« Old Edward Green | トップページ | 名靴・・第1回 »

2007年10月 7日 (日)

ラストにこだわる

既成靴を購入する時に「~のファクトリーのラスト~番」といったことに注意を払って購入する人が以前より増えてきているらしい。多くの人から支持されるラストはどこの何番なのだろうか。雑誌ではたびたび旧E・グリーンの#202を紹介している。手持ちの既成靴の中で多く所有するラストはなんだろうか自分の靴箱を調べてみたところ最も多かったのが新E・グリーンの#808次がジョン・ロブの#8695だった。

Edward Green Last #808 "The Bespoke"

808_01

#808は"The Bespoke"と名づけたられたラストに相応しく、そのシェイプの美しさは1990年代当時別格だった。初めて#808の購入を購入したのはP・レーベルのATTLEであったが、ラストにこだわって立て続けに2足をメールオーダーし、2足の既成を購入した。上の写真は#808の靴だが、左端がUA別注ブラックカントリーカーフのドーバー、右端がバーリントンアーケードで購入したチェスナッツアンティークのドーバーである。中央にはフォスターのビスポークを並べてみた。この#808は#202にフォスターラストと呼ばれる#88をハイブリッドして開発されている。ならばということでフォスターのビスポークと比較してどれほどビスポークの雰囲気が出ているか比較してみた。こうして比べると両端2足のドーバーはビスポークの雰囲気をうまく出しているようだ。

808_03

2枚目の写真ではエプロンの大きさを比較してみた。中央のチェスナッツアンティークのものはやや大きいが、左端の黒のカントリーカーフと右端のビスポークは殆ど大きさや形が同じである。さすがに履き口の狭さはビスポークならではだが、新生E・グリーンの#808を故ジョンフルスティック氏が"The Bespoke"と命名したのがよく伝わる。

ただ、グリーンの靴は昔も今も華奢である。1週間の海外旅行にドーバーを選んだところ旅の最後にはエプロンのステッチが解れた。昔のチェルシーを久々に履こうと思ったところ、履き口の踵上部から革が裂けたこともある。グリーンの靴をある程度所有してローテーションを長めに取り、たまに履くのならばよいだろうが、グリーンの靴に耐久性を求めるのは難しい。

もし、ドーバーのスタイルが好きで、長く履きたいと思うのならジョンロブの既成Chambord(シャンボア)にすることをお薦めする。履き心地は硬くなるが頑丈で、ドーバー同様1週間の海外旅行を最後まで型崩れせずに過ごせる。ただし両者の価格には四万五千円の開きがあるが。

John Lobb Last#8695

8695_01

この写真の靴はいずれもジョンロブの定番ラスト#8695で作られている。#8695は#202のジョンロブ版と呼ばれているそうだ。写真左からパリにメールオーダーして取り寄せたダービーのブーツ版グロスター、中央および右がファクトリーストアーで購入したリジェクト品である。特に中央はハンドメイドラインと呼ばれるもので、フィリップとおなじ手仕事の部分を残しているとのこと。この#8695はラウンドトゥでロングノーズではないが、履いた時にトラウザーズの裾幅にマッチする絶妙な長さが気に入って買い求めてきた。ただ、ジョンロブの靴は頑丈にするために芯をしっかり入れており、ダブルソールの靴(両端)などでは靴が馴染む前につま先がウェルト部分まで減ってしまう。

8695_03   

上の写真では中央シャンボアのホワイトステッチが目立つが、通常は左隣のグロスターのように目立たない糸で縫われている。ロブの靴は通常ウェルトの目付けがないが、右端のハンドメイドラインでは出し縫いのステッチをウエルトの溝に隠し、その上から目付けを行っている。こうした部分がハンドメイドなのだろうか、確かに手間を掛けて仕上げている。

最近ジョンロブの既成靴を覘く機会があったが、その値段に驚いた。ジョンロブの既成靴はたとえ手仕事の部分を多く残していたとしても、機械によるウェルト靴の大量生産用に開発されたグッドイヤー製法で作られている。ならば手仕事が付加された20万円を越すプレステージライン2足より、真の手仕事のビスポーク1足の方が意味があると思うのだが。

« Old Edward Green | トップページ | 名靴・・第1回 »

靴(Readymade shoes)」カテゴリの記事

コメント

いつもお世話になりありがとうございます。

ラスト#808が合うなんていいですね。私は典型的な日本人らしく横幅が合わなくて、ラスト#82E、#888を購入しました。

また、最近は服・靴等々オーダーを楽しむようになりましたが、友人から『オーダーは自己満足の世界』と言われ・・・・・そうなのかな?と。そうかもしれないなて。

ただ、ビスポークは作り手の顔が見えますし職人との協同作業が一瞬でもできる事が自分にとっては嬉しいかと。(通常できない事なので)

物へのコダワリの部分は、自己満足かも知れませんが。

また訪問させてもらいますね。

matumatuさん
コメントをありがとうございます。

私のグリーン歴は#808や#89で終わっています。それ以後はグリーンを購入しなくなったためで、もしかしたら#888や#82の方がよりフィットするかもしれません。

「オーダーは自己満足の世界」とのお話、その通りかと思います。

はじめまして、管理人様。すばらしい物をお持ちですね。
matsumatu様、横からすみません。「自己満足の世界」とか批判的な物言いを良く耳にしますけど、自己満足ってしちゃいけないのですかね?そんな批判的トーンで物言いをする人も「自己満足」してるはずなのに・・・・・笑っちゃいますね。ビバ自己満足。

wagyu様
 コメントをありがとうございます。
 おっしゃるとおり既成品を購入する方もその人なりの満足がある訳で、オーダーが自己満足の世界というより、物を買うということが妥協もあるにせよ、自己満足の世界と考えた方がよいのかもしれません。
 私は手縫いのボタンホールの既成シャツが好きですが、「そんなものに余分なお金を払うなんて馬鹿らしい」と思う方から見れば「手縫いシャツを買うことは自己満足の世界」と映るかもしれません。

管理人様、
自分が身に着ける物ですから、自己満足度が無ければ成り立たないじゃないですか。着る物なんて何でも良いなんて言っている人に限って、その無頓着ぶり(装い)が周りを不愉快にさせていたりして、そのような価値観もまた「自己満足」じゃないですか?馬鹿げた話ですみません。ただ「自己満足」って言葉が嫌いなもので。自分にうしろめたい気持ちがあるのかもしれませんね。(笑)

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« Old Edward Green | トップページ | 名靴・・第1回 »