウンドトゥというものなのである。ここまで読んで気が付かれた方は靴が好きな方だと思うが、フォスターにお願いしたいのはロブ・パリのフィリップⅡを更に美しくさせた靴を作ってもらうことである。今の木型は大変素晴らしいので、その木型をモディファイしてスマートラウンドにするのは少しばかり気がかりなのだが、新しく木型を起こすとフィット感も変わるらしく、今の木型を流用した方が確実と解釈している。

 二つ目のリクエストはトゥのデザインを自分のホロスコープである「さそり座」をモチーフとしたデザインで仕上げることが出来ないかという依頼であった。こちらも、大きいパンチで穴開けを行うと革が裂けてしまうとのことで、中々難しかったようだが、若い職人さんのデザインで出来上がった。フォスターの作る靴は伝統的な英国スタイルの靴で素晴らしいが、色やデザインにテリーさんの弟子である若い職人さんのアイデァが加わることでベルルッティよりもクラシックかつアート感覚のあるフォスター&サンが生まれるのではないかとひそかに思っている。

2 トゥのデザイン

Toe

 今までにないデザインのつま先をということで自分の星座を選んだのだが、職人さんにはかなり時間を取らせてしまったようで申し訳ない。ただ、その分仕上がりには満足している。着用して歩いてみるとまず気がつかれることもないが、ショッピングに行って、たとえばトラウザーズを試着した時など、靴に興味をもたれ、そこから話がはずみそうだ。デリバリーが予定よりも早かったが、自身の誕生日用にと思ってオーダーしておいた靴で、11月に届けば正に「さそり座」生まれに相応しい靴になったところだ。

3 ライニング

Lining

 その他にもライニングを今回はパープルレーベルのような色目にしてみた。以前よりもフォスターのライニングの色が多く選べるようになってきているようで、フォスター&サンという注文靴屋が成長してきている雰囲気を感じる。日本でのトランクショウも成功しているようで、外国のブログを読んでいてもフォスターの靴をオーダーしているやり取りが出ていることから、テリー氏の生み出す素晴らしいラストとそれを継承していく若い職人さん達の柔軟な発想がますますフォスター&サンを面白くしてくれる予感がする。

4 シューツリー

Tree

 最後にシューツリーをはずして撮影してみた。中央のツリーのつま先は実に美しいラウンドになっている。次回はこのような雰囲気のトゥで黒の靴を作りたいと考えている。フォスターで靴を作ってから6年が過ぎた。年1~2足のペースで作って今7足の靴が揃ったことになる。後3足、まずは10足作りたいと思っている。どんな3足にしようか考えてみると、前述したパンチドキャップトゥ(黒)、その次がロブロンドンよりスマートなラウンドのフルブローグ(黒)、そして10足目にはノルウェジアンウェルトのエプロンダービーブーツ(茶色)(ヘンリーマックスウェルのモデル)とすぐに見つかるところもフォスターの靴が素晴らしいが故だろう。

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誂え靴(Bespoke shoes)」カテゴリの記事

コメント

こんばんは、素晴らしいできばえですね。
トゥのデザインの依頼がすばらしいです。勉強になりました。
自分はいて座なので、今度お願いしてみたいなと思いました。
フィリップⅡは持っていますが、一味足りない気がするのはなぜですかね。

タカタカさん
早速のコメントを有難うございます。
フォスターはブリーチした革に綺麗な色目を乗せた正統的なオックスフォード(私の最初もオーダー)や今回のように新たな意匠を盛り込んだクラシックな英国靴を作ることが出来るので、ベルルッティよりも私の感覚にピタリと合います。
フィリップⅡを所有していないので何とも言えませんが、ビスポークのグラマラスなラインは既成靴では不可能でそこが物足りないのかもしれませんね。でも私の個人的な意見としては他の人が履いているフィリップⅡはとても素敵だと感じました。

靴も素晴しいし、シューツリーも溜息がでる色ですね。どのような服にあわせられるのか拝見したいものです。色はこれはBurgundyそれともdark brownのいずれでしょうか?

英国好きさん
コメントを有難うございます。
色は前回のノルウェジアンエプロンダービーと同じダークブラウンです。ただ、前回の素材はグレインレザーとはいうものの比較的薄くて柔らかなインパラと呼ばれるものだったので、今回は素材を肉厚のカーフにしています。
フォスターはツリーも丁寧な作りですが、さらにクラシックな3ピース(中央がビーバーの尻尾のようなタイプ)のツリーも注文できます。
自宅玄関の靴箱には高すぎて収まらないので、私はいつも写真のようなヒンジタイプのものにしてしまいますが。

とても素晴らしいです。パープルの内張りはラルフ・ローレンのパープルレーベルを思い浮かべてしまいます。
いつも参考にしながら、私は大川さんの所でオーダーし出来上がりました。今後も期待しています。

てつさん
ご無沙汰しております。
靴へのお褒めコメントを有難うございます。仰るようにパープルのライニングはラルフのパープルレーベルのイメージです。多くの注文をこなすことで、店側のライニング用の革のストックも増えてくるのでしょう。
大川さんのところで注文されて出来上がったとのこと。写真でも結構ですので機会がありましたら拝見させて頂ければ幸いです。また、履き心地などもお教え下さると嬉しいです。

管理人様に伺いたいのですが、フォスターの場合は初めのフィティングから硬さとかはないのですか?
大川さんの靴は、とても硬いです。大川さん本人も半年ほどで足に馴染んでくると言われました。クレバリーは最初から硬さはあまり感じられませんでした。

てつさん
フォスターはあまり硬いといった印象はありません。6足目のドーバータイプの外羽根はアンラインドローファーのような履き心地です。
ただフィッティングに関して言えば1足目はやや緩めでした。そこで履いて思い切りベンドさせた状態で写真を撮り、メールでフォスターの職人さんに送ったところ、写真をもとに木型を修整してくれたので2足目からよくフィットするようになりました。
大川さんはロブの出身だということですが、ロンドンは分かりませんがパリのロブはとても硬い靴です。芯がしっかりと入っているのでしょうか。パリの工房を訪問した時に見たインソールの厚みもかなりのものだったように記憶しています。

管理人様の目利きは素晴らしですね。大川さんの靴は、一足目なので最初から上手くはいかないとは思いますが、硬さに慣れるのには時間が必要ですね^^
管理人様のおしゃる通り芯がしっかり入っています。インソールも厚みがあります。自分の足に合うまで時間が掛かりそうです。
また相談に乗って下さい。宜しくお願いします。

てつさん
色々と教えていただき有難うございます。
仰るとおり、フィッティングについては1足目からパーフェクトとはいかないようですが、硬い靴をならすのにはかなり時間がかかるようです。
3足あるロブパリの注文靴のうち、何とか馴染んできたのは未だに最初の1足だけです。

管理人様

始めまして。
いつも素晴らしいコレクションを拝見させていただいております。ありがとうございます。

素敵なスコーピオンですね。ちなみに私は魚座なのですが、真似をさせていただくにも、少々難ありです。自分でも少し考えてみようと思っていますが。

マンハッタンの背景は写真を見ているだけで、清々しい感じになります。晴れた日にセントラルパークでゆっくりと散歩したい気持ちになります(メグ・ライアンに会えないなかなー?)。

これからもご活躍を期待しております。

失礼いたします。

サンタクルゾーさん
訪問ならびにコメントを有難うございます。
もしご自身の星座のパーフォレーションをとお考えになられましたら「うお座」で検索すると素敵なデザインのものがネット上から参照できるかもしれません。
フォスター&サンは英国らしいブローグが上手な注文靴屋さんですが、若い職人さんの柔軟な発想が加味されて成長株だと思います。
ブログの扉写真のマンハッタン、私も暫く行っていませんが、メトロポリタンミュージアムからマディソン街を歩いてアート&ショッピングを楽しみたいなんて夢想しています。

ご無沙汰しております。以前UAのアンラインドローファーでお世話になったものです。(HNは違ってます。)
すばらしい靴ですね。いずれはオーダーしてみたいです。この革はカールフロイデンベルグみたいですが、履きこんで、ますます、しなやかになり、良い艶が出そうですね。これからも期待しております。

deibu95さん
ご無沙汰しております。革の出自は確かめなかったのですが、肉厚の良質なカーフで、deibu95さんの仰るとおり履きこむ楽しさがありそうです。
今の段階でも結構艶があるのですが、履き込んでいった時のことを想像しています。

こんばんは。

その木型をモディファイしてスマートラウンドにするのは少しばかり気がかりなのだが、新しく木型を起こすとフィット感も変わるらしく、今の木型を流用した方が確実と解釈している。

この部分ですが、チゼルの木型にいれて、ラウンドの靴ができるんですか。そうすると、チゼルを先に注文して、その木型が出来上がってから、、ラウンドを注文する方が、効率がいいですよね。この逆もできるのでしょうか。

メゾンによっては、ラウンドとチゼルの2つ、場合によっては、カジュアル用に、もう2つ作るところがあるらしいですが。

deibu95さん
私の足に合った木型を使ってチゼルからラウンドにした方がフィット感が変わらないので良いのではという職人さんの話でした。その際、「ラウンドにした場合元のチゼルに戻せるのか」尋ねたところ、「可能」とのことでした。
その後、実は今回の受注会で話を聞いたところ(靴のアップの方が受注会より先だったので)新たにラウンドの木型を今の木型をコピーして作るとのことでした。最近の木型のコピー技術はかなり優れているので採寸なしで作るそうです。
ということは木型が2種類ということで(ロブパリと同じ)ラウンドとチゼルを一編にオーダーすることも可能ということになります。

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