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2007年11月 4日 (日)

名靴・・第1回

名靴との出会いは今から20年前に遡る。パリのウェストンでローファーを購入し、フランクフルト、ウィーンを回ってミラノからフィレンツェに入った。VAN世代であり「ウェルト靴」にこだわりがあるせいか、華奢な靴が多くディスプレイされているフィレンツェの靴屋に目当てのものはなかったが、たまたま老舗のメンズショップ「プリンチペ」で見たグレンソンに惹かれてわざわざ英国靴を購入した。この時の2足を出発点に、その後多くの名靴と出会った。今回はその中からいくつか紹介してみたい。

ウェストンシグネチャーローファー

Weston_croco

ウェストンの靴は本当に素晴らしい。このローファーだけでも素材や色違いで6足、さらに紐靴まで含めると全部で11足も靴箱に並んでいる。このクロコダイルローファーはNYのショップ(今とは場所が違う)で購入したものだが、クロコの斑の入り方が左右の靴で対称になるよう熟練した職人が時間をかけてクロコの原皮を丹念にチェックした後、パターンを決めクリッキング、メイキングしているとのこと。一日に1足分しか取れないこともあるそうだ。ウェストンの靴で職人の手書きサインが入る数少ないモデル。

ジョンロブ ストラップローファー (Delanoe)

Delanoe 

ジョンロブの記念すべき1足目。当時Darby(#8692)と呼ばれるラストを使用してエドワードグリーンの工場で作らたものだが、別の見方をすると、当時既に工場の経営はジョンロブパリ(エルメス傘下)で、ロブパリの工場でエドワードグリーンを作っていたという話もあるようだ。ライニングにもソールの刻印にもParisが表記されている時期のもので、革質は素晴らしく、ライニングからソールまで上質の素材が使われている。ただ、このころからグリーンとは履き心地が異なっていて、やや硬かった。

チャーチズ グラフトン

Church73

チャーチズは店舗の多い靴屋で、地方に行くとロンドンで見られないモデルが並んでいるので、車で英国北部やスコットランドを回る時はチャーチズをよく訪ねた。このグラフトンは名ラスト#73の上に傷が付きにくく雨に強いブックバインダーカーフを乗せて作られている。360度出し縫いのダブルウェルトにダブルソールのカントリー靴。そのタフさ故未だに出番の多い名靴だが、一度エジンバラでコードヴァンのグラフトンを見たことがあった。その時に購入すればよかったと後悔したことが思い出される。

クロケット&ジョーンズ バックルドブローグ

Skone_cj

クロケット製のポールセン・スコーンを初めて試した時、その履き心地のよさに感激したことを思い出す。その後ポロやポールスミスなど様々なブランド別注を履いたが、P・スコーンを越える感触を感じたことはない。最近のロングノーズの靴と比べると短く幅広だが、素材は上質、作りは丁寧だ。ヒールリフトも合成素材を使わず革を4層重ねて作っており、こうしたことが履き心地と関係があるのかもしれない。そういえば、同じ作りをしていた靴にロイドの別注があった。今はどうなっているのだろうか。

エドワードグリーン モントピーリア(モンペリエ) クロコダイル

Green_loafer

クロコダイル素材を使ったEグリーンの靴。1991年ロンドンで購入。エプロンのクロコの斑が左右で違うことからアウトレット品と考えられるが、現在カタログにもない素材であることから「珍しい靴」でもある。モンペリエは最もスタイリッシュなローファーで履き心地はロブのロペスより断然柔らかい。そこでロブではこの靴とよく似たZILKAというローファーを後にリリースしている。またロイドも以前マスターロイドとして扱っていたようで、このモンペリエが如何に名靴だったかが感じられる。

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靴(Readymade shoes)」カテゴリの記事

コメント

どの靴をみても美しいです^^クロコの靴は、どの様な服装に合わせるのですか?

てつさん
コメントをありがとうございます。

クロコの靴の場合はウェストンもグリーンもカーゴパンツかジーンズに合わせています。

オシャレですね^^クロコは所有していないので羨ましの一言です。

いつも楽しく拝見しております。
本サイトから既成靴のページがなくなり、
寂しく思っておりました。
既成靴の特集、是非続けて下さい。

てつさん
クロコダイルの靴は日本では中々セールにならないのですが私はアメリカでもヨーロッパでもセールで買いました。チャンスにめぐり合ったときが「買い」のようです。
きりはらさん
コメントをありがとうございます。また「既成靴の特集」に対する温かいお言葉、感激です。おっしゃるとおり本サイトにないコンテンツということで既成靴に力を入れていれてブログを運営しています。これからもお暇なときにお立ち寄りくださいますと嬉しいです。

はじめまして。すばらしい靴の数々にただただ圧倒されております。
ところで質問なのですが、クロケット&ジョーンズの、「ヒールリフトも合成素材を使わず革を4層重ねて作っており」という部分ですが、これはどうやってそのように判別できるのですか?

ワトソンさん
Pスコーンのうちよく履く1足の底が減り、ラバーチップを過ぎて底から3層目まで来ています。断面を見ると量産靴のようにプラスチックのヒールに革を貼り付けたものではなく、繊維が密な革のようなものが見えています。ひょっとしてこれも合成素材だったりするかもしれませんが・・・。

なるほど。どうもありがとうございます。

こんにちは。
そのPスコーンですが、もしや木型は248ではありませんか?私の持っているクロケット製ポールスチュアートのモンクストラップ靴とすごく似ています。甲が低くて土踏まずの支えがしっかり感じられ、とても良い履き心地です。

ワトソンさん
靴棚からご指摘のありましたクロケット製、ポールセン&スコーンネームのバックルドブローグを出して調べてみましたが、仰るとおり木型は248番でした。ワトソンさんというお名前どおり(ホームズの右腕)博識でいらっしゃいます。
実は昨日、同じポールセン&スコーンネームの2アイレットダービー(黒)を久しぶりに履いてみたのですが服装にも合ってとてもよかったです。木型を調べたら200番でした。
そういえば、先日久しぶりに既成靴を買ったのですがそれもクロケット製でした。私の好きなアンラインドローファーでスェード素材、ハンドグレードのMARSTONです。近いうちにブログで紹介できたらと思いますが、アンラインドのローファーはビスポークで作るスタイルではないようで、それならばと既成のものを探していたところでした。
このところちょっぴりクロケット&ジョーンズと縁があります。

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